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Haswellは2013年後半、消費電力をIvy Bridgeの半分に:IDF2012【塩田紳二氏寄稿】

2012年09月12日 17時32分更新

IDF2012
↑IDF2012初日の基調講演を行なった。デビッド・パールムッター上級副社長。

 第4世代のCoreプロセッサーのコードネームは、Haswell(ハスウェル)。その最大の目標は、高い性能と消費電力の低減にある。インテルが米国サンフランシスコで開催中のIntel Developer Forum(IDF) 2012の初日、上級副社長のデビッド・パールムッター氏は基調講演でHaswellについて説明を行なった。

 現在のCoreプロセッサーには、第3世代目となるIvy Bridgeが使われている。その次のCoreシリーズとなるHaswellでは、大幅に消費電力を減らしつつ、性能も向上させ、タブレットからサーバーまでの幅広い製品に対応する。このため、現在のIvy Bridgeよりも製品のバリエーションを作りやすくしてある。コア数、3種類の内蔵GPU、そしてキャッシュ構成などの組み合わせを変えて複数のバリエーションが作るはずだ。

IDF2012
↑Haswellは、Ultrabookからタブレットまでをカバーし、Atomプロセッサーは、スマートフォンからタブレットあたりまでをカバーする。もちろん、HaswellはUltrabookよりも上をカバーする製品も登場する。

 低消費電力化では、まずアイドル状態での消費電力を下げる。これは、現在のCore i5プロセッサーの20分の1が目標だ。さらにアプリケーションを動かしているときの平均の消費電力も低減する。基調講演のデモでは、現在のCoreシリーズと同等の性能で動作させたときに消費電力が半分になることを見せた。

IDF2012
↑第4世代CoreシリーズとなるHaswell。通信を間欠的に行ないつつ、システム自体はスタンバイ状態を保ち続ける“Active Standing By”で現行Coreプロセッサーのシステムの20分の1の消費電力を実現し、この状態で10日以上、バッテリーがもつことを目標としている。

 基本的な構成は、Ivy Bridgeなどと同じく、リングバスでCPUコアやGPUなどを接続する。しかし、CPUコア自体には手が入れられている。コア内部で並列に実行できる命令数を増やし、さらに新しい命令を追加する。

 内蔵GPUは電力利用効率の高いものから、高性能なものまで3種類を用意。コア数などとの組み合わせ変えることで消費電力を重視するタブレットやUltrabookなどのシステムから、高性能なラップトップ、デスクトップまでをカバーする。もちろん、Haswellアーキテクチャー自体は、最終的にXeonクラスにも採用され、高性能サーバーなどにも使われる。

 インテルとしては、モバイル領域は、AtomプロセッサーとこのHaswellでカバーする。消費電力2W以下の製品向けにはAtomプロセッサーがあり、現在のUltrabookに相当する製品には、15~17Wの製品を用意するが、この間に10W以下のHaswell製品を用意して、高性能なARMプロセッサーを採用するタブレットなどと競合させるつもりだ。

IDF2012
↑モバイル分野では、最も消費電力の低いクラスをAtomプロセッサーが、UltrabookをHaswellがカバーする。今回新たに、この間の消費電力10W以下の領域をカバーする製品がHaswellには用意されるようだ。

 Ultrabook自体にも、タブレットとクラムシェルの間に入り、キーボードを装備しながらタブレット型にも変形できるコンバーチブルクラスを作る。

 Haswellは、2013年の後半に登場予定だという。高性能と消費電力を実現するため、開発に時間がかかっているようだ。来年の秋冬モデルに、この第4世代Coreプロセッサーが搭載されるだろう。

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