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アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

2011年02月16日 12時00分更新

 日本では便利な携帯電話のおサイフ機能ですが、残念ながら日本固有の技術のため、海外メーカー端末への搭載はあまり進んでいません。特にスマートフォンとなると対応はきびしく、仕方なく日本の携帯電話と海外メーカーのスマホと2台持ち、という人もいるのではないでしょうか? でも、さすがにiPhoneやGalaxy Sがこれだけ売れると、別に本体内蔵じゃなくたってストラップや本体に貼り付けるシールでもいいんじゃないの? ってことからか、『Edyストラップ』やらiPhoneに貼り付ける電子マネーシールが日本で出てきましたね。

上海の自動改札はICカード対応。ケータイもOK
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 海外、特にアジアでは交通機関を中心として、非接触型ICカードサービスが利用できる国が増えています。中国では各都市の地下鉄は、ほぼ非接触型ICカードが利用可能になっているくらい。ということで、切符を買わずに電車に乗ったりコンビニで買い物したり、ってサービスは日本だけじゃなく、世界中で普及が進みつつあります。

韓国、ソウル市民の大半が使っているのがコレ
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 さて、海外では日本のような携帯電話におサイフ機能を内蔵した端末はまだあまり出ていませんが、その代わりストラップやステッカータイプのものは発売されている国が結構あります。たとえば、ソウルでは誰もが携帯電話やスマートフォンに、写真のようなものをぶら下げています。これは韓国版Suicaとも言えるT-Moneyのストラップ版。

購入は簡単。自販機で買える
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 購入方法は簡単で、地下鉄駅構内にあるT-MoneyのICカード自動販売機でストラップタイプを買うだけ。価格は5万ウォンなので、350円程度。もちろん、旅行者でも買うことができます。買ってすぐに携帯電話にぶら下げておけば紛失の恐れもなくなるので、これって結構便利かも。

パッケージに入って出てきます
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

買ったあとは残高が入っていないので、そのままこの自販機でチャージしましょう。自販機にはICカードだけではなく、このストラップや携帯電話をそのまま置けるようにもなっています。すなわち、当初からICカード以外のチャージも考えた設計になっているんですね。なかなか優れているなぁ。

過去にはメモリカードリーダー型なんてものも
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 ちなみに、ソウルでは過去にストラップタイプも様々なものが出ていました。こちらはmicroSDカードリーダーになるもの。正方形の本体を回転させるとUSB端子が出てきます。携帯電話に入れているmicroSDカードをPCで読み込むためにも、普段からストラップとして付けておくと便利ですよね。でも、最近は売っているのを見かけないのが、ちと残念。

香港はキーホルダー型。工夫すればストラップにも
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 一方、世界でもっとも早く交通機関に非接触型ICカードを採用した香港では、様々なタイプの製品が売られています。ICカードの名称はオクトパスカードで、モバイル的に活用できそうなのがキーホルダータイプ。定番デザインのほか、季節によって特別版も出ています。時にはキャラクター系の限定品もあるので、地元ではコレクターも多いとか。

腕時計タイプもあるぞ
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 ほかには腕時計型のものもあって、こちらも定期的に新製品が投入されています。毎日肌身離さず身に着けている腕時計だけに、そこにオクトパスカードを内蔵しちゃうってのはおもしろいアイデアです。

昔は携帯着せ替えカバータイプもあった
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 はるか昔には、携帯電話の着せ替えカバーに内蔵するタイプも出ていました。こちらNokiaの携帯電話用で、どちらもベストセラーとなった端末の専用品。この頃はNokiaの1機種だけで市場シェアの10%あったんじゃないかって時代でして、だからこそ専用カバーでも売れたんですね。ちなみに、台湾の台北ではHTCのスマートフォン用の背面カバー内蔵型タイプも出ています。

シールタイプは台湾、高雄地下鉄
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 好きな携帯電話やスマホをおサイフ化したい、って人は多いはず。そんなわけで、端末の背面に貼り付けるシールタイプのものも出ています。こちらは台湾の南の都市、高雄の地下鉄のもの。貼ったり剥がしたり自由にできるので、端末の買い替え時も移行は簡単で、ただ貼りかえるだけ。説明書によると背面カバーの内側に貼っても利用できるそうなので、汚れや破損が気になる人は外から見えないように中に貼ったほうがいいでしょう。

SIM内蔵でおサイフ対応も増えるかも
アジアの電子マネーはストラップや時計型などなんでもアリ

 ここにきてスマートフォンにもNFCを搭載する話が各メーカーから出てきており、今年は世界中で一気におサイフ携帯型のサービスが加速するかもしれません。一方、韓国や中国ではSIMカードのICチップの余白部分にアンテナを内蔵し、SIMカードを入れるだけで端末をおサイフ化するサービスも始まっています。専用端末ではなくても利用できるのが大きなメリットで、古い端末でも利用可能なのはうれしいところ。

 将来は日本のスマホを海外に持っていっても、そのままおサイフ端末として使えるようになったり、現地のプリペイドSIMカードでキャッシュレスサービスが受けられるようになるんでしょうね。そんな時代が来るまでは、海外旅行に出かけたら現地のストラップ型やシール型の製品を買って、キャッシュレスサービスを楽しみたいものです。


山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局

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