週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Windows情報局ななふぉ出張所

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ

2013年01月16日 17時00分更新

 1月8日から米ラスベガスで開催された『2013 International CES』が無事終了し、筆者も現地取材から帰ってきました。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ

 今回のCESからマイクロソフトが出展を見合わせ、ノキアもブースを構えなかったことから、Windows Phoneに関する展示がどれくらいあるのか、危ぶまれていました。一方で、米国ではAT&T、Verizon Wireless、T-Mobile USAの大手3キャリアから端末が発売され、すでに店頭で購入できるようになっています。

 そこでCESにおけるWindows Phone 8の状況はどうだったのか、まとめてご紹介します。

■ファーウェイが『Ascend W1』を発表

 ファーウェイは、CES2013で新しいWindows Phone 8端末『Ascend W1』を発表しました。そのため、ファーウェイのブースには4色のカラーバリエーションを含む、多数のWindows Phone 8が展示されていました。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑ファーウェイの『Ascend W1』。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑ファーウェイブースには約20台の実機が展示された。

 同じくCES2013でファーウェイは『Ascend D2』や『Ascend Mate』というフラッグシップAndroidスマートフォンを発表しています。しかしWindows Phone 8にも、それらに匹敵するほどの展示スペースが確保されており、ファーウェイの意気込みを感じました。

 ディスプレーは4インチ、800×480ドット(WVGA)のIPS液晶。低反射のコーティングが施されており、様々な光源のもとで視認性を確保できます。プロセッサーはデュアルコアのSnapdragon S4 MSM8230(1.2GHz)を搭載、バッテリーも1950mAhを確保しつつ、厚さは10.15ミリ、重さ120グラムと薄型軽量です。ブルー・レッド・ホワイト・ブラックという4色のカラーバリエーションが用意されています。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑iPhone 5との比較。小型で持ちやすい大きさだ。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑4色のカラーバリエーションを備える。特にホワイトが上品で、印象的な色合いだ。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑ホワイトモデルは、前面もホワイトで統一されている。

 Ascend W1は中国とロシアで1月に発売予定。また、さらに西ヨーロッパ、中東、アメリカ、その他の地域への展開も予定されています。日本での発売予定はないとのこと。展示機の電話の言語は“英語・ロシア語・簡体中国語”の3つでした。

 プレスリリースではマイクロソフトのWindows Phone部門のトップであるテリー・マイヤソン氏が、「新しい地域、新しい価格帯にWindows Phone 8を投入できる」とコメントしており、新興市場もターゲットに入れたローエンド端末であることがわかります。

 なお、ファーウェイでAscend W1を担当するプロダクト・マネージメント・ディレクターのHans Mao氏によると、“W1”の後には“W2・W3”といった後継機種も計画しているとのこと。Windows Phone 8から新規参入したファーウェイですが、今後の製品展開が楽しみなメーカーと言えます。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑「6月の発表から端末リリースまで時間がかかってしまったが、そのぶん自信作に仕上がっている」と語るMao氏。

■Verizonブースに『ATIV Odyssey』が展示

 10月29日にサンフランシスコで開催されたWindows Phone 8の発表イベントにて、Verizon向けの端末として名前とシルエットのみ紹介された新端末が、サムスンの『ATIV Odyssey』です。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑サムスンの『ATIV Odyssey』。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑端末の右側面(写真上)と、左側面(写真下)。マイクロSDカードスロットがある。

 サムスン製としてはATIV Sに続く2機種目のWindows Phone 8端末で、4インチとコンパクトな画面を搭載。片手で持ちやすい印象です。ATIV Sが『GALAXY S III』ベースとすれば、ATIV Odysseyは『GALAXY S III mini』ベースのWindows Phone 8端末と言えるでしょう。

 ほかにもVerizonバージョンの『HTC 8X』や、ノキアの『Lumia 822』が展示されていました。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑Verizon版の『HTC 8X』。Verizonのコーポレートカラーでもあるレッドモデル。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑ノキアの『Lumia 822』。Verizon向けのLumia 820とも言える。

 VerizonのWindows Phone 8端末は4G LTEに対応しています。CES取材中、筆者もVerizonのLTE回線を使っていましたが、屋外でも屋内でもつねにLTE接続が可能で、レスポンスも転送速度も圧倒的な速さが出ていました。

 また、いずれのWindows Phone 8端末にも、電話の言語として日本語が入っていました。ただし実際に購入できる端末にも入っているのか、あるいは展示機だけの仕様なのかは不明です。

■ノキアは気になるミーティング用トラックを設置

 昨年はCESではLumia 900を発表し、ブース展示やモノレール駅でのミニステージも好評だったノキアですが、今回はこれといった出展はなし。CES直前に香港の広報担当者に問い合わせたものの、「なにをやるのかよくわからない」とのことでした。

 いざCES会場に行ってみると、コンベンションセンターの目立つ場所にラッピングされた大型トラックが設置されており、なかでミーティングが行なわれていたようです。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑基本的になかには入れませんが、トラック前でアクセサリー類を並べていたときもあったとか。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑たしかにミーティング用と思われる表記が。端末イラストはWindows Phone 8仕様。

■Digital ExperienceにHTCやAT&Tが出展

 HTCはCESへのブース展示はないものの、サテライトイベント『Digital Experience』にて複数のHTC 8Xを展示していました。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑HTCが4色の『HTC 8X』を展示。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑レッドはVerizonバージョン。こちらはマットな質感。
CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑イエローはAT&Tバージョン。非常にすべすべしている。

 また、AT&Tブースでは、Lumia 920のレッドモデルと無接点充電のデモをしていました。

CES2013で見たWindows Phone 8まとめ
↑AT&TのLumia 920と、無接点充電の充電器。

■スマートフォンの変化にWindows Phone 8はどのように対応するのか?

 アメリカでは、大手3キャリアから端末が発売されていることもあり、CES会場内ではWindows Phone 8を使っている人を見かけることもしばしば。着実にシェアを伸ばしていることが感じられました。

 一方で、CES運営会社のアナリストによる全体ブリーフィングでは、スマートフォンの次の展開が示されました。当初、電話やSMSのためのデバイスだった携帯電話は、スマートフォンによりメールやウェブ、アプリ、ゲームへと用途を拡大してきました。さらにその先には“スマート化”した家電や事務機器と接続した、フロントエンド・デバイスとしてのスマートフォンの姿が描かれます。

 実際に各社のブースでは、デジタル家電とスマートフォン、タブレットを組み合わせた展示が急増しています。このような展示では、一部でiOSが見られる以外は、ほぼAndroidの独壇場となっていました。

 CESでの露出は控えめだったWindows Phone 8は、2月末にバルセロナで開催されるMobile World Congressにおいて次の展開が期待されています。果たしてWindows Phone 8が家庭やオフィスのスマート化というトレンドにどう対抗していくのか、あるいはWindows Phoneならではの価値を示すことができるのか、注目が集まっています。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります