7月18日で満1歳を迎えるニコファーレ。これまでニコ動関連の新サービスの発表会や注目アニメの試写、有名ボカロPの生ライブなど、さまざまなイベントが試みられてきたが、7月14日夜のこのイベントほど輝いた日はなかっただろう。なんと言っても、かつてのクラブイベントの聖地・六本木ヴェルファーレが甦ったのだから。
■ この夜だけは、ニコファーレがヴェルファーレに甦った!? |
いつもの舞台を客席に解放し(往年のお立ち台?)、中央に一段高いDJブースを構えて、4面スクリーン+360度観客のライブ感を共有できるクラブに仕上げたこの日のニコファーレ。 |
初音ミクさんを代表とするボーカロイド楽曲(ボカロ曲)を、それらを作詞・作曲したボカロP自らがDJとなってリミックスするクラブイベント、『Voca Nico Night』が開催された。
DJトップバッターを務めたメガネのイケメン・八王子P(左)と、MCを努めた日南響子さん。 |
日南響子さんは、こう見えても『非公認戦隊アキバレンジャー』のアキバブルーを演じるなど、実は根っからのアキバ系!? |
司会は、熱烈なボカロ曲ファンを自認するnon-no専属モデルの日南響子(ひなみきょうこ)さん。DJは、ニコ動ファンからネ申とあがめられるボカロPばかり5人+スペシャルゲストとして、普段からDJとしてクラブ活動にも勤しむ超有名ボカロPのkz(livetune)氏が参加した。
■ 参加DJ(以下、敬称略)
- 八王子P(代表曲:『Sweet Devil』『エレクトリック・ラブ』ほか)
- SmileR(『Melody Line』『Highway』ほか)
- ゆよゆっぺ(『Leia』『Palette』ほか)
- きくお(『塵塵呪詛』『ごめんねごめんね』ほか)
- KKK_KKK(『I need you, I miss you, I love you.』『スイーツ(笑)~わたしのマストアイテム~』ほか)
- kz(『Packaged』『Tell Your World』ほか)
■ DJ:八王子P |
『Distorted Princess』『Mad Lover』『Free』と自分の曲で盛り上げた後で、意表を突く『Nyanyanyanyanyanyanya!(SEXY-SYNTHESIZER remix)』を出してきた。 |
先陣を切った八王子Pは、自身の楽曲をメインにつなぎながら、途中でアンケートを挟み、ニコ生視聴者からリクエストを募った。選ばれたのはなんとDECO*27の超有名曲『愛言葉』の八王子P Remix。さらに、アンケートでは僅差で選ばれなかったが、自分の最新曲『mysterious』も流すサービスまで。最後も自身の『エレクトリック・ラブ』でまとめた。
■ DJ:SmileR |
『Melody Line』(持ち曲)『トゥインクル』(Junky)『Highway』(持ち曲)に続いて、『二息歩行』や『ロミオとシンデレラ』『千本桜』と盛り上がる有名楽曲をたたみかけてきた。 |
二番手のSmileRは、鏡音リンの楽曲をメインにまとめつつ、時に『ロミオとシンデレラ』(doriko)や『千本桜』(黒うさP)といった超有名楽曲を織り交ぜて、クラブイベントには慣れてない(?)来場者やニコ生視聴者をも巧みに引き込む選曲で聞かせた。
■ DJ:ゆよゆっぺ |
再びのメガネ・イケメンが登場。しかしこのイケメン、興奮するとすぐにメガネ取るは、帽子脱ぐは、歌い出すは、最後は指揮まで始める始末! すっかりノリノリである。 |
巡音ルカの楽曲を得意とするゆよゆっぺは、八王子Pの『エレクトリック・ラブ』を自分らしいRemixにアレンジして再演したり、GUMI楽曲の『天ノ弱』(164)では自分でも歌い出したりと、DJの枠を飛び越えた楽しいアレンジを見せてくれた。
■ DJ:きくお |
続けて3人目のメガネ・イケメンだが、これがかなりのくせ者だった。タイトルも歌詞も曲調も、実にダークネス。しかし、癖になるメロディで心の隙間に染み込んでくる。まさに電子ドラッグの呼び名が相応しい!? |
ところが、次に出てきたきくおで雰囲気が一転。まるで電子ドラッグか新興宗教の教祖かという、おどろおどろしくも耳からハートに直接刺さるような独自の“きくおワールド”が展開された。『ごめんねごめんね』『幸福な死を』『塵塵呪詛(ちりちりじゅそ)』『物をぱらぱら壊す』など、タイトルも歌詞もダウン系な楽曲ばかり。それでも会場や視聴者はきくおのパフォーマンスに魅せられ、ぐいぐいと引き込まれていく。そこにすかさず、ささくれPの『タイガーランペイジ』、irohaの『炉心融解』でガツンと盛り上げ、さつき が てんこもりの『ネトゲ廃人シュプレヒコール』で一気にヒートアップ。最後は自身の楽曲『そして君は月になった』で締めくくった。
お詫びと訂正:掲載当初、きくお氏の楽曲名を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。 (2012年7月19日)
■ DJ:KKK_KKK |
メイコ、ルカ、ミクなどの女性ボカロの楽曲を多用した。投票後の楽曲として、なぜか選択肢になかった『サイバー・サンダー・サイダー』(EZFG)を挟んだのは、ご愛敬? その後、投票で選ばれた『ワールズエンド・ダンスホール』で締めくくった。 |
気持ちのアップダウンが激しかったきくおの次を受けたKKK_KKK(ケイ)は、メイコ→ルカ→ミク&ルカと女性ボカロ楽曲を中心に展開。特に盛り上がったのが6曲目の『こちら、幸福安心委員会です』(うたたP)のRemixだ。この曲は今年6月にニコ動にアップロードされたばかりだが、早くも80万再生を突破(7月16日現在)。この夜の盛り上がりを受けて、一気にミリオンへも届きそうな勢いだ。さらに、途中で挟んだアンケートの結果、KKK_KKKのラストソングは、PS VITA用新作ゲーム『初音ミク -Project DIVA- f』でも大注目を集めている『ワールズエンド・ダンスホール』(wawoka)だった。
■ スペシャルゲストDJ:kz |
ボカロPだけでなく、アーティストへの楽曲提供やDJとしても活躍がめざましいkz(livetune)。元気ロケッツの『Touch Me(livetune remix)』は、DJとして普段から愛用している一曲だという。 |
そしてトリを飾るkzが満を持して登場。こちらもDIVA- fで注目の『weekender girl』(kz livetune)で始まり、途中でボカロ曲ではないがクラブを盛り上げる一曲として元気ロケッツの『Touch Me(livetune remix)』を挿入。『Yellow』『ファインダー』と自身の代表曲につないで、最後は「これこそボカロ曲の国歌」とコメントが付いた『Tell Your World(livetune remix)』で感動の大団円を迎えた。
持ち曲の『Yellow』につなぐ直前、SmileRから借りたという黄色のパーカーを重ね着した。「ありがとう、SmileR!」と舞台裏に向かって叫ぶと、会場はさらに盛り上がり、一体感を増した! |
トータル4時間超の立ちっぱなし踊りっぱなし。ジャンプに腕振り、ヘドバンにサイリウム振りまくりという、激しく体力を消耗するイベントで、参加者もニコ生の視聴者も三連休初日の夜にしてヘトヘトになったことだろう。だが、ボカロ曲とボカロPによるクラブイベントという新境地は、確実にニコファーレの新しい名物企画として定着する、そんな予感と期待を強く感じる一夜だった。
DJの手元や表情を写すため、2台のハンディカメラがセットされていたが、1台はDJが手持ちで会場を映し出すことも多かった。ニコ生視聴者とのコール&レスポンスを狙った効果的な演出だ。会場にはミクさんやリンちゃんのコスプレをした参加者も見られた。 |
■関連サイト
ニコファーレ
Voca Nico Night(ニコニコ生放送)※タイムシフト視聴は有料会員登録が必要
八王子P(公式サイト)
SmileR(ピアプロ)
ゆよゆっぺ(公式ブログ)
きくお(公式サイト)
KKK_KKK(ニコニコ動画・マイリスト)
kz(livetune)(公式サイト)
日南響子(公式ブログ)
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