ゴールデンウィークの頭にあたる4月27日、28日、今年も幕張メッセにてniconicoの祭典“ニコニコ超会議2”が開催される。ニコニコ動画のほとんどすべてを地上に再現するというコンセプトのもと、現在、着々と準備が進んでいる。週アスでも、毎週アップデートされる最新情報をお届けしている。今回は3月11日の特番生放送“ニコニコ学会β、超クリエイターズサミット、SF大会をまとめて紹介編”をまとめていこう。
↑司会はゲーム実況のドグマ風見さん(写真左)、アシスタントはニコニコ生放送のふでぱさん(右)。ニコ動運営の伊予柑さんも解説役に入っていた。今回はゲストが多かったため、1時間30分超えという長丁場の放送になった。
■今年の目玉は虫!? 第4回ニコニコ学会β
最初は、27日、28日の両日に併催イベントとして実施する“第4回ニコニコ学会βシンポジウム”だ。世の中には大学や企業に所属していなくても、趣味でおもしろい研究を続けている方々がいる。そうした“野生の研究者”も気軽に参加して成果を発表できるのがこのシンポジウムになる。第1回は2011年12月6日、第2回は昨年の超会議、第3回は昨年末と、だいたい年2回のペースで開かれている。
↑ニコニコ学会運営の江渡浩一郎さん。本業はメディアアーティスト、かつ産業技術総合研究所の研究員。「プロと野生の研究者がガチでぶつかり合うイベント」と紹介していた。
↑第4回の目玉といえるのが、27日の“むしむし生放送~昆虫大学サテライト”というセッション。ブログ『メレンゲが腐るほど恋したい』で有名なメレ山メレ子さんを座長に、好蟻性生物研究者の小松貴さんと丸山宗利さん、クマムシ研究者の堀川大樹さん、サバクトビバッタ研究者の前野ウルド浩太郎さんという4人が登壇する。
↑ちなみに生放送では、登壇者紹介スライドで写っていた前野さんのバッタコスプレに一斉につっこみを入れていた。「IT系にかたよっていたので、生物系やベンチャー系も呼ぼうと思った」と江渡さん。
↑27日にはボーカロイドについての研究で4人の研究者がバトル形式でプレゼンする“THE BIG QUESTION! ~ボーカロイド現象はどこまで広がるか?~”を、28日にはMaker(つくってみた)ムーブメントで生まれた制作物を披露し合う“FAB100連発”を実施する。
↑ハードウェアベンチャーに関するセッションも用意。ベンチャーというとソフトがほとんどだが、今回はめずらしいハードに焦点を当てる。PCなしでニコニコ生放送とUSTREAMができるユニット『Live Shell』を開発したCerevoの岩佐琢磨代表取締役が出演。
↑インターネット経由で家電に指示できる『iRemocon』をつくるグラモ、LEDライト『STROKE』のBsize、『チームラボハンガー』や『メディアブロックチェア』などを手掛けるチームラボが参加する。
↑ユーザーからの参加も受け付けている。常設展示の”ポスターセッション”は3月25日まで、自分の研究について5分間プレゼンできる”研究者マッドネス”は3月31日(他薦もオーケー)まで、ニコニコ学会のウェブページで応募可能だ。
↑明治大学の米沢嘉博記念図書館に勤務する“myrmecoleon”(ミュルメコレオン)、通称“ありらいおん”さんが、昨年出展していた“ニコニコ動画におけるタグの関係性をネットワーク図で描いてみた”というポスターを紹介していた。今年は、例えばエロマンガのコマで多い組み合わせを研究している方などが出展されるそうだ。
ドグマさんは「何が書いてあるか全然理解できない」とポカーン状態に。しかし、伊予柑さんに「どんなコメントが読まれたとか『ドグマのコメント読み率』の研究とかでもいいんだよ」と言われると、「オレのことほめるコメントは読むからね。嫌なコメントはあとでタイムシフトで見てNGに入れる(笑)。いや、そんなことしないけど」と返して笑いをとっていた。
■伸びる動画がつくれる!? 超クリエターズサミット
有名動画のウラ話やうまくつくるコツを聞けるのが、“超クリエターズサミット”だ。昨年は2日間で10カテゴリーと、かなり過密スケジュールだったこともあってか、今年はプログラミング、MMD、動画アワード、歌ってみた、踊ってみたという5セッションに絞られた。
↑伊予柑さんがプレゼンを担当。「ニコニコ動画の中でも動画にフォーカスを当てた企画」と紹介していた。ちなみにセッションの日程はまだ明らかになっていない。
