12月22日に発売された『ASUS TAICHI』は、世界初という両面デュアルスクリーンを搭載するのが特徴です。最近、ディスプレーを回転したりスライドさせたりするコンバーチブルPCが話題ですが、背面に2枚目のディスプレーを搭載したTAICHIなら、折りたたむだけでタブレットとして使えるのです。
↑両面ディスプレーが特徴のASUS TAICHI。 |
このデュアルスクリーンですが、具体的な活用方法はちょっと未知数でもあります。特にノートPCとして使う場合、背面のディスプレーが使用者から見えないのがポイントです。バッテリーの節約という観点から背面のディスプレーを消灯して使うこともできますが、それではTAICHIのポテンシャルを50%しか引き出していないと感じます。
そこで、今回はTAICHIの背面ディスプレーの活用方法を考えてみたいと思います。
(1)痛いノートPC
ノートPCに限らず、最近は痛車のようにアニメキャラを用いたデコレーションが人気です。その多くはステッカーを貼ることによりカスタマイズするのが一般的と言えます。しかしわざわざステッカーを制作するのはコストがかかりますし、毎日貼り替えたいといった無茶な要望には対応できません。
この痛いノートPCというジャンルに、TAICHIは一石を投じる存在です。11.6インチ・フルHDのIPS液晶という高精細な背面ディスプレーに、好きなアニメキャラを自由に表示できるのです。日替わりでも、分替わりでも、1秒間に60枚でも、好きなだけ壁紙を切り替えることができます。Flashや動画のアニメーションも活用してみてはいかがでしょうか。このように痛いTAICHI、すなわち“ITAICHI”こそ、TAICHIの活用方法として最も有望と言えます。
↑痛いノートPCの常識を覆す“ITAICHI”でライバルに差をつけよう。 |
(2)ロゴ入りステッカー
最近、技術系のセミナーや勉強会でよく見かけるのが、たくさんの企業やコミュニティーのステッカーを天板に貼り付けたノートPCです。初対面の人でも、ノートPCの天板を見れば、どのようなクラスタで活動しているのか一目でわかることもあります。逆に言えば、それが人間関係に軋轢をもたらす可能性もあります。マイクロソフトに関するステッカーで埋め尽くされたPCでアップルやグーグルのイベントに参加したら白い目で見られるのではないか、と不安を覚えることもあります。
このような場合でも、TAICHIはよい解決策を持っています。背面ディスプレーにデジタルのステッカーを表示することにより、参加するイベントに合わせて容易にカスタマイズができます。ステッカーのような痕跡が残ることもないので、PCを処分する際にも高値の査定を得られるはずです。
↑いかにもマイクロソフトに好意的な人物に見える。 |
(3)資産管理
技術系コミュニティーのステッカーの対極にあるのが、企業内で使用されるノートPCに貼られる管理用のラベルです。企業の管理部門は自社のPC資産を管理するため、不必要に目立つ色や大きさのシールを制作します。しばしば、ラベルライターに内蔵されたドロップシャドウなどの効果をいたずらに適用することすらあります。これではどんなにデザイン性の高いPCを使っていたとしても、台無しになってしまいます。
TAICHIの場合、あたかもラベルのような画像を表示することで代用できます。必要に応じて、PCから管理用のラベルを非表示にすることもできます。これにより、社外ではクールなデザインのPCを使いこなすスターエンジニアとして、社内では愛社精神の高い従業員として振る舞うことができます。もちろん、業界の変化に対応できない複雑な社内事情により、“持出禁止”や“ログインパスワード”などを貼らなければならない事態にも対応できます。
↑社内で使用される残念な管理用ラベルもこのとおり。 |
(4)QRコードへの注意喚起
街でQRコードを見かけると、ついついスマートフォンをかざしてしまうという人も少なくないでしょう。QRコードには意味のある情報が含まれているにも関わらず、人間の目でそれを解読することはできません。くじ引きで使われるスクラッチカードのように、隠れているものを見てみたいというのは、人間の本質的な欲求ではないでしょうか。
しかし最近では、悪意のあるURLに誘導するためのQRコードが貼られる事例もあるようです。もしTAICHIの背面ディスプレーにQRコードを表示している人を見かけたら、注意しなければなりません。たとえその横にかわいい動物の写真が添えられていたとしても、警戒を解く理由にはなりません。
↑突然現われたQRコードには注意しよう。 |
(5)ロゴマーク
先日、国内の大手PCメーカーの発表会に参加したところ、最前列の記者全員がアップル製品を使っている場面を目撃しました。たしかに、各メーカーのイベントごとに違うPCを持って行くのは困難です。そしてこれは発表者側にも起こり得ることです。イベント会場の都合により、競合関係にあるメーカーの製品を使わなければならないことがあります。この場合、不都合なロゴをガムテープで隠すなどの対策が施されます。
TAICHIは最前列で使うのにうってつけのPCです。背面ディスプレーにはどんなロゴマークでも表示することができます。もちろん、どんなPCを使おうと勝手ではないか、と言いたい気持ちはわかります。しかし世の中には物事を円滑に進めるために、必要な嘘というものがあるのではないでしょうか。
↑TPOに合わせたロゴマークを表示してみよう。 |
(6)その他
↑最近、顔面広告(http://ganmen-kokoku.com/)や絶対領域広告(http://www.zettaipr.com/)のように体を張った広告が話題ですが、TAICHIも広告に使えそうです。 |
↑その昔、この画面のせいで終電を逃したり会社を辞めたり家庭が崩壊したりした技術者たちがいたとかいないとか。 |
↑天板を付け忘れたのでしょうか。 |
↑Windows 8の好敵手。2014年4月8日(米国時間)までサポートは続きます。 |
↑クラスチェンジした歩兵が強すぎます。どうやったら反撃できるでしょうか? |
■TAICHIの可能性は未知数
最後になりましたが、TAICHIが普通に便利だと思ったシーンを挙げておきます。数人でPCを囲んで打ち合わせするとき、全員にPCの画面を見せるためにノートPCの向きを変えることがあります。このとき、自分はノートPCの裏側から、不自由な姿勢で操作しなければなりません。しかしTAICHIなら、見せたい画面を背面ディスプレーに表示すればよいのです。
とはいえ、両面フルHD・IPS液晶のデュアルディスプレーを、単なるプレゼン用に使うだけではもったいないと思います。みなさんも独自の使い方を見つけてみてください。
山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ
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