シボレー・キャプティバに乗って、クールでファンなアメリカを楽しもう！

 　運転席以外のシートに目を転ずると、キャプティバの特徴が見えてくる。まず、このサイズのSUVで７人乗りは貴重だ。ミニバンならともかく、３列目シートが実用的なのは嬉しいところ。さすがに３列目はレッグルームの余裕が少なく、大人の長時間ドライブには厳しいが、近場へのドライブなら苦にならないだろう。

サードシートに乗り込む際には、セカンドシートがユニークなギミックで折りたたまれる。これはシート横のレバーを操作したところ。

セカンドシートのシートバックが折り込まれる。この位置で止めて、テーブル代わりにすることも可能だ。

勢いを付けてシートバックを倒すと、そのまま座面ごと浮き上がり、サードシートに入れるという仕組み。何回か操作したが、動きはスムーズだった。

 　その３列目シートを倒すと広大な荷室スペースが現われるのだが、シートを倒すのがワンアクションのレバー操作で可能なのは驚いた。なんとヘッドレストもいっしょに格納されるのだ。一部国産車に見られる横方向に畳む方式よりずっと簡単で、しかもタイヤハウス以外の凹凸がないのは実に便利。ロケ撮影の機材など、それなりに大きな荷物を積むときは力を発揮するだろう。

　さらにセカンドシートも分割可倒でき、しかもサードシートと同様にフラットなフロアをつくることができる。これは、後部のシートほど座面が高くなるシアター配置のおかげ。アメ車とは思えない（失礼！）、よく考えられたパッケージだ。

サードシートを倒すとフラットで大きな荷室が出現。ウインドーの下端までで477リットル、天井までだと769リットルの容積を誇る。ロケの衣装や荷物もらくらく収まりそうだ。

 　ちなみにキャプティバのスタイリングは北米GMと、韓国GM（旧GM大宇）との共同開発。韓国車は日本車と同じような使われ方をしていることもあり、日本人好みのパッケージになっているのだと思われるが、いかがだろうか？　なお日本市場に投入されるキャプティバは基本的に韓国での生産となる。いまや品質では日本車に迫る勢いの韓国メーカーゆえ、キャプティバの品質も問題ないと言って間違いないだろう。

セカンドシートも分割式でたたむことが可能。しかも床面がフラットなままなので長尺物でも大丈夫だ。キャビンの全長は2.7メートルあり、IKEAで買い物してもたいていの家具は収まるはず。

 　さて、試乗を経て記者は、正直なところキャプティバがかなり欲しくなった。自動車は道具でもあるが、いまどきのアメ車に乗っているというカッコ良さにも惹かれるのである。気になる価格だが、対抗モデルであろうトヨタ・ヴァンガードや日産・デュアリスなどと比べると、３割ほど高いのが実情。キャプティバの希望小売価格は354万円で、似たようなスペックのライバル車は260万円程度となっている。

　だがサイズで比較した場合、ライバル関係になるトヨタ・ランドクルーザープラドは、キャプティバとほぼ同じ価格帯だ。そう考えると「輸入車は高い」という観念は、さほど当てはまらないと言えなくもない。

GMの電気自動車『VOLT』（左）とツーショット。GMは今後も精力的に新モデルを日本に投入する予定だ。

 　なおGMジャパンでは今週末（8月13日～14日）に千葉のQVCマリンフィールドで開催される『サマーソニック2011』に、キャプティバなどを展示したシボレー・ブースを出展する予定だ。米国のヒットチャートに敏感な世代が、最新のファンなアメ車にどう反応するか、実に興味深い試みとなることだろう。

シボレーといえば、やはりカマロ。映画『トランスフォーマー』にはGMが全面協力しており、このペイントはもちろんバンブルビー仕様だ。

 　シボレー・ブースにはキャプティバとカマロに加え、今年の秋にも発売される予定の小型車『ソニック』も展示予定。ぜひいまどきのアメリカを感じてみてはいかがだろうか？

今年中に日本市場に投入予定の小型車『ソニック』。後部ドアのドアノブがウインドーの後ろ側に付いていたり、丸型で異形４灯のヘッドライトなど、遊び心あふれるデザインが魅力だ。

一見、普通の小型車に見えるが、ドアのプレスラインなど細かいデザインに凝っていることがわかる。リアウインドーには小ぶりなスポイラーも装備。

ソニックのフロントパネル周り。メーター周辺のデザインやハンドルのリムが独特だ。

 シボレー・キャプティバ 基本スペック
全長　4690mm
全幅　 1,850mm
乗車定員　7名
エンジン　直列4気筒DOHC 2,382cc
駆動方式　電子制御AWD
トランスミッション　6速オートマチック
サスペンション（前）　ストラット式
サスペンション（後）　マルチリンク式
ブレーキ（前後）　ベンチレーテッド ディスク（ABS付）
タイヤサイズ　235/50R19

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シボレー・キャプティバ