週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。週刊アスキー3/19号(3月5日発売)からは、ニコ動発の同人イベント“ニコつく”を運営する八田大次郎さん、ニコ動運営の伊予柑(伊豫田旭彦)さんらをゲストに迎えて、“ニコニコ技術部”カテゴリーを始めとする“つくってみた”のジャンルを濃く語ってみました。初回は、ニコニコ技術部のおもしろさについて。
“つくってみた”は、電子工作や手芸、ソフト開発、ペーパークラフト、フィギュアといった幅い広い分野の創作を集めたカテゴリーだ。作品の傾向で多いのは、「これはやり過ぎ」や「その発想はなかった」と思わず笑ってしまうもの。
↑HDDを利用してプリントアウトした初音ミクに高速でネギを振らせるという動画。もはや意味不明な努力が素敵過ぎる。ネギ振りは、ニコニコ技術部発祥の元にもなった、初期に盛り上がったネタですね。
↑その名のとおり、スイッチをオンにすると自分でオフにするというまったく役に立たない機械。動画の構成も非常にウマいです。
↑パンツが空を飛ぶというアニメのエンディングに感銘を受けて、パンツ型の羽ばたき飛行機をつくってしまったという動画。投稿者は、ニコ動でも有名な小説家の野尻抱介さん。
↑ゴミを投げると、その軌道を認識して動いてキャッチしてくれる魔法のゴミ箱。なんと文化庁メディア芸術祭で優秀賞を受賞している。
↑CMに出ていたキャラをモチーフにした二次創作イラストを、さらに立体化したという動画。できた作品のクオリティーの高さに唖然としてしまう。
↑ゲーム『モンスターハンター』に出てきた武器“ガンランス”をリアルにつくってみた動画。実際にガンアクションできるのがスゴい。
この観る人を“ニコニコ”させるためにつくるというのが、技術部の特徴だ。 伊予柑さんいわく、技術系のコミュニティーでは当たり前だが他人が真似できないエッジな技術力が評価される。一方、ニコ動ではどれだけ「wwwww」(笑いの意味)というコメントを打たせて盛り上げられたかという軸で評価されやすい。いかに自分の才能をムダ遣いして、「どうしてこうなった(笑)」と驚かせたり笑わせるようなアイデアが出せるかが重要なのだ。
かつてゲームクリエイターの故・横井軍平氏は、「枯れた技術の水平思考」という言葉を残しました。最先端のテクノロジーではなく、すでに広く使われていた技術の別の使い方を考えること。これこそニコニコ技術部の根底にあるものだなと感じたりします。
■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。
■著者紹介-広田稔
ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。
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1,500円
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