産油国が多いことからどの国もお金持ちな中東。中でもアラブ首長国連邦のドバイは世界一高いビル“バージ・ハリファ”やら、世界で唯一の7つ星ホテル“バージ・アル・アラブ”やら、超巨大な高級ショッピングモール“ドバイモール”があるなど、“世界一”が大好きな都市。世界中から観光客がここドバイにやって来ては、日夜買い物に明け暮れているのです。
正しいドバイの街中の様子 |
そんな“世界一”、“高級”ばかりが集まるドバイ。さぞかし物価も高いと思いきや、タクシーの初乗りは3ディルハム(約60円)。地下鉄の初乗りも100円以下。スーパーのジュースは20~30円くらい。意外なことに交通機関や食料品の値段はかなり安いんです。とは言えショッピングモールへ行ってブランド品でも買おうと思えば当然それなりにお金はかかりますよ。
まぁ消費税などがないのでほかの国よりもその手のものは若干値段が安いようですけどね。またスマートフォンも各メーカーのものが販売されていますが、ドバイの端末はSIMロックフリー販売。そのため定価相当なのでハイエンド機であれば4~5万円近くとやはりそれなりのお値段です。
郊外にある中国製品マーケット“ドラゴン・マート” |
ではスマートフォンやらIT関連機器など、家電品が安く販売されてる場所はあるのでしょうか? 実はドバイには“ドラゴン・マート”という中国からの輸入品を扱うショッピングモールが存在するのです。しかも中国政府とドバイ政府両社のサポートで運営されているのでちゃんとしたモールだそうな。
ドバイ市内からタクシーで20~30分の郊外に位置するドラゴン・マートは、15万平方メートルの敷地に約4000ものお店が入ってるとのこと。これだけお店があればおそらくスマートフォンやタブレットもいろいろなものが販売されているはず!
入ってみると、そこは中国っぽい雰囲気 |
奥へ進むとさらに中国っぽい雑然とした感じに |
ドラゴン・マートの入り口をくぐってみると、吹き抜けのロビーは開放感が広がり中国の高級茶やチャイナドレスなどが小奇麗に販売されているような印象を受けます。でも建物の中を奥に進んでいくと、プレハブのような建屋内に間取りの小さいお店がずらりと並んでおり印象が大きく変わります。中を歩くアラブ服(カンドーラ、と言うのでしょうか?)の現地人がいなければ、まるで中国のどこかの都市に来たかのような錯覚を覚えるでしょう。
スマホやタブレットは“BA”ゾーンを目指せ! |
広い建屋内はカテゴリーごとにお店が分かれて入っているので、スマートフォン探しに内部全部を歩き回る必要はありません。スマートフォンやタブレット、関連アクセサリーなどは“BA”と書かれたゾーン、すなわち“Communication & Electronic Products”というエリアにお店が集まっています。中に入ったらこのBAゾーンを目指して奥に進んでください。
地元ブランドのタブレットの広告がどーん |
BAゾーンに行ってみるとタブレットの広告が目立ちます。しかも現地のブランド名をつけた正しい商品として販売されているようです。もちろんすべての製品がメイド・イン・チャイナ。でも最近秋葉原でも見かける最新の中華パッドは侮れない製品が増えていますし、こうしてドバイできちんと売っているってことはそれなりに使える製品ってことなんでしょう。
中華パッドそのものも売られている |
お店に入ってみると、ショーケースの中には携帯やタブレットやゲーム機、そしてUSBメモリーなどが並べられています。タブレットは無名メーカーのもの……つまり中華パッドもよく見かけます。もはやOSはICS(Android 4.0)以上が当たり前で、価格は1万円前後。ドバイだからといって高いわけではなく、相応の価格なのはうれしいところ。
知らないメーカーのタブレットも続々見つかる |
BAゾーンを歩き回ってみると、右も左もとにかくタブレットの広告だらけ。しかも次から次へと新しいメーカーの広告が目に付きます。はたして何社くらいがドバイでタブレットを販売してるのやら……。いくつかの製品をいじってみましたが、質感も悪くないのでついつい買いそうになってしまいました。
iPadっぽいと思ったら…… |
“itouch”でした |
地元ブランドメーカーでがんばっているのがitouchという製品。販売代理店のひとつのお店を遠めに眺めてみると、まるでiPadがずらりと並んでいるかのように見えます。近寄ってみると並んでいる箱は全部がitouchなのですが、パッケージもここまできちんとしていると、もはや怪しい商品って印象はまったくありませんねぇ。
ケースやカバーを売っているお店も多い |
それらに混じってアクセサリーなども豊富 |
またスマートフォン用のケース、カバーを売るお店も多数あります。価格は安いものなら数百円からと、これまたドバイとは思えない安さ。もちろんきちんとしたものが欲しい人は市内で有名メーカー品を買えばいいでしょう。でもここで売られている製品の中にもデザインのいいものやしっかりした素材のものがあるなど、あなどれないものも探せば見つかりますよ。
さてスマホは売っているのかな…… |
このようにタブレットやケースは多数売られていますが、ではスマートフォンはどうなんでしょう? 多くのお店のショーケースには携帯電話ももちろん並べられています。ただしそのほとんどがフィーチャーフォン。スマートフォンっぽいものが売られていても、ボタンの位置などを見れば見た目だけがスマートフォンなので注意が必要です。
かなりスマホっぽいけどこれらもフィーチャーフォン |
お店では見せて欲しいと言えば実機を出してくれますから、電源を入れてスマートフォンかどうかは必ず確認しましょう。なお価格は日本円で5000~6000円以下だとたとえ見た目がスマートフォンでも中身はフィーチャーフォンです。なので見た目でだまされないように注意しましょう。なおソックリ製品はサムスンが多いかな。あとお値段の高い、“アノ特別デザイン”っぽい製品も見かけました。繰り返しますがこれらもフィーチャーフォンです。
あ、これはスマートフォンに違いない! |
フィーチャーフォンかスマートフォンかを見分けるのは、タッチパネルかどうかよりも、ボタン類がちゃんとAndroid端末と同等のものになっているかを確認すればよいでしょう。また電源を入れてから起動後にメニュー周りをいじればスマートフォンかどうかを確認できるはず。このお店の製品も上段のものはAndroidでした。
スマートフォン専門店ではデュアルコアが1万円台 |
そしてスマートフォンだけを並べて売っているお店も最近になってできたようです。こちらのお店はきちんとAndroidであることをアピールし、デモ機も豊富で買う前に自由にテストもできます。ただデザインはサムスンやHTCっぽい……というかかなり近いものばっかりでしたけどね(笑)。1台よさげな5インチ端末があり、CPUはデュアルコア、価格は1万円を超えたあたりと悪くありません。思わず買いそうになったのですが、支払いは現金のみで断念。カードを使えないお店も多いようです。
タブレットメーカーのスマホもある |
そのほか、地元タブレットメーカーの中にはスマートフォンもラインアップに加えているところもあります。これらの製品もやはり1万円前後と値段は安め。だったら怪しいノーブランド製品を買うよりも、地元メーカーのきちんとした製品のほうが安心でしょうね。せっかくここまで来たのなら、ドバイ土産に地元メーカースマートフォンを買うのも面白いかもしれません。なお価格は値段相応なので割り切って使いましょう。
ここだけの製品が見つかるかも? |
ほかにはよくありがちな、キャラクターグッズのちと怪しい商品も売られているドラゴン・マート。ドバイの街中では見かけることのできない商品が山のように売られています。ドバイ観光中、時間があればぜひドラゴン・マートにも足を伸ばしてみてください。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
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