12日まで札幌で開かれていた初音ミクのイベント“SNOW MIKU 2012”。最後のレポートとなる5回目は、“中の人”に注目してまとめていこう。
これぞ制服美人! 藤田咲さんが1日郵便局長に就任
1回目の空港のレポートでもお伝えしたように、北海道の一部の郵便局では、“雪ミク切手”を販売中だ。そのからみもあって、11日、初音ミクの声を担当した声優の藤田咲さんが札幌中央郵便局の1日局長を務めるというイベントが実施された。ちなみに藤田さんは、昨年も雪ミク電車で札幌市職員の制服を着てセレモニーに参加している。
↑初音ミクの“中の人”である藤田咲さん、札幌中央郵便局の局長、クリプトンフューチャーメディアの伊藤社長とのショット。
↑札幌中央郵便局は、札幌駅のすぐ東側にある北海道最大の局。藤田さんサイン入りポストカードが20名に抽選であたるということで気温がマイナスにも関わらず行列ができていた。なかには朝の5時台から並んでいたという人もいたそうだ。
↑このイベントで注目すべきは、何と言っても似合いすぎな制服コスプレ(?)。こんなかわいい局長さんがいたら毎日通っちゃう!?
↑郵便局長からは依託状と雪ミク切手を授与される。
↑逆に藤田さんからはサイン入りポストカードを手渡し。
↑局長としての仕事もバリバリこなされてました。窓口で切手シートを渡す手伝いをしたり……。
↑局内を視察したり。外気を取り入れた寒いチルド室にもずんずん進んでいきました。
↑郵便物の区分けや、自動仕分け機のボタンを押したりも。札幌在住で月曜日に郵便物を受け取った人は、もしかしたら藤田さんが仕分けたものを手にしてるかも!
↑外に行列があるなら、当然局内も混雑している。サイン入りポストカードは、雪ミク切手を買った人の中から20名に当たる。飛ぶように切手が売れていく。
↑幸運にもサイン入りポストカードに当選された方に撮影をお願いした。うらやましす!
公開ラジオ収録も開催 “中の人”の生出演に大興奮!
同じ大通西11の屋外ステージでは、11日17時からFMラジオ『FM NORTH WAVE』のアニメソング専門番組『Anison-R』が企画した公開収録が行なわれた。ゲストは鏡音リン・レンの声を担当した下田麻美さん、MEIKOの拝郷メイコさん、初音ミクの藤田咲さんというという3名だ。
↑声優の下田麻美さん、と藤田咲さん。
↑シンガーソングライターの拝郷メイコさん。
下田さんは、鏡音レンの声まねを求められて、レンがいいそうだという「うるせぇ」というセリフを披露。藤田咲さんとタクシーに同乗した際、ボーカロイドの物まねで会話をしたことがあるという裏話も語っていた。
拝郷さんは“Garden”と“リビング”という2曲を弾き語りで披露した。トークパートでは'09年に発売したアルバム『HELLO TREE』の“悲しみcloset”という曲で初めてMEIKOをコーラスに起用したことに触れて、「うまいですね彼女、外さないです」と語って会場を笑わせていた。
藤田咲さんは、リスナーからの「ネギは好きですか?」という質問に対して「長ネギがどーんと入ってると食べられないんです。ファミマさんで売ってるお弁当も、ネギは“黄色いの”(下田さん)に食べてもらいました」と答えていた。
↑マイナス5度からマイナス9度という極寒の中、立ち見の客席がぎゅうぎゅう詰めになるほどファンが押し寄せて、思い思いに楽しんでいた。オンエア予定は、2月18日と25日の午前0時。笑いが絶えない1時間だったので、札幌在住の方は必ずチェックすべし!
