AMD のメインストリームAPU が登場。高性能GPU を搭載したその実力を、様々な視点から検証してみた。
RADEON6シリーズ内蔵の高性能APU
■CPUに高性能GPU内蔵! 低価格ゲームPCはコレ
『Aシリーズ』は、CPUにGPUを内蔵した“APU”と呼ばれるプロセッサだ。CPU部は従来のPhenomシリーズで搭載してきた『Starsコア』を2ユニット採用しクアッドコアにしている。GPUコアには、定評のあるRADEON6シリーズを内蔵。最上位モデルの『A8-3850』では中堅クラスのグラボと同等の性能をもつ。
価格は1万円台前半と安価ながら3D性能や動画支援の高いPCを安く組めるのが特徴。AMDの新メインストリームとして期待されるAPUなのである。
機能を統合してシンプルに |
CPU、GPU、ノースブリッジを内蔵したAPU。消費電力も抑えられている。 |
■Aシリーズの優れたポイントを紹介!
A75チップセット搭載マイクロATXマザー |
●日本ギガバイト ●実売価格:1万2000円前後 PCIエクスプレス×16スロットを2本装備し、“クロスファイアX"に対応。 |
①1チップ構成でも機能性は抜群
『Aシリーズ』のAPUには、専用のチップセット『A75』と『A55』が用意されており、従来のチップセットは使えない。Aシリーズにおけるチップセットの役割は、『AMD Fusion Controller Hub』というUSBやSATA、オーディオといったインターフェース類のコントローラーとなっている。A75チップセットでは、USB3.0とSATA3機能を内蔵しているのも特徴だ。
Aシリーズのブロック構成 |
GPUを内蔵しているため、PCIエクスプレス×16や内蔵GPUがRADEON 6シリーズのグラボとクHDMIなどはAPUと直結している。 |
実物のAPUの写真 |
上部の緑色の部分がGPUコア、下部のオレンジ色がCPUコア。 |
性能 | GPU性能が高い | RADEON 6シリーズのコアを搭載しており、RADEON HD6570並の性能をもつ。 |
エンコード | ATI Streamで高速変換 | UVD3により、動画のエンコードが高速化。DivXなどの新コーデックにも対応。 |
省電力 | 必要に応じてパワーセーブ | TDPをCPUとGPUでシェアリングして必要に応じて使うため、無駄な電力が少ない。 |
シリーズ | モデル | CPUクロック | コア数 | TDP | ターボコア | RADEON | GPUコア | GPUクロック |
A8 | 3850 | 2.9GHz | 4 | 100W | × | HD6550D | 400 | 600MHz |
A6 | 3650 | 2.6GHz | 4 | 100W | × | HD6530D | 320 | 443MHz |
②クーラーはAMタイプが互換性あり
GPUコアを内蔵しているため、ピーク時で89度とやや高め。とはいえ、TDPが100Wクラスの小型クーラーでも十分に冷却可能だ。
ピーク時 | 89度 |
アイドル時 | 45度 |
※室温25℃前後。ピーク時はRAW現像を30分間連続で行なった後の表面温度を測定。Phenom Ⅱ×4付属のクーラーを使用。
AMシリーズが使える |
クーラーを取り付けるパーツはAMシリーズと同じ。 |
③メモリーはDDR3 1866までサポート
クロックが高いと性能もアップするため、メモリーを“DDR3 1866”にすれば、1600よりも3パーセントほどアップする。
④デュアルグラフィックスで性能アップ
内蔵GPUがRADEON 6シリーズのグラボとクロスファイアできる『デュアルグラフィクス』に対応。グラボ単体の増設よりも性能が高くなる。
RADEON HD6570と6670の価格差は2000円程度なので6670がオススメ。 |
※【共通】マザーボード:ギガバイト『GA-A75M- UD2H』、メモリー:UAMX『Cetus DCDDR3-8GB-1600OC』(4GB×2)、【RADEON HD6670グラボ】MSI『R6670 Twin Frozr SE』、【RADEON HD6570グラボ】ASUS『EAH6570/DI/1GD3(LP)』。
⑤世界初6Gbps SATA3とUSB3.0対応チップセット
『A75チップセット』の内蔵USB3.0はPCIエクスプレス×1接続のインターフェースと比べてデータのコピー速度が高速。買うなら内蔵USB3.0とSATA3搭載の『A75』がオススメ。
A75内蔵USB 3.0 | 20秒 |
USBインターフェース | 24秒 |
■VISIONテクノロジーこれがスゴイ!
『Aシリーズ』は、“DirectX 11"に対応。3Dの描画がDX10に比べて格段に精細になった。また、動画の補正機能も多機能化し、映像の高画質化や手ブレ補正も可能になった。
Direct X11対応 |
左がDirectX 11、右がDirectX10。他社のCPU内蔵GPUでは対応してない、DirectX 11に対応。ゲームの描画品質が向上するなど利点が多い。 |
ノイズを除去してくっきりと |
映像の再生時に、にじみやブロックノイズを判別して自動的に除去。解像感の高いくっきりとしたクリアな映像を楽しめる。 |
ビデオカムの映像を手ブレ補正 |
ビデオカムで補正しきれなかった手ブレ映像に対して、揺れの状態を検出し補正をして、揺れの少ない動画に仕上げる。 |
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