5月19日、渋谷某所において、MMD(MikuMikuDance)誕生5周年を祝うオフ会が開催され、日本全国から200人にも上るMMDerが駆け付けて、お祝いが行なわれた。MMDならではの(?)そのカオスな会場レポートをお届けする。
↑会場に設置させれた、名刺貼り用のホワイトボード。これを見て胸を詰まらせたという人も多かった。 |
3Dアニメーション作成ソフト『MMD』が生まれたのは、2008年の2月24日。作者の樋口 優さんが、“3Dミクを躍らせるツールを自作してみた”(前後編)を投稿したのが、すべての始まりだった。それからわずか5年間で、約12万本というとてつもないMMD作品がニコニコ動画に投稿されるという事態を、いったい誰が想像しただろうか。当初、初音ミクを躍らせるためだけだったソフトも、バージョンアップや、有志によるモデルの無料配布、周辺ツールの開発、モーションの配布、などなどを経て、いまや、世界に名だたる3Dアニメーション作成ソフトとなっている。
お詫びと訂正:掲載当初、MMDの初公開年を誤って記載しておりました。関係各位ならびに読者の皆さまにお詫びして、訂正いたします。 (2013年5月23日)
というわけで、今回のオフ会も、単一のフリーソフトを旗印としてものとしては異例の200人近い人が参加。北海道や九州から、下は15歳から、はたまた上は6×歳(推定)までが駆け付けた。しかも、MMDのオフ会慣れした僕も驚いたことに、女性が(しかもきれいな人が)多い! 何も言われなかったら、全国駅弁祭りですか? 状態。いや、正直、何の集まりだかさっぱりわからないです。
↑会場は人、人、人……。MMDの集まりとしても過去最高の参加者。夜行バス、飛行機、新幹線と、日本全国からMMDerが集まった。 |
オフは、主催兼司会のカリグラさんの祝辞の読み上げなどでスタート。あいにく海外出張で出席できなかった樋口さんの祝辞「やっぱり白」という謎のメッセージで始まり、大名刺交換会が最大のイベント。ふだん動画で使わせてもらっているモデルの作者に、直接ご挨拶したりお礼を言ったりできる機会はそうないので、お目当ての人を見つけては「うおーっ」と盛り上がるシーンが、あちらこちらで見られた。
なかでも、MMDに標準として添付されている、いわゆる「あにまさ式ミク」のあにまささん人気はすごい。関西在住のあにまささんは、関東オフ会デビュー戦ということもあり、筆者自身、ちょっと出遅れたと思ったら、壁際に名刺交換待ちの長蛇の列ができている始末。「壁サークルみたい!」(同人誌即売会の人気サークルが、待機列対策で壁際に配置されること)との声も聞こえるほどの人気ぶりだった。
↑「あにまさ式」のお父さん、あにまささん。笑顔で名刺交換に応えていた。人前に出ることが少なく、今回がメディア初登場となる。 |
↑あにまささん名刺交換会の長蛇の列。「今からですと、40分ほどの待ち時間です」とのアナウンスも(嘘)。 |
会場には、近年のMMDのメディア進出を反映し、テレビアニメ『gdgd妖精s』の監督を務めた菅原そうたさんの姿も。また、ニコニコ動画で毎週生放送されている『MMDアニメーションを一緒に作ろう』からは、声優の小西いづさん、アイドルの竹馬少女さんが駆け付けてくれ、一緒にMMDの5周年をお祝いしてくれた。
菅原そうた監督 |
↑MMDerの木曜日のアイドル・声優の小西いづさん |
↑アイドル?の竹馬少女さん |
↑MMD杯運営の中の人を長く務め、MMDの普及に貢献したcortさん。ボーカロイドなどのライブイベントでMMD動画を製作、数多く関わるほか、テレビアニメ『直球表題・ロボットアニメ』では、MMD監督を勤め、いまや名実ともに有名P |
↑MMD杯総合優勝を足掛かりに、いまやPVクリエーターとして活躍するまさたかPの姿も。先日、アートディレクションを勤めたMMDによる初音ミクライブ『HATSUNE Appearance』のBDがムービックより発売された。 |
↑誰だかおわかりでしょうか? こちらも、超有名Pで、ご尊顔をメディア初公開!の、ミスターMMD杯こと、そう、ポンポコP。毎回、MMD杯で連続受賞の、杯キラー。『gdgd妖精s』第二期の製作に関わったほか、いろいろ暗躍しているらしい。 |
↑今回、記念オフを企画してくださった、きつねづかさん。本業は自転車屋さん |
↑カリグラさん。ミク廃でも有名なMMDer |
↑MMDerなら、一度はお世話になったはず。超かわいいdonburi星ステージや、SF味あふれるモデル、ステージ、ギミックでおなじみ、donburiroomさん。静岡からお祝いに駆け付けた。 |
このほかにも、顔出しNGで泣く泣くカットした有名Pや、すばらしい作品を作り続けるPさん、あるいは、自らの世界を黙々と突き進むPさん、そしてモデラーさん、プログラマーさんなど、多数が参加。二次会、三次会を含め、一日中MMDの話ができる、まさにMMDerにとっては天国のような一日だった。
菅原そうた監督からのメッセージ
MMDが誕生して5周年!おめでとうございます! 5才でこんなに発展するなんて!! 超常現象レベルです!! 5周年を祝うっていう歴史的な事実も素晴らしいのですが、何より個人的には会場にMMDerの凄い方々が一同に集まって祝うという、“ネットで見た映像を作ったあの人が今、目の前にいる!”状態を連発で味わえるということにものすごく興奮しました! “今、もし地震が起こってここにいる人がみんな死んだら、MMDの世界とかニコニコ動画の世界がだいぶ一変しちゃう!”って思ったら、ここってすごい場所だ!と改めて勝手に感心しました!
会場にいるすべての方々が、空気感もみんな同じ共通のものを心に秘めたクリエイターっていうなんか、温かくて熱くて脳内がMMD愛でシンクロしてつながってて居心地がよくて、“できればこんな会、毎日あればいいのに!”、“もしこんな学校があったら、親に怒られなくても自発的に通ってクラスみんなと仲良くなりたい!”と勝手に思いましたw
あにまささんからのメッセージ
MMD5周年にあたって。進化が早過ぎてまだ5年なの? って気持ちと、もう5年も経ったの? といった気持ちが混同しています。お笑い芸人なんて人気が出ても一年で見なくなったりする事を考えると、ひとつの文化としてMMDはすっかり定着したんだなぁと、改めて感じました。MMDは色んな偶然が重なり生まれた奇跡だと思います。ひぐちさんも僕も今は参加する側になっているので、皆さんと一緒に楽しんでいこうと思っています。本当に5周年おめでとうございます! そしてありがとう!
このレポートを読んで、MMDとかMMD界隈っていいなーと思ったキミ。ぜひぜひ、MMDを使った作品作りに参加してみてはどうでしょうか。7周年、10周年イベントが開催されるとき、そこにいるのはあなたかも、なのですから。
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