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WindowsPhone IS12Tを1週間使ってみて ~ソーシャル連携はiPhone5の先を行く

2011年09月03日 22時12分更新

 当初の案内より前倒しで発売となったauの『IS12T』。日本初のWindowsPhone7.5端末(以下WP7)ということで、周りがiPhoneだAndroidだと騒ごうか一途に(はウソだけど)待ち続けていたわけですが、1週間ほど使ってみた感想を徒然と記してみたいと思います。ただし、かなりオッペンハイマー的意見なので、まともなレビューは過去のエントリーや週刊アスキー、ギガモード、IT Watchなどをご覧ください。

文字入力が超超超超超超超ちょ快適

 窓電いうても電話機として使う時間はむしろ希でっしゃろ? というわけで、コミュニケーションツールとしての文字入力の快適さが超×7.5重要でございますよね。iPhoneは変換効率に関しては賛否あるものの、フリック入力に関してAndroid端末が長年かかっても追いつけないレベルの快適さを貫き通していると思うのです。このIS12Tですが、WP7の“スペックを統一し、ハードとソフトの融合性を高める”ルールに沿っているだけあり、追従性はホントiPhoneに負けてない。超スラスラです。ただ、デフォルトの設定だと、私にはちょっと使いにくかったので……。

テンキー
WP7_IS12T
フルキー
WP7_IS12T

  フリック入力(あるいはテンキー入力)を使う使わないは人それぞれですが、せっかくWP7には画期的なカーブフリックもあります。端末が小型なためにフルキー表示だと細かするので、やはりフリック推奨です。ただ、私、1バイト文字はフルキーで入れたいんですよね。IDとかパスワードとか。筆を選ばないタイプの人はフリックでサクサクやっちゃうんでしょうけど、こう見えて結構オヤジなもので……。デフォルト設定は、半角の英数字を(入力欄によっては可能だったりするので一貫してないのですが)フルキー入力できません。フリックとローマ字入力が、いずれも日本語入力のまま切り替わるようになっているのです。

WP7_IS12T
WP7_IS12T
WP7_IS12T

  設定でキーボードの項目を開き、日本語10キーをオン(デフォルトはオン)、日本語QWERTYをオフ(デフォルトはオン)、英語をオン(デフォルトはオフ)にすることで私の望む環境になりました。ローマ字入力しか必要ない方は、日本語QWERTYをオン、10キーをオフに読み替えてください。これでID、パスワードなどの入力が非常にラクになりましたよ。ただ、キーボードの切り替えが、フルキー→テンキーのときに“ENG”を押し、テンキー→フルキーのときに“日”を押すというのは、感覚的に逆のような気がするのは私だけでしょうか……。まぁ現在の状態を表示しているわけなんですけど、どうも違和感が……。

ソーシャル連携がカンペキすぐる

 OSレベルでソーシャル連携機能をもつのがWP7の特徴ですが、果たしてコレが素晴らしい。Androidでも端末メーカーが独自機能としてソーシャル連携を展開していますし、アプリでもある程度実現できますが、やはりOS標準としてシステムに統合されているのとはワケが違います。

WP7_IS12T
WP7_IS12T

 TwitterやFacebookのアカウントを連絡先にひも付け、その人の情報をまとめられます。ひも付けは、各サービスにログインしたのち、リンクボタンを押すだけ。すると、Twitter、Facebookの同一人物をかなりの確率で正確に提示してくれます。あとはタップして選ぶのみ。Android端末メーカーが独自提供しているサービスも、ひも付け作業自体は同じような感じですが、ここまで正確には提示してくれない。また、AndroidだとGoogle連絡先のメモ欄にひも付け情報を付加するんですよ。勝手に。付加された情報は、同じメーカーの端末に乗り換える場合、再度ひも付けせずに済むので便利なのですが、メーカーごとに書式が統一されておらず、私やジャイアン鈴木さんのような天性の浮気野郎は、端末を乗り換えるたびにゴミのメモだらけになってしまうのです。その点、WP7は元データに余計な変更をしないので安心。いい嫁になれる。

アプリも充実してます

 っていうか、個人的にはアプリなんか充実してなくていいって思ってます。ジャイアンさんのように、充電の次にアプリのアップデートが趣味という人ならいいと思いますが、結局本当に使うアプリって、iPhoneでいうところのホームの2枚目くらいまでじゃないでしょうか? 途方もないほど大量のアプリを試していますが、本当に使うと思ったものだけ残し、すぐに削除してます。机の上もキレイ。そう、潔癖なんですね。

au appsには6本
WP7_IS12T
↑プリインストールされているものも、ほとんど更新作業が必要となっています。

 auに限らずですが、キャリアの端末を買うと、いらんアプリや、わけわからんアプリがいっぱい入ってて、しかも削除できなかったりしますよね。コレ、ホント嫌なんですよ。潔癖だから。使わないのにアップデートに引っかかってくるのもキーッ!てなる(でもアップデートしちゃう。潔癖だから)。IS12Tは、たんにアプリがそろってなかっただけかもしれませんが、非常に少なくて好印象。auがそろえているアプリは実に洗練された6本です。また、Androidの一部の端末では削除できなかったjibeも削除可能。まぁ試しもしないで削除もアレなんで、まずは使ってみました。

WP7_IS12T
WP7_IS12T

 同じ名前で提供してていいのかと思うくらい、Android版とは相違点が多いです。UIもWPに合わせておしゃれになってます。Google Talkやmixi連携はまだ実装されてないので、開発途上かもしれません。ただ、おしゃれしたせいで、一覧性が悪い。タイムラインなんて、上3分の1くらいが無駄になっているんです。バージョンアップに期待しつつ、ひとまず削除。

 代わりにというか、Twitterクライアントとして選んだのが週アスPLUSのWPアプリ連載第1回を飾った『moTweet』。コレ、本当に現時点では最強のSNS統合クライアントアプリだと思いますよ。詳細と、OSでSNS連携サポートしてるのにどうしてクライアントアプリが別途いるかの理由は、ぜひレビューをお読みください。なお、記事公開時よりバージョンが上がり、現在メニューなどもちゃんと日本語化されています(翻訳ちょと微妙ですが)。

moTweets
WP7_IS12T
↑オススメはやはりコレ。ツイッターは複数アカウント、Facebookもやってるというケースでは最強でしょう。シンプルでわかりやすく、動作も軽快。一覧性もjibeより高いです。

Googleサービスは?

