日本でも4Gサービスが着々と始まっています。一度その高速環境に慣れてしまうともう3Gには戻れなくなってしまうかもしれませんね。
海外でもWiMAXは各地でサービスされています |
世界の4Gの状況を見ると、3Gを超える高速通信はWiMAXが先行し、昨年あたりからLTEがじわじわと始まっているという状況です。
日本でもWiMAXやLTEに対応したスマートフォンが次々に出てきていますが、海外に目を向けると4Gスマートフォンは意外とWiMAX対応品が少なく、LTEのものばかりが増えています。
世界にはどんなWiMAXスマホがあるんでしょ? |
では海外のWiMAXキャリアはどんなスマートフォンを売っているのでしょう? 日本では見かけないWiMAXスマートフォンが海外にあれば、いつか日本に逆輸入されるかもしれません。
昔は韓国にもWiMAXスマホがあった |
韓国のWiMAXは2.3GHz帯を利用し、WiBroと呼ばれています。WiMBroに対応したスマートフォンは以前はWindows Mobileのものが販売されていたことがありました。
しかしいまではWiMAX端末はデータ専用端末のみ。日本でauが販売する韓国サムスン電子の『GALAXY S II WiMAX ISW11SC』も、韓国ではLTEバージョンの『GALAXY S II HD LTE』として販売されています。
逆に言えば、日本ではちょっとケースやカバー類の少ないISW11SCも、韓国へ行けばSII HD LTE対応のものがたくさん売られているのでそれを使えます。ちなみに韓国ではSKテレコムとKTがWiMAXをサービスしていますが、実質全国展開しているのはKTのみです。
台湾はWiMAXキャリアが多数 |
さすが台湾ではHTCのWiMAXスマホが発売中 |
台湾は国策としてWiMAXを推進しているので、キャリアの免許が6社もあるWiMAX大国。でも携帯電話普及率が高いこともあってWiMAXの利用者はなかなか増えていません。そのため各WiMAXキャリアは料金値下げでがんばっているようです。
この台湾でもWiMAXのスマートフォンはなかなか出てこなかったのですが、先月からHTCのEVO Designが登場。HTCの母国台湾だけに結構人気が出そうな製品です。
謎の“7G”スマホも売っている |
このEVO Designを販売しているキャリアである全球一動は、ほかのWiMAXキャリアより先にプリペイドタイプの料金を導入するなどもっともアグレッシブに事業展開しています。
実は同社のWiMAXスマートフォンは昨年にも1機種登場しているのですが、ネーミングがすごい。『GMC 7G miracle』という機種なのですが、触れ込みが「世界初の7G対応スマートフォン」。3Gや4Gじゃありませんよ、“7G対応”ってんだから驚き!
でも7Gってなんなんでしょ? 実はWiMAXとW-CDMAのデュアルモード対応端末なので“4G+3G=7G”という単純計算。台湾らしいアバウトな製品ですねぇ。Android 2.3、4.1インチディスプレー、650MHz CPUとちょい前のスペックですがWiMAXアクセスは高速です。
フィリピンやインドネシアにはWiMAXスマホなし |
WiMAXは固定回線代わりとして、意外にも新興国で採用している国が結構あります。とは言え所得が低いのでスマートフォン利用よりも家庭用の据え置き型ルーターしか販売していないキャリアもあるようです。
フィリピンやインドネシアの一部都市にもWiMAXはありますが、スマートフォンが販売されることはしばらくはなさそう。
マレーシア国産のWiMAXスマホが登場 |
一方東南アジアでも、3Gの普及が広がり、所得もじゃっかん高めなマレーシアにはWiMAXキャリアが2社もあります。後発のYTLはフルキーボード搭載WiMAXフィーチャーフォンを出すなどデータ端末以外にも力を入れていますが、今月からマレーシア完全国産のWiMAXスマートフォン『Yes eclisp』を発売開始しました。
OSはAndroid 2.2、4.1インチディスプレイ、CPUはSnapdragon 1GHz。筆者は今度マレーシアに行ったら買ってみようと思っています。
ロシアも昔にWindows Mobile版があっただけ |
さてロシアでもWiMAXサービスが行なわれていますが、こちらも韓国同様にスマートフォンは一昔前にHTC製Windows Mobile機があっただけ。
しかし音声通話はVoIPを使えばいいだろうし、ルーターにもなるのだから、いまこそAndroidのWiMAXスマートフォンを販売してもいいと思うのですけどねぇ。
アメリカのWiMAXスマホは日本からも契約できる |
最後はアメリカです。アメリカのWiMAXキャリアは2社で、そのうちの携帯キャリアのSprintはWiMAXスマートフォンをこれまで数機種販売してきています。このうち現行モデルの『GALAXY S II Epic 4G Touch』はauのISW11SCの同系モデル。ホームボタン周りがすべてタッチキーになっているのが大きな違いで、ほかはほぼ同スペック。
ちなみにアメリカの携帯を日本で契約する方法があります。KDDIのアメリカ法人、KDDI USAがSprintのMVNOとしてアメリカで事業を行なっていて、この『GALAXY SII Epic 4G Touch』も契約が可能。アメリカ渡航が多い人はいっそこれを契約してしまうのもいいかもしれません。
WiMAXのスマートフォンは思ったほど数が出ていないのがちょっと残念。また国を越えてSIMカードの差し替えなどで使い回しできないのもやや不便です。高速通信は魅力的だけに、これからももっといろいろなメーカーからWiMAXスマートフォンが出てきてほしいものですねぇ。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局
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