茨城県が2011年11月に発足した『子供が育つ街研究会』は、つくばエリアに住む小学生を対象に、同エリアに拠点を置く企業と連携するインターンプログラム『つくばスタイルインターン』を8月3日に実施。
初回の受け入れ企業は、つくばに拠点を置くインテル。今回参加したのは真っ黒に日焼けしたつくばの小学4~6年生10人とその保護者たち。
子供たちにはまず最初に「コンピューターを使って、私たちの生活・社会を便利にする新しいアイディアをひとつ考えてください」という課題が出ました。この課題は、最後に東京にいるインテル本部長にテレビ会議システムで答える、という流れ。さて、みんなうまいこと考えられるのか、おにい……おじさん心配です。
インテルはCPUをつくっている会社で、CPUとは人でいうと頭脳にあたりますと説明。わかったのかわかっていないのか、ポカンとしてしまった子もいました。うちの親でも同じリアクションとなりそうです。
次は「パソコンの“コン”ってなに? ひとつだけ、パソコンと同じ“コン”があります。どれでしょう?」というクイズが出題されました。
1.エアコン
2.ファミコン
3.合コン
4.リモコン
正解はもちろん、コンピューターを示す2が正解。これは子供たちもみんな正解でした。こういうわかりやすいクイズ形式になっているのはいいですよね。子供たちも積極的に発言しやすいですし。
そして、いよいよCPU講義の本命、トランジスターの集積密度の説明になっていきます。昔から今のCPUまでのトランジスター数増加をトランジスターが人だったらとたとえて、建物の収容人数で解説。ちなみに、最初のCPU、Intel 4004がトランジスター数2300人でコンサートホールぐらい、現行のコアi7が13億人以上と中国の人口ぐらいだそうです。
マカフィーのセキュリティー講座もありました。これは僕も「ほう」となったのが、強いパスワードのつくり方。パスワードはなるべく意味のない英数字の羅列が望ましいのは、みなさんもご存じだと思います。ただし、意味のない文字列って覚えづらいですよね? そこでマカフィーのオススメは、自分が覚えやすい文から母音を抜くという方法。たとえば、
週刊アスキー斎藤は29歳です
という文にしたら、それをいったんアルファベットに直します。
syuukanasukiisaitouha29saidesu
そこからa,i,u,e,oの母音だけを抜きます。
syknsksth29sds
といった具合です。これで覚えやすい強固なパスワードが生成できるって寸法です。でもできれば、名前とか年齢などは入れないほうが賢明です。好きなスポーツ選手、その人が所属するチーム名、背番号などの組み合わせのほうが万が一の場合、個人を特定されづらいですからね。
講義が終わると、お待ちかねの自作PC教室。子供たちは白衣に着替え、小さい博士たちの誕生です。見慣れないPCパーツを見ると、子供たちは大はしゃぎ。そりゃ座学よりはこっちのほうがわかりやすいですもんね。納得。僕もこっちのほうが好き。
司会のおねえさん、おにいさんとともに人生ではじめてのPC自作スタート。ちなみに僕の人生初のPC自作は23歳のとき。週刊アスキー編集部にきて間もないときでした。仕事マシンは自分でつくるのが週アス流。日曜日の誰もいない編集部で週アス片手にあーでもないこーでもないと泣きそうになりながらひとりで組んでいたのを思い出しました。
あの日擦りむいた手のひりひりした感じとか、押しすぎてくっきりメモリーの跡がついた親指とか、触りすぎてほんのりあったかくなったPCケースの鉄の感触とか、いまでもほんのり覚えてます。みなさんははじめて自作したときのことを覚えてますか?
液晶ディスプレーと接続し終えると、子供たちはもう待ちきれないという様子。電源ボタンを押すとウィンドウズ7の画面が現われ、テンションは最高潮に。いや~、うれしいですよね。この瞬間が、本当に。
子供たちは、“パソコン組み立て業務”(インターンですから)が終わると、東京にいる本部長へ今日1日を通して、考えた課題の答えをおのおの報告。印象的だったのは、音声を使って操作できるパソコンがあればもっとパソコンは便利になるという意見でした。タッチや音声といったキーボード以外での操作でもっとパソコンを便利にするという方向性は、COMPUTEXの基調講演でもインテルが主張してますね。優秀すぎるぞ子供たち!
最後はインターンプラグラム修了証明書の授与。自分の手でつくったはじめての自作PCとツーショットで撮った写真付きです。男の子も女の子も心なしか誇らしげ。将来が楽しみですね。以上、なんだかノスタルジックになってしまったインターンレポでした!
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