マイクロソフトが6月26日より米国サンフランシスコで開催中の開発者向けカンファレンス『BUILD 2013』では、基調講演や開発者向けの技術セッションと並行して、スマートフォンやタブレット、PC関連製品を並べた展示エリアも設けられています。
その中に、ふだん日本ではなかなかお目にかかれないものがいくつかあったので、ご紹介します。
■Lumiaシリーズ初の金属ボディー・薄型軽量の『Lumia 925』
まずは、5月14日にノキアが発表し、BUILDの基調講演にも登場した『Lumia 925』です。
↑Lumia 925。持った瞬間、まずその軽さに驚くだろう。
Lumia 925は、Lumiaシリーズとして初めてメタルボディーを採用。Lumia 920と同じ4.5インチのディスプレー、2000mAhのバッテリーを搭載しつつ、重さが185gから139gへと大幅に軽量化されているのが特徴です。
↑金属ボディーによる、これまでにない質感。ワイヤレス充電はオプションのカバーで対応。
↑操作ボタンは本体右側に集約されている。
↑端末上部にmicroUSB、ヘッドホンジャック、microSIMカードスロットを搭載。
↑左側面、底面には何も搭載しない。
↑展示機は日本語の言語あり。ただしT-Mobile USA版を購入する場合は、正式発売後に改めて確認したいところ。
すでにアジア・ヨーロッパではグローバル版が出回っており、米国でも今夏にT-Mobile USAから発売される予定とのことです。
■Verizon初のフラグシップWindows Phone 8『Lumia 928』
6月28日現在、Lumiaシリーズで最も“数字が大きい”Windows Phone 8端末が『Lumia 928』です。現時点では米国のVerizon Wireless向けの専用端末となっています。
↑Lumia 928。角張っていながら膨らみもある、一度触ったら忘れがたいシルエットといえる。
すでにVerizonのLTEに対応したLumiaシリーズとしては『Lumia 822』がありましたが、Lumia 928はそれに続くフラグシップ機。AT&Tから発売中の『Lumia 920』をベースにしつつ、やや薄型軽量になったほか、独自のキセノンフラッシュにより、Lumia 920が得意とする暗い場所での撮影能力がさらに強化されています。展示機の言語には日本語が入っていました。
↑Verizonからホワイトとブラックが発売中。特徴はカメラ横の大きなキセノンフラッシュ。
■T-Mobile USAで人気の低価格Windows Phone 8『Lumia 521』
低価格なローエンドWindows Phone 8端末にも関わらず、BUILD 2013の基調講演でマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが単独で紹介したのが『Lumia 521』です。
↑Lumia 521。基本的にはLumia 520そのままだが、T-Mobileファンにはたまらない(?)ロゴ入り。
↑色はホワイト。バッテリ交換もできる。
グローバル向けのローエンド端末『Lumia 520』のT-Mobile USA向けバージョン。特徴は、契約なしの端末価格が150ドルを切っていること。特に米国のスーパーマーケット 『ウォルマート』では129.88ドルという価格で人気を集めており、売り切れが続いています。
基本的には、Lumia 520そのまま。取り替え可能なカバーやフラッシュなしのカメラといった仕様も同一です。もちろん、T-Mobile USA独自のAWSバンドに対応しています。
■QualcommのSnapdragon 800搭載Windows RTタブレット
展示エリアで大きな存在感を示していたパートナーといえばインテルでしたが、片隅にはQualcommのブースもありました。ここに展示されていたのが、同社の最新プロセッサー『Snapdragon 800』を搭載したWindows RT 8.1タブレットです。
↑QualcommによるSnapdragon 800搭載のリファレンスタブレット。
このタブレットは、COMPUTEX TAIPEI 2013の基調講演で登場したことで知られています。Qualcommによるリファレンス端末のため、製品として販売されるものではないものの、将来的なSnapdragon搭載Windows RTタブレットの可能性を示すものと考えて良さそうです。
↑展示機はクレードル経由でHDMIケーブルを接続、外部ディスプレーに出力していた。
↑COMPUTEX TAIPEI 2013で披露されたものと同一とみられる。
ちなみにこのタブレットを撮影しようとしたところ、ひと悶着があり、交渉の末、スタート画面のみの撮影ならオーケーが出ました。
その理由として、OSとして搭載されていた『Windows RT 8.1 Preview』のビルド番号が、一般向けのプレビュー版“9431”より新しかったことが考えられます。それにも関わらず、デスクトップにはスタートボタンが表示されていませんでした。
この点を確認したところ、どうやらこのWindows RT 8.1は、Snapdragon 800で安定した動作を実現するソースコードを分岐した“ブランチ”ビルドとのこと。つまりWindows RT 8.1にスタートボタンが実装される前に分岐し、スタートボタン機能がマージされていない状態と思われます。
■Surfaceの日本未発売タッチカバー色“レッド”
Surfaceは日本でも発売済みですが、海外では日本で未発売の“レッド”カラーのタッチカバーが存在します。“マゼンタピンク”色とは明らかに異なる、しっかりした赤色です。日本での発売にも期待したいところです。
ちなみに米国のMicrosoft Storeでは、Surface RTを買うと“タッチカバーまたはタイプカバーをもれなくプレゼント”してくれるキャンペーンをやっています。キーボードは約1万円なので、日本におけるSurface RTの1万円引きキャンペーンに近い値下げといってよいでしょう。
↑海外ではしばしば見かける、タッチカバーの“レッド”色。
■PC、Xbox One、3Dプリンターなどなど
スマートフォンやタブレット以外にも、多数のPCが並んでいるのも特徴。もちろんそのすべてにWindows 8.1 Previewがインストールされており、さまざまな画面サイズやフォームファクターのPCでWindows 8.1 Previewの改善点を試せるようになっていました。
↑こちらは東芝『dynabook KIRA』の海外版。日本にはない英語キーボードモデル。
↑中国のPCメーカー“清華同方”のUltrabook。海外の展示会でよく見かけるようになった。
↑E3で話題となったXbox One。BUILDでの展示はガラスケースの中だった。
↑Windows 8.1では3Dプリンターが標準サポートされる。こちらは『UP mini』。
↑こちらは5色のカラーバリエーションが特徴の3Dプリンター『Cube』。
■デバイスへの注力で盛り上がる展示コーナー
たしかに従来のマイクロソフトのイベントでも、OEMパートナーによる製品を展示するコーナーは珍しくありませんでした。しかし最近のマイクロソフトでは、自らSurfaceを手がけるなど、ソフトウェアだけでなく、デバイスも扱う会社になりつつあります。BUILD 2013の展示コーナーにも多数のSurfaceが配置されていました。
↑技術セッションの合間に、さまざまな実機に触れることができる。
特にWindows Phoneは、発売地域が限られるものが少なくありません。たとえば現時点で米国のみのLumia 928と、グローバルのみのLumia 925。この2機種を両手に持って悩むことができるというのも、BUILDならではの楽しみといえるのではないでしょうか。
↑Lumia 928と925を取っかえ引っかえして悩みたいという、ぜいたくな要求にも対応できる。
■関連サイト
BUILD公式サイト
山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ
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