AMD APUはGPUを統合することが最大の特徴。GPU性能など、APUの特性を生かした活用法を紹介!
【活用1】
APUのグラフィック性能は地デジ番組の視聴で十分なパワーを発揮する
■テレビ視聴時にほかの作業を余裕で行なえる
APUは3Dだけでなく2Dのグラフィック性能でも威力を発揮。システムとしてのトータル処理性能が高いため、USB接続のチューナーユニットを利用すれば、モバイルPCで快適に地デジ視聴が楽しめる。
バッファローの『DT-F200/U2W』はワンセグと地デジの視聴、録画が可能。『PH50/C』に接続して地デジを視聴したところ、CPU使用率は50パーセント前後と、視聴に比較的余裕があった。Atom N475(1.83GHz)搭載機は60パーセントの負荷だった。また、PH50/Cのワンセグ視聴時のCPU使用率は15パーセント前後で、テレビを観ながら十分にほかの作業が可能だ。
【使った製品】
『LIFEBOOK PH50/C』+『DT-F200/U2W』
LIFEBOOK PH50/C |
DT-F200/U2W |
●バッファロー 実売価格1万5000円前後 ↑小型軽量の地デジチューナー。ダブルチューナーを搭載し、2番組同時録画が可能。 |
録画した番組を外出先で観る |
↑PCでウェブやメールなどの作業を同時に行ないながら楽々と視聴。 |
ワンセグはロッドアンテナでオーケー |
↑ロッドアンテナを延ばせば安定した受信が可能だ。 |
【活用2】
APUの省電力性を使い倒す! WiFiルーターを使って長時間モバイルする
■屋外でも屋内でも快適に通信できる
APUはプロセッサーとGPUが統合するため消費電力が少なくて済む。そのためAPU搭載モバイルは低価格ながら、十分なバッテリー駆動が行なえる。
また、出先でのネット接続にはイー・モバイルの『Pocket WiFi S』などのWiFiルーターを利用すると便利。YouTubeの480p動画なら余裕で観られる。さらに無線LANなど回線速度が速い環境なら、YouTubeのHD動画も、CPU負荷は20パーセント程度。この状態で実測3時間45分のバッテリー駆動が可能だ。APUなら高画質なネット動画を観るときも再生支援が効くため、動画を再生しながら同時にほかの作業も行なえる。
【使った製品】
『VAIO YB』+『Pocket WiFi S S31HW』
VAIO YB |
Pocket WiFi S S31HW |
●イー・モバイル 実売価格1万9800円(長期契約割引なし) ↑Android 2.2 搭載のポケットWiFiルーター。ワンタッチでオン、オフが可能。 |
YouTube 動画を快適に視聴 |
↑YouTubeでも480p以下なら快適。 |
合わせても軽い! |
↑VAIO YBとS31HWの重量は合計1564グラム。十分に軽い。 |
【バッテリーテスト条件】
電源プランは“バランス”液晶輝度は中に設定。無線LANを有効にしてYouTubeでHD動画を連続再生。
【活用3】
撮影した動画素材をGPGPUテクノロジーを使って高速エンコードする
■エンコード時間が2割以上短縮した
APUの統合GPUは、AMDのGPGPUテクノロジー“AMD APP”をサポート。APP対応ソフトなら、GPGPUによる高速化が期待できる。そこでGPGPU対応のエンコードソフト『MediaConverter 7』を利用して、実際の速さをチェックしてみた。
2分間のフルHDのWMV形式の動画をiPhone4最適な形式に変換する時間は、GPGPU無効時は5分19秒、有効にすると4分3秒。エンコード時間が2割以上短縮した。
ウィンドウズメディアセンターの制限によりテレビ番組の録画からの変換はできないが、いまやデジカメでHD動画を録ることは一般化している。動画でスマホ向けに高速変換して持ち歩けるのは便利だ。
【使ったソフト】
『ESPRIMO EH30/CT』+『MediaConverter 7』
ESPRIMO EH30/CT |
MediaConverter 7 |
●アークソフト 直販価格3300円前後 ↑高性能な動画変換ソフト。AMDやNVIDIAのGPGPUに対応、2Dから3Dへの変換機能も搭載。 |
GPGPUのオン、オフが可能 |
↑『MediaConverter 7』で〝GPUエンコードを使う"にチェックを付けると、GPGPUが有効になる。 |
iPhone 4で再生できる |
↑HDカメラで撮影した動画をMP4形式に高速変換。通勤時などに動画が楽しめる。 |
AMD APUの実力をチェック!!
検証したPC:VAIO YB
VAIO YB |
このモデルと比較:P6100搭載機
CPU | Pentium P6100(2GHz) |
液晶ディスプレー | 15.5インチ(1366×768ドット) |
メモリー | 4GB |
HDD | 320GB |
光学ドライブ | DVD スーパーマルチ |
OS | Windows7 HomePremium(64ビット) |
■ウェブブラウジング
マイクロソフトが公開するIE9 のテストサイト『FishIE Tank』を動作して計測。
レンダリングが非常に高速
最新ブラウザー『IE9』は、次世代HTML 規格のHTML5のサポートとGPGPUによるアクセラレーションの対応がウリ。AMD E-350はこれに対応するが、P6100は非対応。その結果、AMD E-350とP6100で大差がついた。
VAIO YB:23FPS |
P6100搭載機:4FPS |
■グラフィック性能
『3DMark06』ベンチマークで3D描画性能を計測した。
Pentium P6100より3割高速に
AMD E-350 はGPUコアを統合しており、統合GPUとしてはトップクラスの描画性能を誇る。3DMark06のスコアーは、Pentium P6100よりも3割ほど高くなり、軽めのゲームなら十分に遊べる。
■バッテリー駆動
『BBench』によるバッテリーベンチテストを行なった。
重量1.5キロ未満で実測5時間超えを達成
APUは、省電力性能に優れており、消費電力が従来製品に比べると大きく低下している。画面サイズが異なるため一概には言えないが、E-350の駆動時間はP6100搭載機と比べ、1.5倍以上長い。
【バッテリーテスト条件】
電源プランは“バランス”で液晶輝度は中に設定。無線LANを有効にして10秒おきにキー入力、1分おきにウェブサイトを巡回。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります