Googleは、“Google 災害情報”の提供を3月7日に開始した。検索やGoogleマップで地震、津波などのキーワードと地名をいっしょに検索すると、検索結果の一番上やマップ上に災害についての情報を表示する。
モバイル版の検索、Android版アプリ『モバイル Googleマップ』からも利用できる。Android 4.1が搭載する“Google Now”でも同様に端末の位置情報から警報、注意報をカードで表示する。
3.11の東日本大震災では安否情報を登録、確認出来る“Google パーソンファインダー”や衛星、航空写真による写真情報、通行可能な道路の情報を表示するサービスを迅速な動きで提供したGoogleだが、災害から3年目を迎えるにあたり新サービスを開始。本日、行なわれた発表会ではサービスが説明された。
地震発生時また津波に関する警報、注意報が発令された場合、検索で“地震”や“津波”とキーワードを入力すると、気象庁が提供する防災気象情報に基づいた“災害情報”を検索結果ページのトップに表示する。地名を検索すると、各地別の情報も表示可能だ。起こってしまった災害情報や状態を知りたい地域に対して、震度や津波の到達時間など、わかりやすく整理している。
Googleマップでは、地図に交通情報や気象情報を重ねて表示できる。また、提携する地域とは避難所情報も見られる。左側に表示したチェックボックスから情報をオンオフできる。災害発生時に次にしなければいけないことを判断する有効な情報になる。
モバイル版の検索であれば地震に関係ないキーワードで検索しても、災害発生時には位置情報からその地域に応じて注意報、警報をすべて表示する。『モバイル Googleマップ』はAndroid版のみ対応だが、ほかのプラットフォームに対しても随時提供していくとした。
Google Nowでは端末の位置情報から、災害情報を一番上のカードに通知する。
新たに自治体や企業とのパートナーシップも発表。神奈川県、岐阜県、三重県、山梨県、徳島県、川崎市、千葉市の7自治体と防災についての協定を締結。先に紹介した、避難所や非難ルートなどの各地域の情報がGoogleに提供される。まだ7自治体との取り組みだが、これをスタートとし、できる限り多くとパートナーシップを結びたいとしている。
企業とはドコモ、ソフトバンクがケータイのエリア復旧状況を、ファーストメディアが避難所の情報、ウェザーニュースが災害情報共有ウェブサイトのユーザー情報を提供する。
さらに復興への取り組みや、次の災害に備えるため岩手県、宮城県、福島県の沿岸地域と復興協定を新たに結んだ。Googleクライシスレスポンスを一新、被災地でGoogleを活用している事例をまとめたサイトを用意。また、4月をめどに岩手県、宮城県、福島県の中小企業やNPOを対象に“Google Apps for Business”の1年間の無償提供を行なう。
また3月4日からは福島県双葉郡浪江町内でストリービューの撮影を開始した。数ヵ月後の公開を予定している。原発から20キロ圏内にあたる“警戒区域”と“計画的避難区域”に指定されている場所。未だに15歳未満の方は入ることがゆるされず、震災後1度も家や学校を見ていない状況、見たいという要望が多く提供を決めた。
Googleは「2年を迎える大きな節目。いろいろな情報を集めてわかりやすく提供するのが使命。2年経っても、やらなければいけないことはあり、教訓をどう生かすのか、どう支援していくかインターネットの力はまだ生かせる。防災、復興に全力を持って進めていく」と引き続き、防災復興に向けて支援していくと示した。
■関連サイト
Googleクライシスレスポンス
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります