『Firefox for Android』の正式版がついに公開されました。パフォーマンス向上、Flashのサポート、UIの進化、プライバシー保護機能など、Mozillaが「抜本的に再設計した」と語るほど意欲的なバージョンに仕上げられています。
それではひとつずつ改良点・新機能を見ていきましょう。
改良点と新機能 |
従来のFirefoxはHTML5フルサポートなどが評価されていた一方、起動時間が遅いなどの不満が上がっていました。そこで今回のバージョンは、GeckoエンジンではなくAndroidネイティブのJavaでゼロからUIを書き直したこと、またマルチスレッド化することで応答性の向上が図られています。
従来のFirefox |
今回のFirefox |
従来のFirefoxはスレッドが連なっており、どこかの処理が滞ると、それが全体に影響を及ぼしていました。
しかし最新バージョンでは、タッチ操作などを処理する“Frontend”と、画面の描画を行なう“Compositor”を“Main Thread”から分離することで、応答性が向上しています。たとえば、ウェブページの展開に時間がかかっていたとしても、タッチパネルの操作などが可能なわけです。
HTML5 Canvas パフォーマンス |
スクロールパフォーマンス |
上記のMozillaによるベンチマーク結果によると、HTML5 Canvas パフォーマンスで標準ブラウザーの3.275倍、スクロールパフォーマンスで1.47倍のパフォーマンスを達成しています。
今回はMozillaのベンチマークをそのまま掲載しましたが、パフォーマンスについての検証は改めて続報でお届けします。
標準ブラウザー |
Chrome Beta |
Firefox |
Adobe Flash Playerのサポートも一般ユーザーにとっては朗報です。ニコニコ動画をはじめ、まだFlashベースのウェブサイトは数多く存在します。もちろんAndroid標準ブラウザーでもFlashは動きますが、標準ブラウザーより、そしてChrome Betaより高速なFirefoxでFlashがサポートされたことは、HTML5への移行期間にあるいま、多くのユーザーにとって歓迎スべきことでしょう。
片手で使いやすいUI |
スマートスクリーン |
Firefox Sync |
アドオン |
また、改めてスマートフォン向けにデザインされた片手でも使いやすいUI、文字を入力するたびにURLやサイト名が絞り込まれる“スマートスクリーン”、12桁の番号を入力するだけでパソコン版Firefoxとすぐ同期できる“Firefox Sync”、必要な機能を個別に追加していける“アドオン”など、パソコン用Firefoxのヘビーユーザーも十分納得する機能性を備えています。
Firefox Syncは“アカウントと同期”で管理 |
ちなみに、Firefox SyncはAndroidのユーザー設定のなかにある“アカウントと同期”で管理します。そしてバックグラウンド同期が可能なので、Firefoxを起動しなくても、他デバイスのブックマークなどのデータがリアルタイムに同期されるわけです。
トラッキングの拒否 |
マスターパスワード機能 |
ウェブ利用の利便性が向上している一方、プライバシー保護機能の充実も図られています。Yahoo!やTwitterなどがすでに対応している“Do Not Track”(広告などのための追跡を拒否する機能)の対応や、ウェブサイトのIDやパスワード入力画面で一律パスワードの入力を求める“マスターパスワード機能”は、危機管理意識の高い人にはうれしい機能です。
とりあえずインストールしてみては? |
ブラウザーは、メール、電話、ソーシャルに並ぶスマホで最も使われるアプリケーション。その使い勝手や、パフォーマンスは少しでもいいにこしたことないはずです。Androidはアプリケーションを選択実行できるのですから、見極めるためにまずはインストールしてみてはいかがでしょうか?
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