2月24日より、個人向けの店頭モデルの発売が始まったLet'snoteの注目最新モデル『CF-SX1』。週末を使って、デモ機を1泊2日の出張……という名の関西への帰省に連れ出してきたのでさっそくレポートする。
CF-SX1の特徴をざっとまとめると、
・強度を保ったままで薄型化したボンネット構造の天板
・12.1インチで高解像度(1600×900ドット)の液晶
・標準電圧版の強力なコアi CPU
・もちろん光学ドライブも搭載
という、速・薄・軽がそろったモバイルPCのお手本ともいえる1台。そのこだわりぶりに関しては、山田祥平氏の開発者インタビュー(関連リンク)や短期集中連載(関連リンク)をご覧いただくとして、生活の中で使ってみる実機も、キチンと「ココ、いいね」というところがいくつもある製品だった。
今回手元に届いた試用機は、マイレッツ倶楽部のプレミアムエディション+αの仕様で、CPUはCore i7-2640M、メモリーは16GB(通常は8GB)、SSDは256GB。ボディーカラーは、ジェットブラックだ(この本体色、カッコ良くて大好きです)。今回は、最大16時間駆動(仕様によっては17時間駆動)の標準Lバッテリーと、“念のため用”の軽量なミニACを組み合わせた。
この“たっぷりモバイル仕様”の組み合わせでも、AC込みの総携行重量が公式発表1.5kg、実測約1.49kg(!)というのがイキナリ凄いのだが、いちいち驚いてばかりいられない。
●移動中の仕事が捗る1600×900ドットの液晶
↑実際には、巻き取り式ケーブルをのばしてスマホは網の中へ。基本、テザリングしながら使うのでUSB給電は必須。もちろん、SX1本体の内蔵WiMAXを使ってもいい。 |
12インチ前後のサイズは、出張族の人たちにはいまさら言うまでもなく、ベストマッチのサイズだ。こんな具合にトレーに置いても余らないし、膝の上に置いても隣の人の邪魔にならない。
イトーの場合、原稿書きは膝の上で、ウェブや動画(DVDですね)を眺めるときはトレーの上というように使っている。もちろん、その道中でもスマホは繋ぎっぱなしで、仕事機兼エンタメ機兼巨大バッテリーの役割を果たしてくれる。スマホ充電に関しては、今回から最大1.5Aで給電する急速充電モードをサポートし、さらに電源オフ中のUSB給電も設定可能になった。ちょっとしたことだが、これははっきりと便利だ。
↑USB給電ユーティリティー画面。本体左側の急速充電用端子からの給電電圧を変更できる。急速充電できるかはスマホや接続する機種による。 |
↑専用の設定画面で電源オフ時の給電やおしらせの有無などの告知も設定可能。モバイルノートの余力を巨大外部バッテリーにしてしまおうという実用的な提案。 |
車内で原稿を書き始めてスグ気付いたのが、画面を見るときのストレスのなさだ。海外出張で何度も使ったことのあるレッツノートJシリーズ(10.1インチ)は、書類作業には若干の手狭さというか、「これはモバイルだから」という割り切りが必要だったが、SX1にはどうもそれがない。
ドットピッチが広いのかと思ったが、画面サイズから算出すると、どちらも同じ程度で大差なし。この違いは、Jシリーズが1366×768ドット、SX1が1600×900ドットという解像度の違いから来るもののようだ。ドットピッチが同レベルなので、文字が小さすぎるという感覚ももちろんない。
↑見た目にはわかりにくいが、ファンクションキー部分はキートップが凹むようにカーブした形状になっている。キーピッチはデスクトップ並みの19mmピッチを確保。 |
↑伝統のシェルドライブ機構。プラスαの重量増・サイズ増を感じさせることなく光学ドライブを搭載。いつものことながら、良くできてるなぁと思ってしまう部分。 |
さらに、今回の新リーフキーボードは打鍵感がすこぶる良い。ファンクションキートップにゆるやかなカーブを付けることによるミスタッチの少なさは、実はあまり意識することはなかったけれど、タッチがカチャカチャ系ではなくコトコト系の、静かで無粋な軽さがないのが好印象。いつまでも使っていたいタッチ、という表現があるけれど、僕の場合まさにこんなキーボードのことをいう。
