週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。週刊アスキー3/12号(2月26日発売)では、“歌ってみた”カテゴリーで主に替え歌を投稿している“recog”(レコグ)さんをインタビューしております。最終回となる今回は、歌の機材について。
“歌ってみた”カテゴリーが注目を集めて、投稿者が増えたことで高まったのが録音機材のニーズでした。ニコ動に動画を投稿するからには、コメントをいっぱい集めたり、再生数を伸ばしたいという気持ちがあるはず。他人と何かしら差別化して目立つためには、歌唱力や歌い方のほかに、良い録音状態というのも重要。
おもしろそうで、あとから入ってきた人たちが、どんな機材が良いのか先人にノウハウを教えてもらい、コンデンサーマイクなど数万円するマイクや、エコーなどのエフェクトをかけてきれいに聴かせられるUSBインタフェースが売れた。
recogさんも「昔はSkype用のマイクで歌ったようなものがありましたからね。いつの間にコンデンサーマイクになったんだって驚きがあります。今や当たり前になってますからね」と振り返っていました。
↑カラオケのマイクで多い“ダイナミックマイク”とは異なり、より繊細な音まで拾える“コンデンサーマイク”に注目が集まり、ロードの『NT1-A』、オーディオテクニカの『AT4040』といった業務用の数万円する製品が話題になった。
そういえば古参の歌い手である“サリヤ人さん”の動画にも、一時期“マイク売りのOL”(関連リンク)というタグがついてました。彼女が投稿した動画の“ニコニコ市場”にボーカル用マイクの広告リンクが貼り付けられ、その動画経由であまりにマイクが多く売れたことに由来します。
少し前にはiPodが普及し、付属ヘッドホンの音に不満を感じる人が多かったため、一般層がプロ用の高級ヘッドホンを買うという現象が起こっていました。同様にニコ動の“歌ってみた”でも、それまで機材に興味のなかった一般層の消費を刺激して、新たな購買層を誕生させたということになります。
ちなみにrecogさんは、「ニコ動の運営さんで、独自のオーディオ、インターフェースとマイクをつくったら売れるんじゃないですかね。キャプチャーボードも、ニコ動公式のツールみたいにパッケージングして」と生放送で発言されてました。デジモノ系企業とコラボしたら、意外と売れるかも!?
■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。
■著者紹介-広田稔
ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。
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