フェリカネットワークス:おサイフケータイのスマホ対応をアピール、NFCに向けた取り組みも説明
3月8日~11日まで東京ビックサイトで『IC Card World 2011』が開催されました。会場では、FeliCaや近距離無線通信規格のNFCなどの技術を利用した端末、ソリューションが多数ありました。スマートフォンが関係するものを中心に、会場の様子をレポートします。
Googleが『Android 2.3』でNFCに対応したこともあり、NFCへの関心が高まっています。2月にスペイン・バルセロナで開催された『Mobile World Congress 2011』でもNFCはキーワードとなりましたが、このイベントでもNFCの文字があちこちで見られました。モバイルFeliCaを用いる『おサイフケータイ』を推進しているフェリカネットワークス、同社のブースをぐるりと囲んでいたのがAndroidスマートフォンです。おサイフケータイはこれまで、いわゆるガラパゴス携帯電話で利用されてきましたが、今後はスマートフォンでも、というメッセージです。
展示されていたスマートフォンは、『REGZA Phone IS04』、『LYNX 3D SH-03C』など、NTTドコモとKDDIから出ているAndroid端末。現在、スマートフォンに対応しているおサイフケータイアプリには『Edy』、『iD』、『マクドナルド公式アプリ(かざすクーポン)』などがあり、その画面を見ることができました。スマートフォン版のおサイフケータイでは、スマートフォン同士をかざしてURLなどのデータをやりとりできる『Push送信機能』が利用できます。現在、このPush送信機能に対応しているアプリは限られますが、スマートフォン時代になると、おサイフケータイの可能性がさらに広がりそうです。
フェリカネットワークスのブース。Android対応をアピール。
現在、7種類のサービスがスマホに対応済み。今後、電子マネー『Quicpay』などが対応予定です。
チケットレスサービスがある全日空の『ANA旅達』、スマホでも利用できます。
おなじみかざすクーポン。
フェリカネットワークスのブースでは、NFCに向けた取り組みについてパネルで説明がありました。NFCではType A、Type Bの2種類の国際標準規格、それにFeliCaが含まれますが、FeliCaは日本やアジアが中心で、欧州など世界で最も普及しているのはType Aの『MiFare』です。説明してくれたフェリカネットワークスのスタッフは、「NFCは対立するものではなく、共存するもの」と述べ、FeliCaとType A/BをサポートするNFCチップを開発する、NFC対応プラットフォームの提供、グローバル展開の支援、などの計画があると話していました。
NFC対応によりFeliCaがなくなるわけではなく、通信部分のRF(Radio-Frequency)はNFCとして共通化が進むが、コア部分のセキュアエレメント(SE)は当面はFeliCaとしての利用が残る、という考えです。なお、NTTドコモは最終的には、FeliCa機能をUICC(SIM)に入れていく計画を打ち出しています。
FeliCaは日本や香港などアジア中心に使われています。
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