●薄くなった天板のボンネット、全部付きのインターフェース
今回の薄型化に際して、具体的にどういう変化なのか気になっている人もいるだろう。これは、物理的にボンネット構造部分の凹凸が低くなっている。写真で見てもよくわかるように、凹凸部分に光が当たるように撮ると“いつものレッツの形状”なのだが(左写真)、ほぼ水平にしてよ〜く見ると、凹凸そのものの厚みがスリムに抑えられている(右写真)。
長年のこだわりとノウハウのあるレッツノートのことだから、インターフェースに関しては文句なし。USB3.0×2(そのうち1機は電源オフ時にも給電できる端子)、USB2.0×1、有線LAN。さらにD-Sub15とHDMI両搭載の“わかってる”仕様なので、いざプレゼンでプロジェクターに接続!となっても端子の有無であたふたしなくていい。
短期集中連載のインタビュー中にも書かれていたとおり、SX1では空冷ファン掃除用のフタというマニアックな機構もある。モバイルノートは愛用の文房具のように手入れして使うものだから、こういう配慮はやっぱりうれしい。掃除口は細くて深いので、掃除機で吸う場合は細口のアダプターを付けて、微弱モードで吸い出す感じなのだろうか。
●バッテリーのもちは(当然ながら)文句なし
気になるバッテリー駆動時間について。結局、今回の一泊二日の帰省では、土曜日は新幹線移動中に2時間+その夜に4時間の計6時間、翌日・日曜が移動中含め4時間ほどの計10時間といった使い方になった。バッテリーの残量補正が済んでいないフシがあったので細かな数字は割愛するが、それでも日曜夜に帰宅したときにはまだ幾分の余力が残っていた。
新幹線内では基本的にテザリング中のスマートフォンを充電させながらだから、一泊二日の出張くらいの使い方ではAC不要でも済みそうだ。
今回は、運良く(!?)一度もミニACを使う状況はなかったけれど、カバンに忍ばせておいたとしてもわずか+130gにすぎない。ビジネスマンなら、折りたたみ傘を持ち歩く感覚でいざというときの保険にミニACを持ち歩くのも十分アリだろう。ちなみに、充電能力に大きな違いがあるとはいえ、ノーマルAC一式との重量差は2倍近くあって、重量増は馬鹿にはできないレベルだ。
↑軽さにびっくりするミニAC。コンセントにそのまま挿せる構造(取り外しも可能)なので、収納時にもすっきり収まる。 |
↑標準バッテリーは思いの外、重量差がある。実は取り外しできるケーブル部分だけで50gある。 |
●あえて“Ultrabookではない選択”の意味
インテルの強いプッシュもあって、手ごろで性能もそこそこ高いUltrabookはモバイル市場で2012年、大きな伸長をしそうだ。そこに来て、(おそらく)「あえてUltrabookではなくコレだ」というパナソニックなりのこだわりと回答が、SX1には表れていると思う。つまり、現状のUltrabookにはない頑丈性能、バッテリー性能、パッケージングを実現できている。特に“モバイルであろうと何も捨てない”というのはレッツノートの魂のようなものだから、この点へのこだわりはさすが。
自分にしっくりくる1台を探しているという人は、この週末にでも店頭で触ってみてはどうだろう。あ、それから念のため。Ultrabookとの対比の文脈で書くと“価格が高そう”と思われそうですが、実はエントリーモデルは実売15万円前後から。昔のイメージほど、高嶺の花ではないのです。
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CF-SX1WEWHR パナソニック Let's not...
149,590円
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