↑“プログラミング生放送研究会”は、その名のとおりプログラミングに興味のある人たちが集まって生放送をしながら最新技術を学び合う勉強会。登壇者は『ニコ生アラート』の元祖作者である5zjさん。
↑“MMD勉強会in超会議”は、フリーの3Dソフト『MikuMikuDance(MMD)』で高度な動画をつくるために技やノウハウを情報交換する場。登壇者は、第9回MMD杯優勝の“MMDスーパーロボット対戦Z”をつくった“ビームマンP”さんだ。ビームマンさんは電話出演し、「ひとりが長めに話すパートと、3分ぐらいのライトニングトークがまとまったパートをつくって、10名ぐらいの方に出ていただきたい」と語っていた。
↑“動画アワード座談会”は、ニコ動でその年にいちばんおもしろかった動画を決める“動画アワード”で受賞したクリエイターが出演し、製作秘話を明かすセッション。歌ってみたの“やまだん”さんが担当で、2012年の動画アワード年間グランプリを取ったペプシマン的な方にもオファーするという。
↑実技が学べるのが、“歌ってみたを録ってみた”。どうやったら高音質で効率よく収録できるのかを実演してくれる。出演する歌い手は“うさ”さん。マニピュレーターとして、歌い手のコラボCDをいくつも手掛けてきた音楽制作集団“秋葉工房”の別城さんが呼ばれている。
↑“踊ってみたを撮ってみた”も、上手に撮影するためのコツを学ぶもの。実演してくれるカメラマンは“もりりん”さん。『Bad ∞ End ∞ Night 踊ってみた』をはじめ、100本以上も踊ってみた動画を撮ってきた猛者だ。特番にも某ガチャ○ンの衣装で出演していた。ちなみに撮る踊り手は「Coming Soon!」とのこと。
もりりんさんは『Bad ∞ End ∞ Night 踊ってみた』について、「手前にワインボトルがあったり、時計を奥に配置したりと、ギミックに凝った。『この演出はこの歌詞になぞったのかな?』って想像してみてほしい」と動画について語っていた。
■サブカル系イベントの元祖 日本SF大会“超”体験版
最後は、28日に実施する併催イベントの“日本SF大会“超”体験版”。第1回は'62年という日本で歴史のあるサブカルチャーイベントで、同人即売会の“コミックマーケット”(コミケ)や、ガレージキットの“ワンダーフェスティバル”(ワンフェス)もここから派生していった。日本で一番最初にコスプレをしたのもSF大会だそうだ。今年は7月20日、21日に広島県で第52回(通称“こいこん”)が開かれる。
↑SF大会スタッフの櫻井晋さんがプレゼン。「SF大会は基本、何でもありで超会議と近いです」とのこと。また「今は30代後半が中心で、平均年齢が毎年ひとつ上がっていくイベント。敷居が高いと言われるので、ニコニコのお力を借りして、ぜひ若い人に来てほしい」と熱弁していた。ちなみにSF大会のブースもスタッフ大募集とのこと。
↑まずゲストが豪華だ。作家陣としては、新井素子さん、川端裕人さん、笹本祐一さん、山田正紀さん。アニメ評論家の氷川竜介さん、アニメ監督の佐藤竜雄さん、ガイナックスの武田康廣さん、グラビアアイドルの喜屋武ちあきさん。
↑ステージカンファレンスは4つ。“きゃんちさんの新井素子ふう自己紹介が巻き起こした波紋……”、昨年10月、喜屋武さんがTwitterで新井素子さんの文体風に自己紹介をしたことがきっかけで、2人を会わせようという動きが起こって実現した企画だ。
Togetter:きゃんちさん(喜屋武ちあき)の新井素子風自己紹介が巻き起こした波紋(関連リンク)
↑常設展示は4つ。“SF大会の歴史ダヨ~! 映像も集めてみた”では、ガイナックスの母体となった“DAICON FILM”が制作したものも含めてSF大会のオープニング映像を一挙に公開する。
↑“カフェ・サイファイティーク”は、白衣にメガネ姿の理系博士とおしゃべりを楽しめるスペース。
↑イベント期間中に、1時間に1枚以上のペースで発行する“時間新聞社”も実施。印刷機を用意して手書きの原稿を刷りまくる。いつものSF大会ではだいたい2日間で100枚以上発行するそうだ。
↑というわけで超会議2特番ももう8回目。次はどんな驚きの新要素が発表されるのか? 引き続き刮目セヨ!
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