週刊アスキーの連載ページ『ネット早耳かわら版』に掲載している“ニコニコ動画 今昔物語”クロス連載。週刊アスキー2/12号(1月29日発売)では、ドワンゴの川上会長、ニコニコ生放送の“百花繚乱”さんに次ぐ第3のゲストは、“歌ってみた”カテゴリーで主に替え歌を投稿している“recog”(レコグ)さん。
↑取材の様子はニコ生にて放送しました。中央がrecogさんで、右が筆者。左はニコ動でイベント関連の企画を担当している運営の“あべちゃん”さんで、2月9日に開催される“NicoNico MusicMaster”などの歌系ライブについて語ってもらいました。
ニコ動が始まったのが2006年12月。recogさんは、その約半年後の'07年7月から歌ってみたを投稿しているそうです。ニコ動自体は2ちゃんねるで話題になったことで知って、観に行ったらコメントが流れるのがおもしろくてハマったとのこと。ちなみに初期の歌い手はゴムさんを始め2ちゃんねるの“カラオケ板”出身の人がいましたが、recogさんも何度かこの板に投稿したことがあったそうです。
ニコ動は、「いろいろ替え歌をやってる人がいたのを見て、『こういうのをオレもつくれるかな?』と思って歌詞を書いたけど、周りに誰も歌ってくれる人がいなかった。じゃあ自分でやろう」という流れで初投稿に至ったそうです。
ただrecogさん自体は、歌手を目指していたり、ボイストレーニングを受けたことがあるわけではなく、「普通にカラオケに行っているぐらい。ヒトカラ大好き」という感じ。当初、録音に関する知識はほとんどナシ。
↑筆者が大好きなのは、「『んふんふんふんふ』の動画から翻訳内容を予想してみた」。元ネタは、スマホアプリの『おさわり探偵 なめこ栽培キット』をテーマにニコ動の“れいあP”が二次創作したファンソング。「んふんふ」の奥にそんなに深い歌詞が隠れていたとは……。
「友人から格安で譲り受けたオーディオ・インターフェースとダイナミックマイクで録ってました。使い方も全然知らなくて、オーバードライブ(歪み系のエフェクター)をかけちゃって、『すげえ声がジャリジャリしてるな』って(笑)。その後調べて、『オーバードライブってボーカルにかけちゃいけないのか!』ってわかった」という失敗も語ってくれました。
ただ、処女作は大受けしたので、「これはまた、思いついたらやってみよう」と考えて何度か投稿しているうちにハマり、以来、ニコ動ユーザーの笑いのツボをつくうまい替え歌を70以上も投稿して、6本の動画は100万再生を超えるヒットを記録しています。初期からの“古参”で、今なおランキングに入るほど人気を得てる人はかなり珍しいです。
↑ここ数年では、ゲーム実況主としても活躍中。ニコ動の投稿者って多彩ですよね!
“歌ってみた”はガチで歌う人も目立ちますが、やっぱりニコ動といえば観る側をよろこばせて、コメントを打たせてナンボのサービス。イケ声とそれを台無しにするようなひどい(!?)替え歌の歌詞で、昔と変わらずヒットを飛ばしてるって素晴らしいことですよね。
■関連サイト
週刊アスキーチャンネル(ニコニコチャンネル)
■週刊アスキー 連載ページ『ネット早耳かわら版』
リニューアルしてパワーアップしたネット情報満載の連載ページ。SNSを使いこなすテクニックやウェブアプリやサービスの紹介、ソーシャルメディアの話題など、盛りだくさんの4ページでお届けしている。
■著者紹介-広田稔
ウェブサイト“ASCII.jp”でMacやネットサービスなどのネタを担当。初期からニコニコ動画を取材し、2007年には笛のお兄さんの「Fooさん」を取材(関連サイト)していたりして、有り体にいえば“ニコ厨”(ニコ動好きな人)、好きが高じて『ニコニコ動画めもりある ~ニコニコ大会議編~』という書籍を執筆。
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