オペラシティで日本フィルとミクさんのコラボコンサート、11月23日に開催
電子楽器の巨匠・冨田 勲が電子の歌姫・初音ミクさんを新作交響曲に大抜擢!
8月31日で満5歳の誕生日を迎える電子の歌姫・初音ミクさん。今から40年近くも前の1974年にいち早くシンセサイザーの可能性を見出し、シンセで演奏したドビュッシーの『月の光』で世界的にも高く評価された電子楽器の巨匠・冨田 勲氏、齢80歳。ふたりの出会いは、運命に導かれたものだったのかもしれない。
六本木ミッドタウンでの会見より。登壇者からは、「普段のクラシックコンサートの記者発表とはずいぶん顔ぶれが違って新鮮」との感想が漏れた。 |
11月23日に東京・初台の東京オペラシティコンサートホールで初演奏される、冨田 勲氏による新作交響曲『イーハトーヴ』に、われらが天使・初音ミクさんが大抜擢されたのだ。しかも、冨田氏からの熱烈なオファーによって実現したというから、胸アツを通り越して目頭ぶわっと来るじゃないか!
■ 出会いは今年のミクの日大感謝祭前日
六本木ミッドタウンで開催された記者会見で、冨田氏からのオファーについて、クリプトン・フューチャー・メディアの代表取締役・伊藤博之氏は次のように明かした。
「3月7日に、MI7 Japanの先輩から冨田 勲さんが初音ミクに興味を持っていると引き合わされた。そこで翌日のコンサート(ミクの日大感謝祭)にご招待したところ、冨田さんは直立不動で舞台を見つめておられた。周りが恐縮して『どうぞお座りください』と勧めても、冨田さんは身じろぎせず、ミクの歌う様子を見つめていた」
その冨田氏は初音ミクを起用した理由について、「かりそめのボディ。パソコンの中にしか居られない。元の世界に出られない。そんな宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかない」と、熱弁を振るった。
具体的には、『注文の多い料理店』の猫のレストラン(山猫軒)に、『風の又三郎』では農作物に被害を与える台風が近づいてくる場面に、『銀河鉄道の夜』では「ケンタウルス、露を振らせ」の短い歌を……このほかにもミクさん登場シーンが用意されているそうだが、そこは本番でのお楽しみ。いずれも重要な役割を担うという。
フォトセッションでは、初音ミクのフィギュアを手にサービスカットを提供してくれた冨田 勲氏(左)。中央は指揮者・大友直人氏。初音ミクは今回のコンサートが初耳だったそうだが、大変興味深いコラボと期待していた。右は週アスPLUS読者にはおなじみだろう、クリプトン・フューチャー・メディアの代表取締役の伊藤博之氏。 |
■ 従来のミクコンサートとはまったく違う手法で
ミクが登場するコンサートと言えばミクパ、ミクの日感謝祭などで実績があるが、11月23日のコンサートはまったく異なる手法になる。従来は最初に初音ミクが歌い踊る動画を作り込んでおき、それにバンドやコーラスが合わせて演奏・歌唱してきた。
今回は東京交響楽団常任指揮者の大友直人氏がタクトを振り、日本フィルハーモニー交響楽団による70人規模のオーケストラと、130人もの混声合唱による大編成のコンサートとなる。その指揮や演奏に合わせて初音ミクが生で歌い、踊るというのだ。
クリプトンの伊藤氏も、「これは技術的なハードルが高く、まだ完成してはいないが、めどは立っている。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボ。技術的にも野心的な試みで、絶好の機会をいただいたことに感謝している。期待に応えられるよう、努めている」と意気込みを語った。
具体的な表現手法は明らかにされていないが、同社でも屈指の技術力を誇るR&Dチーム『らぼぷとん』と、プロジェクションマッピングなどの映像表現に長けたプリズムが映像システムを開発中とのことなので、大いに期待できそうだ。
最後に、このニュースを聞いて11月23日のコンサートチケットを勇んでポチろうとしている読者に老婆心ながらアドバイスを。ミクさんが出演するコンサートといっても、会場はオペラシティホールで、内容もクラシック。いつものノリで緑のサイリウムを振ったり、オタ芸で一部だけで盛り上がろうとしちゃ、ダメだぞ! いつもと違った舞台に大抜擢されたミクさんを見守る意識で、TPOに合わせてミクさんの活躍を応援しよう。
■関連サイト
冨田勲新制作「イーハトーヴ」交響曲世界初演公演(Billboard Classics)
クリプトン・フューチャー・メディア
MI7 Japan
週アス×初音ミク Twitter
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