3日目の基調講演はジャスティン・ラットナー氏の“Future Technologies”。ラットナー氏は登場時に、昨日基調講演を行なったムーリー・エデン氏のトレードマークである帽子をかぶり、ものまねを披露。おちゃめなおじさんだなーなんて思っていたら、講演の内容はわりとお堅い内容で、CERN(欧州原子核研究機構)やらLTEの基地で使われる高性能コンピューターなど、コンシューマー向け以外で活用されているインテルの技術を紹介。基調講演以外にもセッションや展示ブースをいろいろ見てきたのでまとめて紹介します。
ムーリー氏のものまねでおどけるジャスティン・ラットナー氏 |
●SSDセッション
SSDのセッションでは、データセンター向けの最新SSD『Intel SSD 710』を発表。容量は100/200/300GBで25nmプロセスのNANDフラッシュを採用し、耐久性と信頼性が高いとのこと。接続はSATA2で、シーケンシャルリードが最大毎秒270MB、シーケンシャルライトは最大毎秒210MB。
Intel SSD 710 |
コンシューマー向けSSDでは、SATA3対応で今秋発表予定の“Cherryville”と“Hawley Creek”をアナウンス。Cherryvilleは『Intel SSD 510』の上位にあたるので速度に期待したいですね。“Hawley Creek”はハイブリッドドライブ機能“スマート・レスポンス・テクノロジー”用の『Intel SSD 311』の後継。2.5インチサイズのほか、mSATAモデルも出るのでマザーボードに実装するメーカーがこの機に増えるかもしれません。書き込み速度が遅かったんですが、25nm版でそのへん良くなっていることに期待しましょう。
SATA3対応最新SSD“Cherryville” |
スマート・レスポンス向けSSD“Hawley Creek” |
●“Extreme Zone”
“Extreme Zone”で初日から行なっていたSandy Bridge-Eの水冷オーバークロック(OC)が個人的にすんごい気になったので、もう少し詳しくご紹介します。
6コアSandyBridge-Eを4.72GHzにOC!! |
インテル純正の簡易水冷クーラーはSandy Bridge-Eのソケットとなる“LGA2011”以外に、LGA1366や1155などもサポート。展示していたサンプル製品には12センチファンを1基搭載、ファン側をPCケースの背面に取り付け、PCケース内の熱気を外に流すエアフローになっていました。
●“Advanced Technology Zone”
“Advanced Technology Zone”では、日本で全然なじみがないThunederbolt製品をたくさん展示していました。
Thunederboltのポータブルストレージ |
最もおもしろかったデモは、3Dビデオカメラで撮った映像をBlackmagic Design社のThunederbolt-HDMI変換機(3D液晶テレビにはHDMI映像をスルー)を経由してThunederbolt対応外付けHDDに記録、さらにそこからデイジーチェーンでつながった『MacBook Pro』に映像をリアルタイム伝送、といったThunederboltをうまく活用した3D映像システム。しかし、Thunderbpltはウィンドウズ機で使えるようになるのはまだまだ先のようなのが残念です。
3D映像をリアルタイムで保存&モニタリング |
Apple Thunederbolt Displayも動作デモ |
“Advanced Technology Zone”では、Ivy Bridgeノートのデモも多数行なわれていました。COMPUTEXでも紹介したHD動画の複数同時再生やHTML5対応ウェブブラウザー上の動画同時再生など、そのパワフルさを見せつけてました。
HD動画を同時に複数再生 |
HTML5対応ウェブブラウザーで真価を発揮? |
液晶一体型のIvy Bridge搭載PCも展示。“Dashboard”と呼ばれるインテルの純正ソフトウェアを介し、無線LAN経由でファイルの受け渡しやチャットができたり、最大8基までのほかのPCやタブレットなどのアクセスポイントとして機能したり、ちょっと便利そうです。
Ivy Bridgeの液晶一体型PC |
高機能な無線LANユーティリティー? |
●ちょっとひと休み
開発者向けの難解なセッションが多数あるなか、取材中のいい息抜きになったゆるーい催しや展示物を紹介します。
写真合成で国際交流? |
こちらはひとりずつあらかじめ決まったポーズで写真を撮り、それらをGIFアニメのように合成する催し。名も知らぬ人たちと何かひとつのものをつくるってのはいい体験になりました。まあ、トラマスクをかぶっている時点で彼らのほとんどは笑ってくれていたので、きっと元から心の温かい人たちなのでしょう。
インテルラボのロボ |
インテルラボのブースにいたかわいこちゃん。「彼と写真を撮ってくれないと俺の給料が出ないんだ!」と忙しそうなラボメンをひっつかまえて頼み込んだら快く撮影してくれました。
●番外編:AMDブリーフィング
一方、AMDもIDF期間中に会場近くのホテルにてブリーフィングを開催。一応IDFの入場バッジをリュックにしまっていざ出陣してみると、なんと次世代APU“Trinity”採用ノートPCの試作機がお出迎え。動作デモではDirectX11対応ゲーム『Deus Ex:Human Revolution』で、コアi内蔵グラフィックよりもスムーズかつ高品質でプレーできることをアピールしていました。
Trinity採用ノートPCの試作機 |
そして、近日発売がうわさされている8コアのハイエンドCPU“FXシリーズ”の最上位を搭載したデモ機も発見。FXシリーズといえば先日OCのギネスレコードを塗り替えたばかりですが、動作クロック8.429GHzってすさまじい記録ですよね。FXシリーズは動作クロックの倍率がアンロックの状態で出荷されるらしいですし、発売したらいっちょOCしてみましょうか。
8コアCPU“FXシリーズ”のデモ機 |
動画エンコードテストの比較PCとして、用意されていたのがコアi5-2500K搭載マシン。価格をそろえて用意したと説明があったのですが、そうなるとFXの最上位は1万8000円前後ということですよね? なんかそれはそれで安すぎる気もするのですが、逆にそのぐらい安ければ気兼ねなくOCできるってもんです。ちなみに動画エンコードテストはコアi5-2500Kよりも約10秒ほど早く終えてました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります