『Square』とは、スマホやタブレットのイヤホンジャックに専用の端末を装着して、店舗や個人がクレジットカードの決済を行なえるモバイル決済サービス。
Squareは簡単な手続きでカード決済できるシステムとして注目を集めている。6月に秋葉原で行なわれたアスキー・メディアワークス主催のイベント、『夏のASCIIフェス2013』でもSquareを導入。『アスキーストア』ブースで初のカード決済対応を可能にした。
今回は、東京都内で実際にSquareを導入している2店舗で、Squareを使い始めたきっかけから活用方法までをうかがった。
■導入例その1
「3ヵ所のSquareでまとめて売り上げ管理」
まずは渋谷にあるカフェテリア『FabCafe Tokyo』。
3Dプリンターやレーザーカッターでオリジナルのグッズを作成できる、“ものづくりカフェ”として人気。店内は電源コンセントもフリーで、PCを持ち込んで作業している人が目に付く。レジは店内に2ヵ所、さらに別のフロアに1ヵ所あり、すべてをiPadとSquareで決済を行なっている。
↑『FabCafe Tokyo』(関連サイト)
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F
――Squareを導入したきっかけは?
日本でサービスが始まる前からSquareに注目していて、日本でのサービス開始後すぐに導入を決めました。
――ほかにも同様のサービスがありますがSquareを選んだ理由は?
元々、海外での導入例を見てSquareしか考えていなかったですね(笑)。Squareのクレジット決済の手数料は3.25%で、PayPal Hereや楽天スマートペイなどは3.24%と0.01%安いですが、正直大きな店舗でもないかぎり、この0.01%の差はあまり感じないです。それよりも使いやすさや導入のしやすさ、インターフェイスなどを重視しました。
――Square導入後、クレジット決済は増えましたか?
導入直後は5倍ほど増えました。海外のお客様も多く、少額でもクレジットカードは使われています。
――5倍とは大きいですね。お客さんの反応はどうでしたか?
PCやスマホのリテラシーが高い方が多いので、特に抵抗もなく受け入れていただけたようです。うちは店内のカフェに2ヵ所、別のフロアのイベント用スペースと、計3ヵ所レジがあり、現在はこの3ヵ所でiPadとSquareを使い、決済を行なってます。今後は海外の支店にも導入して、共通のシステムで売り上げ管理を行ないたいと思ってます。
↑Squareでレジレスを実現。カウンターにはiPadが置かれている。
――Squareでは今後、顔認識のシステムなども考えているようですが、いかがですか?
おもしろいですね。試してみたいとは思いますが、認識に時間がかかったら困りますね。それよりも、早くクレジット決済でのサインレスなどを実装してほしいです。そうしたら、レジでの決済時間がもっと短縮されると思うので。
↑週アスのナベコがSquareをお試し。スイーツとドリンクを買って、1000円以下でも気軽にカード決済。カードを通すときにお店側はちょっとコツがいるが、決済の手順そのものはいたってシンプル。
■導入例その2
「スタンドビールバーでSquareが大活躍」
もう1店舗は、表参道にあるスタンドビールバーの『ブリマービアボックス』。正式サービス前からSquareの導入テストに協力し、現在はiPad miniを使いSquareでの決済を行なっている。
↑『ブリマービアボックス』(関連サイト)
東京都港区南青山3-8-34 Pop-up@Aoyama 1階
↑店内のカウンターにiPad miniを設置。限られたスペースでは、レジレスのSquareが本領を発揮。
――Squareの利点はなんでしょうか。
これまで現金決済のみで、『クレジットカードで払いたい』というお客さんのニーズにこたえられなかったんですね。Squareで簡単にクレジット決済できるようになったのは大きいです。
――導入までは大変でしたか?
いいえ、正式サービス前のテスト運用ということもあり、2日ほどで導入できました。通常クレジット決済を導入するには、大変面倒なプロセスがあるんですが、そういった面倒な手続きなしですぐ開始できたのはすごいことです。
――お客さんの反応はいかがですか?
いいですよ。「使ってみたかった」と、写真を撮っていくお客さんもいました(笑)。
――Squareの使い心地はいかがです。
とにかく便利。リーダーを差し替えればiPhoneでもすぐ使えます。自分のiPhoneでも売上をチェックしてますよ。
要望としては、AMEXを使っているお客さんも多いので、対応するクレジットカードの種類を増やしてほしいですね。
他のお店でもSquareを見かけます。近所だと、『246common』など。簡単に使えるから、これからもっと増えていくんじゃないですか。
↑同じく表参道にある、20軒ほどの屋台や小店舗が集まった『246common』。こちらでも、数店がSquareを利用している。
Squareは導入する手順が楽だと感想があったので、実際に個人でSquareを申しこんでみた。登録手順はSquare公式サイト(関連サイト)で住所や銀行口座などを登録するだけと、とても簡単。一応審査はあるが、個人事業主なら特に書類などを別途用意しなくてもいい。数日待つとメールで“審査完了”のお知らせが届き、登録から10日弱でSquareのリーダーが届いた。
↑自宅に届いたSquareリーダー。簡単なマニュアルと、リーダー本体が入っている。
↑Squareの専用アプリは、無料でダウンロード可。売り上げの記録は、Squareに登録したアカウントごとに管理されるため、端末を変えてもオーケー。
個人でも簡単に登録し利用できることもあり、今後は店舗だけでなく、フリーマーケットやコミケなどといった個人間での取り引きでもSquareの活用が期待できそうだ。
なお、発売中の週刊アスキー9/10増刊号(関連記事)でも、Squareの特集記事を掲載中です。こちらもあわせてチェックしてください!
●関連サイト
Square公式サイト
FabCafe東京
ブリマービアボックス
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490円
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