4月12日夕方、ライブドアとNHN Japanによる共同会見が開催されました。NHN Japanがライブドアの買収に要した金額は63億円とのこと。
買収した側のNHN Japanは、韓国大手Webサービス事業者NHN社の日本法人。2000年にゲームサイト『ハンゲーム』で日本上陸を果たしました。2009年には、一度撤退した検索サービス『NAVER』を再上陸させ注目を集めたのも記憶に新しいところです。読者のみなさんにはNAVERまとめやNドライブのほうが有名かもしれませんね。
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NHN Japan代表取締役社長森川亮氏(左)、ライブドア代表取締役社長出澤剛氏(右)。 |
今回の買収で、ゲームのハンゲーム、ポータル&ブログのライブドア、検索のNAVERと3つのブランドを展開するかたちになるNHN Japan。さらにサービス群の横串という位置づけになりそうなライブドアのデータセンター事業。それぞれ直接競合するサービスではないため、相互補完しつつシナジーを狙うとしています。
買収は事業目的のため、経営、サービス、ブランドといったライブドアの独自性は維持する方針とのこと。また、ユーザー向けに3ブランドに別れるNHN Japanグループ各サービスのアカウント統合は検討していないとのコメントがありました。
そもそも、今回の会見はユーザーや取引先へのアナウンスが主目的だった模様で、具体的な展望や新サービスへの言及はありませんでした。詳しいことはこれから追々両社でつめていく……といったところなのでしょう。ユーザーのみなさんに今すぐ何か影響があるわけではなさそうです。
さて、NHN Japanの2大ウェブサービスとなるライブドアとNAVERの規模感をざっくり比較してみます。報道資料掲載の数字はライブドアはコムスコア、NAVERはネットレイティングスのものだったため、同じ指標で比較するためGoogle Ad Plannerのデータを参照してみます。
ライブドア(livedoor.com,ユニークユーザー:1600万/月)
NAVER(naver.jp,ユニークユーザー:290万/月)
一般にはそれほど知られていないのですが、事件後のライブドアは日本を代表するメガサイトとして着実に成長を重ねています。特にメディア事業のスピーディーな展開でWeb業界の注目を集めており、アゴラやTechWaveに代表されるライブドア発のブログメディアや、2ちゃんねるまとめ系ブログの積極的な誘致に「おや!?」と思った方もいるのでは。
一方で、サービスインから1年のNAVERのユーザー数はライブドアの2割程度。徹底したローカライズ戦略とソーシャルメディアを活用したPR展開で、コアなファン層を獲得しつつあるとはいえ、認知はこれからというのが実状です。
「意味のある3位を目指す」という検索サービスNAVERにとって、1000万規模のユーザーを要するライブドアはシェア拡大への大きな武器となるでしょう。両社の出会いによってどんなシナジーが生み出されるのか、見守りたいと思います。
ダイナミックなNAVERの動きを横に、先日日本向けにロゴ変更をアナウンスした暫定3位の(※)バイドゥは、どのように立ち向かっていくのでしょうか。こちらも気になるところです。
(※2010年4月15日追記:暫定3位はBingです。関係者の方々ならびに読者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫びし訂正いたします。また、Google trendsでは2010年初頭にNAVERはバイドゥを超えるユーザー数となっています。Google trendsでBing、バイドゥ、NAVERを比較)
年始に「2010年は検索サービス新時代」と題したコラムを執筆しましたが、今年はますます面白くなりそうですね。
Google、ヤフー、バイドゥ、ネイバー、Bing、群雄割拠を制するのは誰か!? 2010年は検索サービス新時代!
それではまた。
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