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Windows8.1のRTMは8月下旬、搭載PCは年内発売へ:WPC2013

2013年07月10日 21時21分更新

文● 山口健太 編集●アタラシ

 2013年7月8日(米国時間)、マイクロソフトは米テキサス州ヒューストンで開催中の『Worldwide Partner Conference 2013』(WPC 2013)の基調講演で、Windows8.1のRTM版の最新スケジュールやクラウド製品、デバイスの最新情報を発表しました。


■世界中のパートナー企業がヒューストンに集結

 WPCとは、マイクロソフトが毎年開催しているパートナー企業向けのイベント。全世界からマイクロソフト製品を扱うリセラーやディストリビューター、OEMメーカーなど、さまざまな立場の“パートナー”が1万6000人も集結するという、お祭り的な位置付けのカンファレンスとなっています。

WPC2013

↑基調講演会場となったヒューストンの“TOYOTA CENTER”。格闘技でも始まるかのような雰囲気だ。


 基調講演では、スティーブ・バルマー氏が登場するより先に、各国のパートナー企業から選ばれた“パートナー・オブ・ザ・イヤー”の表彰式が行なわれました。あくまでパートナーが主役のイベントであることがわかります。

WPC2013

↑パートナーの表彰式。各国の国旗がはためき、オリンピックのような光景。


■クラウド市場におけるマイクロソフト独自の強みをアピール

 続けてマイクロソフトCEOとしておなじみのスティーブ・バルマー氏が登場。同社のクラウドサービスを中心とした最新のビジョンについて、パートナー企業に向けて語りかけました。

WPC2013

↑クラウドについてパートナーに語るスティーブ・バルマー氏。


 サンフランシスコで開催された『BUILD』が開発者向けだったのに対して、WPCはマイクロソフト製品の販売やサポートを担うパートナー企業向けのイベントということもあり、やや異なる切り口です。

WPC2013

↑会場中央のステージをバルマー氏が歩き回り、カメラ4~5台がそれを追いかける形に。


 最も大きなテーマのひとつは、“クラウド”です。クラウド以前には、企業内のサーバールームに構築することを前提とした製品が中心でした。これは現在、“プライベートクラウド”や“オンプレミス”と呼ばれています。それに対して、最近では大規模なサーバー群を利用料金さえ払えば誰でも使える“パブリッククラウド”が、企業にも普及しつつあります。

WPC2013

↑パートナー企業が最も注目するのはマイクロソフトのクラウド製品。


 プライベートクラウドの分野では、Windows ServerのほかにLinuxも広く使われています。また、パブリッククラウドではWindows Azureを提供するマイクロソフトのほかに、AmazonやGoogle、Salesforceが知られています。

 ここでバルマー氏が強調したのは、“プライベート”(Windows Server)と“パブリック”(Windows Azure)という2種類のクラウドを両方提供できる企業は、世界でもマイクロソフトしかないという点です。

 一般に、プライベートクラウドとパブリッククラウドはそれぞれに長所と短所があり、多くの企業では用途によって両方を使い分ける傾向にあります。パートナー企業の立場から見れば、顧客がクラウドを必要としているとき、マイクロソフトの製品を扱っていれば、プライベートとパブリックのクラウドを組み合わせて提案する、といったメリットがあります。

 すでにマイクロソフトのデータセンターには、100万台以上のサーバーが存在。規模感としては、Googleよりもやや少なく、Amazonよりもやや多いとのこと。このように多数のサーバーが存在する背景には、マイクロソフトが提供するBingやSkyDrive、Office 365やOutlook.com、Xbox Liveといったサービスの基幹インフラとして使われているという理由もあります。


■Windows 8.1 RTMは8月下旬、フィードバックを反映

 このように急激な進化が続いているクラウドに対して、パートナー企業の参加者からもさまざまな評価の声を聞くのが“Windows8”です。スティーブ・バルマー氏は「Windows8へのフィードバックに真摯に耳を傾けた」と語り、それらを反映したバージョンとして“Windows8.1”を紹介。Windows8の顔ともなっている、Windows部門CMO兼CFOのタミ・レラー氏にバトンタッチしました。

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↑Windows 8.1について語るタミ・レラー氏。


 現在、一般向けにプレビュー版が配布されているWindows8.1について、レラー氏は今後のスケジュールを発表。最終版となるRTMを、8月下旬にOEMパートナー向けに提供することを明らかにしました。

 ちなみに昨年は、8月1日にWindows8がRTMとなり、10月26日に一般発売(GA)されています。単純に比較すると1ヵ月近く遅れていることになりますが、今回はWindows8に比べればマイナーなアップデートであることを考えれば、それほど気にする必要はないかもしれません。

WPC2013

↑8月下旬のRTM。既存ユーザーへは年内に無料配布する。


 レラー氏はWindows8.1を年内に正式リリースすることを改めて確認。年末商戦期には、Windows8.1をプリインストールした最新デバイスが登場することに言及しました。既存のWindows8ユーザーには、Windowsストア経由の無償アップデートとして配布されます。


■PCの画面をテレビに無線で飛ばす“Miracast”をデモ

 Windows8.1の新機能として紹介されたのが“Miracast”対応です。MiracastはWiFi Directによってディスプレーの映像を無線で転送する技術。最近では『Xperia A』など、国内のスマートフォンでも対応機種が増えています。

 デモでは、Windows8.1をインストールしたSurface Proと、Miracast対応のテレビを無線接続。Surface Proにペンで入力した文字が、そのままテレビに描画されました。

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↑Miracastのデモ。


 デモを行ったジェンセン・ハリス氏が「ホワイトボードのように使える」と説明したとおり、タブレットの画面をほかの人に見せたいときに活用できそうな機能です。

WPC2013

↑Surface Proに書いた文字がそのままテレビに。

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↑さらにOneNoteの同期機能でWindows Phoneにも同じデータが。


■デバイスはVAIO Pro 13やLumia 925を紹介

 デバイス紹介のコーナーでは、今回はソニーがCOMPUTEX TAIPEI 2013で発表した『VAIO Pro 13』や、東芝の『KIRAbook』(日本ではdynabook KIRA)が披露されました。

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↑ステージに並んだ最新PC。

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↑世界最薄・最軽量UltrabookとしてVAIO Pro 13を紹介するニック・パーカー氏。


 Windows Phone端末としては、ノキアのLumia 925とLumia 520を紹介。アメリカで発表するならT-Mobile版のLumia 925とLumia “521”ではないかと思われましたが、ワールドワイド向けのイベントということもあり、いずれもグローバル版となりました。

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WPC2013

↑Windows Phone 8端末は最新のLumia 925と、Lumia 520の2台を紹介。

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↑Lumia 520は低価格にも関わらず、“妥協のない”ユーザー体験が得られる点をアピール。

■関連サイト
WPC公式サイト
 

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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