 MSとGoogleは、検索、クラウドなど様々な分野で競合しています。それはアップルも同じですが、iPhoneとGoogleサービスとの相性は極めて高い。マップもYouTubeも標準で1枚目のホーム画面に鎮座してますしね。

 IS12Tは初の日本向けWP7なわけですが、標準の“マップ”を開くと、一種の衝撃が走ります。さすがに地域こそ日本のいまいる場所を示してますが、なんの参考にもならない、MS提供のグローバルマップそのままなんです。活用法としては、海に落っこちないで済むくらいでしょうか。BlackBerryやノキアの端末でこの手のマップに免疫ついている人も私の周りには多そうですが……。IS12TにはNAVITIMEが用意されているので、まぁこちらを使えってことでしょうけれど、私はやはり使い慣れたGoogleマップがいい。現時点では公式アプリは用意されてませんが、サードパーティー製の『gMaps』がいい感じでした。いずれ連載でやるかもなので、サクッと紹介しておきます。

標準のマップ
WP7_IS12T
gMaps
WP7_IS12T

 続いてカレンダー。Gmailに付随する一連のPIM連携は、WP7でもしっかりサポートしてますが、複数カレンダーの同期だけは(私のアカウントがGoogle Appsだからかもしれませんが)、どうしてもできませんでした。これもサードパーティー製アプリ『SuperG Calendar』で一応、解決。ただ、標準のほうがビューなどは美しいので、解決されるといいです。

SuperG Calendar
WP7_IS12T
↑Google Appsの複数カレンダーにバッチリ対応してます。UIはメトロふうでイカスけど一覧性に乏しく、たまに動作が不安定に……バージョンアップに期待!

主要サービスのアプリもそろっている

 ほか、YouTube(MS製!!)や、Evernoteの公式クライアントもリリースされています。個人的にマストだったのがDropboxなのですが、まだ公式のは見当たりません。やむなく有料のサードパーティー製アプリを導入しました。

BoxFiles for Dropbox
WP7_IS12T
↑Dropboxアプリ。これでPCやほかのスマホとのファイルやりとりがラクチンになります。日本語表示がファイル名、中身ともに中華フォントになっちゃうんですが(ほかにもそんなアプリは多い)、それ以外は動作もキビキビ、操作もわかりやすくてカンペキですね。

結論……

 サードパーティー製アプリの導入を終え、あとは公約通りMMSに対応すれば、現時点でiPhoneに実用面で劣る部分はなんら見当たらないように感じます。少なくとも私にとっては。細かいとこではゲームを追加しても、Hub内に追加されるだけで猥雑にならないのもWP7だけ。いちいち整理とかいらないので、ゲーム野郎にもオススメですね。

 しかし、なんといっても一番気に入っている部分はTwitter、Facebookのアドレス連携。Androidでも一部実現していますが、後付けのため仕様が統一しておらず、わかりにくく感じます(Facebook公式クライアントでも、端末によっては連携設定が制限されている)。WP7は、今後よりいっそうソーシャルサービスの窓口と化する携帯電話とコレを完全融合、アドレス帳があらゆる個人情報のハブとなっており、いちいちアプリに戻る必要がない。一度体験すると本当に手放せないものになります。

 以前も書きましたが、電話番号やメアドを人から聞いて入力したり、バックアップして移行したりというのは前時代的と思うんですよね。ソーシャル上の知り合いは、サービスにログインするだけで、あらゆる最新情報が手に入るようになるべきで、それを電話機としてシステムレベルで実現したWP7ってすごく偉いと思うんです(チープな表現でサーセン)。

 iPhone5のタイミングで来るiOS5にもSNS連携がビルトインされてますが、まだTwitterしか案内されていません。Facebookも交渉中らしいですが、当面、連絡先の連携は不可能と思われます。Twitter連携も写真投稿とか、そちらに寄っているようです。そもそも匿名の多いTwitterはアドレス連携あまり意味ないですよね。Androidも含め、ソーシャル連携はトレンドなのでどんどん進化すると思いますが、現時点ではWP7がずば抜けて相性いいことは石川先生も認めるところ。というわけで……。

しばらくコレしか使いません!
WP7_IS12T
↑「最短でもジャイアン鈴木がスマホを機種変するくらいの間は!」と、アックン・オッペンハイマーは述べています。ん? それって、すごく短い気も……。

オマケ

 PC連携ソフト『Zune』にIS12Tを接続すると、画面に現われる端末の画像が問答無用でシトラスになるんです。ちょっと待て俺のはマゼンダだっ! あらゆる出来事を買い物に結びつけるジャイアンさんなら、ここでシトラスを買いに走るわけですが、常に人とは違う解決法を模索している(金がないともいう)私は、画像を差し替え強制変更に成功! ふはははは。保証外なので詳細は書けまへん。やりたい方はTwitterなどで聞いてくだしゃれ。

デフォルトはシトラス
WP7_IS12T
マゼンダに強制変更!
WP7_IS12T
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