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冬ボは憧れのイヤホンを手に入れるチャンス! 『AKG K3003』など高級イヤホン4機種をミュージシャンがレビュー!

2011年12月06日 12時00分更新

 今までにない音のクオリティー!ということで5万円~20万円という高価格帯イヤホンに注目が集まっています。人気の4製品をミュージシャンのagraph(牛尾憲輔)さんに試聴していただきました。レビューのようすは12月6日発売の週刊アスキー12月20日号でご紹介しますが、ここでは誌面に入りきらなかった“ディープ”なコメントを【ノーカット版】でお届けします!

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今回の試聴環境はiPodとMP3の以下の音源を使用しました。

①ラフマニノフ『ピアノコンチェルト2番』
②Cycloのアルバム『id』
③agraph名義の『Lib』


SHURE『SE535 Special Edition』
実売価格 5万円前後
 

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牛尾
①は、ハウジングがすごくしっかりしていて、がっちりしているので、着けた瞬間から没入感がすごいです。中低域から下がすごく聴こえたので、木管のリードなどが耳について聴こえました。ベース部分も、まとまらず、だまにならずにちゃんと聞こえて、伸びやかさがありました、フォルテで上のほうで金管が鳴ったときにちょっと痛いです。ブラスが鳴ったときに美しくなったほうが聴こえたら気持ちいいと思います。

②は、没入感がすごいので、超高域や超低域がでたときにユニット自体の揺れを感じました、例えるならば脳幹が揺れている感じ。すごく高い音がなどが人間がギリギリ聴こえるかどうかギリギリくらいまで音が大きくなると圧迫感があるんですが、それを感じるので、ちゃんと出ているんだと思いました。ただしすごい音量で超低域がなると怖い。でも臨場感が出てくるのでおもしろかったです、いい意味でちゃんと圧迫感が感じられて、存在感のある打ちこみがきけます。物理的には間違った言い方ですが、音が速い。それにアタック感をすごく感じるかなと思いました。

③に関しては、実際の楽器よりも低域をもりこんでつくっていたので、そういう部分はちゃんと聴こえました。意図したことをよく補正してくれてすごく楽しく聴けました。


オーディオテクニカATH-CK100PRO
実売価格 6万3000円前後

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牛尾
①はピアノの弱音から始まるのですが、そのタッチが綺麗に鳴っていて、きらびやかにきこえるので楽しかったです。擦弦(弦の擦れ)や、弦の動きが結構聞き取れたし、バイオリンのたちあがりがよく聴こえたので、ピアノコンチェルトで提唱している部分、ストリングスとピアノの掛け合いが楽しめました。上のほうで弾いているピアノがキラキラしていて楽しかった、ただしSHUREと同じように金管がなったときに少し痛さを感じた。

②は中高域、中域から少し高めのところに印象があって、この曲は音響を聴かせるので、中広域らへんがふくらんだ感じなのですが、箱庭感があって、丸くまとまってしまっていた印象。ただし圧迫感はないので、全体を見通すことができました。楽しいというよりは、仕事で使う感じ。特に打ち込みの人は。

③はやっぱり中広域でシンバルがよく見えるんですよ、チャキチャキ鳴っているときにシンバルのグルーブがとりやすいです。


AKG『K3003』
実売価格 13万円前後
 

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牛尾
①を聴いたときはSHUREとATHの中間くらいの帯域が聴こえてピアノでも上のほうまでいかずに第1オクターブから第2オクターブがよく聴こえました。低音でマスキングがおきているのかもしれないけど、迫力に欠ける部分はありますが、ナチュラルにのびやかに聴こえます。金管楽器がフォルテシモもまでいったときにそこもすごく綺麗に表現できたので、いちばん全体をふくめて楽しめました。

②では中低域くらいにメインの解像度が出てきているように感じて、中低域で鳴っているんだけど、超低域や超高域がなったときもその盛り上がりを少し持続してくれるので、音が響いてますという感じがちゃんとしてます。

③では伸びやかにきれいに音が鳴ってくれていました。


Final『Piano Forte X-CC』
実売価格 20万円前後
 

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牛尾
僕達ミュージシャンはモニターイヤホンを探しているのですが、このイヤホンはいい意味でちょっと変。ほかの製品とは全く異なっていて中域がこうとか低域がこうとかじゃなくてもっと、音楽的。いい意味でも悪い意味でも生で聴いているみたい。

①ではオーケストラだと端っこの席だとあまり聴こえないときもありますよね。そういう感覚がちょっとあって、ダマになってしまっている部分もあるのですが、小さい音から、ピアニシモからフォルテシモまでダイナミックに聴こえるのですごくドラマティックですよ。ほかのものとは別という感じ。「へぇ~!」とかんじました。鳴っている感がありました。オーケストレーションを聴くととてもおもしろい。

②を聴いた印象は没入感は薄いんです。まわりの音が聴こえるし、ただしユニットがちゃんと鳴っているのはわかります。アコースティックだけしかダメかなと思ったんですが、そんなことはなかったです。ちゃんと発信というと音が鳴っているように聴こえるけど、鳴動しているというか、本当に楽器みたい。打ち込みとか工学的な音は、アナログ楽器として鳴っているように聴こえるのですごいおもしろいです。

③ではやはりちゃんと鳴っている感じがしておもしろかったです。こういうの好きなひとはいるだろうなって。もっと試聴機の台数を増やしたほうがいいと思います。
 

agraphさんに試聴していただいた4機種以外にも、18機種を週刊アスキー12月20日号(12月6日発売)では、耳に定評のあるミュージシャンの方々、オーディオライター、編集者総出でレビュー中です。この冬のボーナスで買いたい機種が必ず見つかるはず! ぜひチェックしてください!

【agraphプロフィール】
牛尾憲輔のソロユニット。現在までにオリジナルフルアルバム2枚をリリースしている。バンドLAMAのメンバーとしても活動中でニューアルバム『NEW!』を先日発表したばかり。
●関連ページ agraph公式HP

●ヘットホン関連ページ
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