初音ミクの未来を語る 新千歳空港のイベント
新千歳空港の模様は初回にお届けしたが、11、12日には、雪まつりを行き来するファンを狙って、さらにマシマシでイベントが行なわれていた。注目は、12日に2階出発フロアのホールにて実施した、“初音ミク feat. 最先端技術とユーザーコミュニケーション”と題したシンポジウムだ。ソフトを作る“中の人”がどういった意図をもっているのかを知る絶好の機会だった。
↑囲みの部分が満席のイベントスペース。往来の激しいホールで、初音ミク現象を支えてきたソフトウェアとCGMの広がりが語るという冒険的な試みだ。司会を努めた鮎川ぱて氏とクリプトンの五十嵐氏は、それぞれKAITO、巡音ルカのコスプレで登場。
最初は初音ミクの開発責任者であるクリプトンの佐々木渉氏と、セガの“中の人2号”氏が、『Project DIVA』などのゲーム制作について裏話を語った。2号氏によれば、アーケード版のDIVAシリーズはほかのゲームに比べて女性ファンの割合が高い作品とのこと。セガの製作陣も女性が多く、3月8日に発売予定の『初音ミク and Future Stars Project mirai』も「『悪の娘と悪の召使い』は頼んでもいないのにできてました。『ハロ/ハワユ』については絵コンテすら描いてない」と女性パワーのスゴさについて語っていた。佐々木氏はねんどろいどが使われることになった経緯や、子供に親しまれるコンテンツを目指しているコンセプトを説明。また両氏は、3DSならではの可能性についても触れていた。
↑佐々木氏(左)と中の人2号氏(右)。Project miraiは空港4階で試遊スペースが用意されていた。
産業技術総合研究所の後藤真孝氏は、2日にベータ版を試験公開したばかりのウェブサービスSongleを紹介していた。楽曲のURLを入れるとその中身を解析して、解析結果の“音楽地図”を見ながら楽しんだり、サビだけを聞いたり、似た歌声の曲をピックアップして聞いたりすることが可能になる。ピアプロともコラボしており、すでに多数のボカロ曲が解析されている。
↑Songle。楽曲の構造、コード、メロディーライン、階層的なビート構造を解析して表示できる。自動解析が誤っていたらユーザーの手で修正も可能。「楽曲構造や音楽家の意図をより深く理解して聞くきっかけになる」と後藤氏。
↑後藤氏は「音楽はどんどんデジタル化されていて、膨大な量になっている。その量的変化は、コンテンツのデジタル化革命における第一段階に過ぎない。第二段階としては、単に蓄積するだけでなく計算可能になる。つまり人間に変わって、コンピューターが音楽の中身を聴きとって、人間の音楽の楽しみ方を豊かにしてくれる。そんな質的変化が次の10年で起こると予想します」とアツく語っていた。
最後は全員が出演していくつかのテーマでディスカッションした。たとえば、「初音ミクはどこまでいくのか?」というお題では、初音ミクと企業とのコラボについて、クリプトンの基本姿勢が語られた。
きっかけは、2号氏の「ニコニコ動画やYouTubeなど、初音ミクは既存のメディアとまったく関係ないところで盛り上がった。でも、ゲームはある意味オールドな世界。うちが(初音ミクの)ゲームを作ってるのは『好きなので関わらせてください』ってだけ。そういうオールドな世界と初音ミクが共存できるのかは新しすぎてまだわからない。けっこうビビってますが、許されるならこのまま行きたい」という発言だ。
これに対して、クリプトンの佐々木氏は「できるだけ皆さんに初音ミクビジネスの裏側も知ってほしい。企業でもメディアでも、CGMや創作カルチャーを理解してアプローチの仕方を提案してくれることもあれば、そうじゃなく金だけで解決しようとするケースもある。全部ごちゃ混ぜにしてビジネスでひとくくりにするのは間違ってる」とコメント。
さらに、クリプトンの伊藤社長は、「商業的なしがらみにみなさんを巻き込むために僕たちは仕事をしてるわけじゃない。(初音ミクによって)みんなが楽しそうに創作に打ち込んで、新しいコンテンツが出ていくダイナミックなームーブメントが突然起こった。それはある種、革命で、新しいステージに入ってるわけです。今、日本は元気がないと言われてるけど、この革命をどう発展させて、世界にコンテンツを出していくのか。みんなが生き生きと創作していけるにはどうしたらいいか。そのためにできることをやっていきたい」と明言していた。
↑シンポジウムの様子。
各地でやってほしい! DIVAを映画館の大スクリーンに投影
4階にある映画館“じゃがポックルシアター”もアツい! シアター1では、アーケード版『Project DIVA』の筐体を設置し、プレーの様子をスクリーンに投影していた。料金はなんと無料。セガの人によればこれだけ大きいスクリーンに映し出すという試みは聞いたことがないという。
↑映画館のスクリーンで見るDIVAもまた格別。ゲームファンなら有料でも遊んでみたいという人は多いはず。ぜひ全国の映画館でも同様のイベントのご検討を!
11、12日にはシアター3で、海外ライブのフィルムコンサートを実施した。初の海外公演となったロサンゼルスの“MIKUNOPOLIS”、パッケージ化されていない“ミクパ”のシンガポール公演という2本立てだ。こちらも無料ということがあって、入場整理券がどんどん消えていき、あまりの人気に1本追加上映が決まっていた。
↑12日の上映スケジュール。上映風景を少しだけ見学させてもらったが、映画館でもサイリウムを取り出して熱心に振るファンがいらっしゃった。マジパネェ!
という感じで、5回にわたって駆け足で“SNOW MIKU 2012”をレポートしてきたがいかがだっただろう? たびたび登場した福岡総編集チョの笑顔が示すように、今回のイベントはファンにとって満足のいく内容だったのではないだろうか。今年はスルーしてしまった人も、初音ミクの勢いを肌で感じるためにぜひ来年は札幌を訪れてみよう!
(c)Crypton Future Media, Inc.
■関連サイト
クリプトン・フューチャー・メディア
さっぽろ雪まつり
SNOW MIKU 2012
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