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BBW2012:新OS『BlackBerry 10』とフルタッチの開発機を披露

2012年05月02日 09時00分更新

  5月1日~3日の3日間、フロリダ州・オーランドのマリオット・オーランド・ワールド・センターで開催されているBlackBerry World 2012。リサーチ・イン・モーションが主催し、BlackBerryに関する最新情報を入手できる年間最大のイベントです。今年は、世界150ヵ国からアプリや周辺機器の開発者、通信キャリアなどが集まりました。

BBW2012
↑客室数が2000室もある、マリオットグループ最大のホテル。ディズニーワールドやユニバーサルスタジオが隣接する(と言っても車で15分ほどかかる)位置にある。
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↑リゾートホテルなので、敷地内にウフフアハハなプールがあります。ゴルフコースも……。バカンスを楽しむ人々を尻目に基調講演の会場に向かいます!
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↑ホテルに隣接するコンベンションセンターがイベントの会場。約3000人が基調講演のスタートを待ちます。

 現地時間の5月1日朝9時、約3000人の入る宴会場で行なわれた基調講演からイベントがスタートしました。
 登壇したのは、20年にわたって共同CEOを務めてきたマイク・ラザリディス氏とジム・バルシリー氏に代わって今年1月CEOに就任した、トーステン・ハインズ(Thorsten Heins)氏です。

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↑ハインズCEOが登場。学校の先生っぽいルックスですね。ハインズ先生とお呼びしていいですか?

 ハインズ先生は、最初にキーボード、コミュニケーションの機能(BlackBerry Messengerなど)、セキュリティーの高さといったBlackBerryの個性についてアピールしたあと、すぐ新OS『BlackBerry 10』の話題に入りました。

 BlackBerry 10は、UNIX系のQNXをベースとしたOS。日本未発売の7インチタブレット『PlayBook』(→関連記事)のOSもBlackBerry 10と同じQNXベースで、HPが開発していた『webOS』(→関連記事)に似たカード型のユーザーインターフェースや完全なマルチタスクなどが特徴です。今年後半のリリースを予定しています。

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↑HP(元はPalm)が開発していた『webOS』。ウィンドウやアプリを“カード”型のサムネイルで扱い、カードを切り替えて使う独特のUI。
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↑2011年4月に発売されたPlayBook。QNXを買収してつくった、カード型UIのOSを採用している。日本未発売。

 ハインズCEOはこの次期OSについて、「人々が求める次のレベルのものを提供しなければならない。BlackBerryらしく独特で、ふつうのスマートフォン以上のもの」と自らハードルを上げていました。では、具体的にはどういうものなんでしょう?

 ということで、初お披露目となるBlackBerry 10 OSを、開発者用のプロトタイプの端末“Dev Alpha”上で実際にデモして見せました。
 今回のイベントは“BlackBerry 10 Jam”という開発者向けセッションを同時開催しており、これに参加する開発者全員にこの端末が配布されます。

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↑初公開となった“BlackBerry 10 Dev Alpha”。当面、これを利用してアプリを開発することになる。今日はSDKの配布も始まった。

 PlayBookやwebOSと同様、アプリの切り替えは左右スワイプで行ないます。ホーム画面を表示するには、画面の外から内側に向かってスワイプします。複数アプリが動作しているときは複数のカードが表示されます。BBMのメッセージがある場合は画面の端に表示されるなど、独特な動作をすることもあります。

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↑アプリのウィンドウをカード状に表示するUI。上端にはAndroidのようなステータスバーがある。下端に電話、検索、カメラのアイコンが表示されているが、ここの表示内容は起動中のアプリなど状況によって変わる。
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↑メールに添付されたPDFを開いたところ。メール画面とPDFは左右スワイプで切り替えられる。
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↑BBM、メール、PDFといった複数のアプリの切り替えも可能。

 Dev Alpha端末にはBlackBerry最大の特徴であるハードウェアキーボードがなくフルタッチで操作しますが、そのぶんソフトフェアキーボードの開発には力を入れています。ハインズCEOは「新しいタイピングエクスペリエンス」と表現しました。

 入力すると、次にタイプされるであろう単語を予測して候補を表示します。これはまぁよくある機能ですね。おもしろいのが、候補が各キーの上に表示されること。また候補から単語を選ぶと、上の表示領域にその単語が吸い込まれていくようなアニメーション表示をするんです。このデモには来場者も拍手喝采でした。

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↑次に入力されるキーと単語、両方を予測して表示。選択すると、アルファベットや単語がピューッと飛んで吸い込まれていくようなエフェクトが見られる。

 もうひとつ、Dev Alpha端末の特徴としてハインズCEOが紹介したのはカメラ機能です。新OSのカメラでは、数秒前の状態を記憶していて、選択範囲に写っているものを戻すことができます。

目をつむっちゃってたの……
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タイムラインをさかのぼります
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さかのぼると笑顔があった!
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↑新OS&新デバイスのカメラ機能。数秒前の状態を記憶しており、選択範囲の周囲に表示されるタイムラインをスライドさせて戻すことができる。たとえば複数の人がいっしょに写真を撮影した際、ひとりが目をつぶってしまっていたら、数秒前の笑顔に戻せばいい。

 このあと基調講演はさらに続き、PlayBook用の最新アプリなどの紹介に続きましたが、それより気持ちはDev Alpha, yeah! ですよね。
 次のレポートでは、Dev Alphaの実機をご紹介します。See you!!

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