6月5日、COMPUTEX TAIPEIにて開催されたインテルの次世代クライアントPCに関する発表会で、東芝の21:9シネスコサイズ液晶搭載PCが展示されたのは既にお伝えしたとおり(関連記事)。発表会ではこのほかに、インテルが考える次世代のPCの姿が語られた。この様子をリポートする。
■ウルトラブックでスマホのワイヤレス充電ができるようになる!
個人的にいちばん便利だと思ったのが、PCからスマホやキーボードといったデバイスに対して、無線で充電できる機能。デモでは実機が稼働しており、PCの横にサムスンのスマホを置くと自動的に認識して充電した。規格では3Wの出力が可能となっており、仮にUSBと同じ5Vを充電するとして600mA、USBの定格出力500mAと比べても高い。もちろん、スマホなどのデバイス側にも対応が必要となるが、実現すればいちいち充電用のケーブルを持ち歩かなくて済むのでモバイル使用が楽になる。
■スマホ連携でPCの盗難防止
ビジネスシーンで便利なのがこの機能だ。スマホからPCをリモートロックしたり、モーションセンサーを使って、ロックしたPCが動かされたらスマホとPCでアラームが鳴る仕組み。モーションセンサーはPCが動かされた度合いによって、注意から警報と2段階のアラートとなっている。アラートはPCの画面に大きく表示され、警報音も鳴るため、盗難されたと周囲にすぐ分かる仕組みだ。たとえば、カフェや列車内でPCを使っていてトイレに行きたいときとか、席を少し離れる際などは、PCを机に置いたままにできるかもしれない(それでも勇気がいるが)。もちろん、誤って動かしてしまった場合でもスマホからすぐに警報が解除できる。
■PCが秘書になる?音声コミュニケート入力
アップルのSiriなど人工知能を使った音声入力が出はじめているが、これに似ているのが音声コミュニケート入力。単なる音声認識だけではなく、人間の思考を補助するかのようにPCが問いかけてくれる。デモでは「GoogleでIntelを検索したい」とデモンストレーターが話しかけると「ほかに検索するキーワードはないか?」とPC側が問いかけてくるデモを行なっていた。
■一体型PCがボードゲームになる
新しいPCの使い方として提案しているのが一体型PCのボードゲーム的な使い方。一体型PCの液晶を真上に向けて、タッチパネルでゲームを遊ぶというもの。Windows8世代では、メトロインターフェースにより、タッチパネル液晶の搭載がほぼ標準となる。これを活用してボードゲームのように活用しようというものだ。たとえば、チェスや将棋をさしたり、人生ゲームのようなボードゲーム、海戦ゲームとか、考えてみるといろいろとおもしろそうなゲームが複数人数でプレーできそうだ。
この機能に対応する端末の特徴は、多数本のマルチタッチに対応するというもの。デモでは、3人のプレイヤーが同時に画面をタッチしてゲームをしていた。複数人数でプレーする場合にはどうしても2本指ではプレーしにくいゲームもある。エイサーが6月4日発表した一体型PC『Aspire 7600U』は、このコンセプトに沿ったモデルと言えるだろう。同機は液晶を真上に向けることができ、64ポイントもの同時マルチタッチを実現している。
■これからの一体型はシネスコサイズ
一体型PCに関するコンセプトも示された。液晶の縦横比は21:9、つまり映画のシネスコサイズと同じになり、映画を映画館で観るように楽しめる。また、上記のデバイスに対する無線充電を搭載。スマホはもちろん、電池切れが問題となるワイヤレスキーボードやマウスなどを充電できるようにする。実際にデモでは、キーボードを一体型PCの脚部に近づけると充電するデモが行なわれていた。また、メインのCPUやメモリーなどのモジュールは取り外しできるようにするとしている。シネスコサイズの液晶はすでにお伝えしたとおり、同発表会で東芝が展示している。今後は16:9と並ぶPCの液晶比率のスタンダードとなりそうだ。
どの機能もまったく新しいものではないものの、実現すればよりPCの使い勝手がよくなるものばかり。次世代のインテルアーキテクチャーを搭載したPCの登場に期待したい。
■関連サイト
COMPUTEX TAIPEI
インテル
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