中国製の怪しい携帯電話は様々なものが出てきており、見た目だけじゃなく中身のUIやアイコンまで某有名メーカーの端末にそっくりな製品もたくさん。でも、いずれも結局はただの携帯電話なので、たいしたことはできません。一方、最近流行の中華パッドはちゃんとAndroid OSを搭載したタブレット機で、日本語化したりネットにつないだりと、値段のわりに十分実用的だったりします。
こ、これは本当にAndroidなのかっ? |
てなことで、中華Androidといえばタブレットが盛り上がっているのですが、ようやくちゃんとしたスマートフォンが出てきましたよ。スマートフォンだからSIMカードも当然入ります。もっとも、まだ3Gには非対応。2G=GSMなので海外でしか使えませんが、WiFiを搭載しているのでムフフな使い方も……。
見た目はかなりアレに似ている |
さて、この端末の製品名はH2000。なんか強そうなネーミングですが、メーカー名不詳ってあたりが中華Androidらしいところ。製品の概観はぱっと見て、そう、あの有名な果物の名前の4ってやつにソックリです(笑)。でも、背面にはしっかりとAndroidがアピールされているので、ちゃんと期待できる製品のようです。
SIMカードは当然2枚入る(ただしGSM) |
そして、SIMカードは中国携帯では当然のデュアル、2枚対応です。いまどき、これらの怪しい中国携帯で、SIMカードが1枚対応だなんて時代遅れなんですよ……恐るべし中国。ただ、前述したように3Gには非対応なので、海外のGSMネットワーク下でのみ利用可能。通信速度は携帯回線だとEDGE接続で最大128Kbpsとなります。
起動中の画面、まだ安心してはいかんのだ! |
ではでは、SIMカードを2枚入れてH2000を起動! するとドロイド君が表示されてひと安心、と言いたいところですが、中国携帯を舐めてはいけません。こんな絵は起動アニメに入れればいいだけのこと。この表示が出たからといって、Androidスマホとは限らないのですよ。起動したらただの携帯電話だった、なんてことは筆者も過去に何回も経験がありますから。
ちゃんとAndroidスマホだったー! |
起動すると、どうやらちゃんとAndroidっぽいです。メニュー構成はもちろんのこと、Androidマーケットへ接続するとGoogleのアカウントが求められます。そして、アプリもダウンロード可能。GmailアプリもGoogleマップも動きますし、こりゃスマホとして常用できちゃいそうですよ。重量も80グラムと軽く、本家(笑)よりも手軽に扱えそうです。
日本語ももちろん入力できるぞ |
さっそくsimejiを入れましたが、日本語入力は問題ありません。フォントは中華フォントですが、こんな怪しい端末がちゃんとAndroidで日本語使えるってうれしさで、もうフォントがどうしたなんて、どうでもよくなっちゃいます。まぁ、Androidなんだから細かいカスタマイズは、あとからいくらでもできますしね。
ウェブもいけちゃう |
当然のことながら、ブラウザーで日本語のページも問題なく見れちゃいます。2G接続では遅いものの、WiFiならばそれなりにストレスなくアクセスできそう。画面の拡大縮小はタッチパネルの反応が若干鈍いですが、指先だけのワンタッチでOK。ひと昔前の大手メーカーのAndroid端末とくらべると、こっちのほうがいいかも、と思えちゃうかも。
なんとOSは2.2 |
さすがに今の時代に出てきた製品だから、OSは1.6じゃなく2.1くらいだろうと思ったら、なんと2.2だったとは! Flashも対応、テザリングもできてしまう。うーむ、これはかなりヤバイ製品に思えてきた……。
アナログテレビも載ってます |
さらに、アナログテレビも搭載。本体下部から収納式のロッドアンテナが伸びます。室内ではアンテナ感度が悪くて画質はイマイチ、太陽光下での液晶表示もあまり期待できませんが、お金を払わずにテレビが見られるってのはいいものですね。放送中のテレビの録画、画面のキャプチャーにも対応していますが、これも中国携帯では結構、標準的な機能です。なお、PAL/NTSC対応らしく、日本のテレビも見ることができるそうなんですが、どうなんでしょう? 今度日本に持っていって、試してみたいと思います。
側面の一番上はカメラボタン |
ネット上でH2000で検索すると中国の販売店に情報があり、CPUは416MHz、メモリーは256MBと、やはりスペックは高くはありません。また、テザリングしようにも2G接続ですから、速度も期待できないでしょう。一方、カメラは画質が悪いながらもUXGA(1600×1200ピクセル、192万画素)、タッチパネル画面も静電方式のようで感度はそこそこと、サブマシンとして使うなら十分かもしれません。
おまけ。気になる方へサイズの比較 |
ちなみに、本体サイズは116×59.6×10.3ミリ。サイズが気になる方へ、某社の端末と並べてみました。若干厚みがありますが、見た目の差はあまりないですね。コネクターもどうやら同じらしくて、2つのOSの端末を持ち運びたい人にも向いているかも。
欲を言えば3Gへの対応を期待したいのですが、来年の今頃にはそんな製品が恐らく出てくるんじゃないでしょうか? H2000の完成度の高さを見ると、これから続々と出てくるだろう中華Androidスマホには、大きく期待できそうな気がします。
山根康宏さんのオフィシャルサイト
香港携帯情報局
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