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5G時代に気を吐くクアルコム、5G対応PCや自動運転車向けSnapdragonを発表

2020年01月07日 15時45分更新

「自動運転車のためのSnapdragon」を発表

2000年代に入ってから、クアルコムがコネクテッドカー向けの技術を長らく積み重ねてきた実績をアモン氏が強くアピールした

 2020年のCESにもコネクテッドカーを手がける自動車メーカーや、関連するアクセサリー、サービスを展開する事業社が数多く出展している。ソニーも次世代モビリティに関わる同社の技術とノウハウを集約したコンセプト「Vision-S」を発表し、クアルコムも開発の一部に関わるであろうコンセプトカーをプレスカンファレンスのステージで披露した。

 コネクテッドカーの普及に向けたソリューションの強化戦略についてはクアルコムのアモン社長からもいくつかの重要な骨子が壇上で語られた。その内容は同社の本気度がいよいよヒートアップしてきたことを感じさせるものだった。

 ひとつは自動運転などのADAS(先進運転支援システム)に関連する技術の実現を支えるために立ち上げた「Qualcomm Snapdragon Ride Platform」だ。

自動運転車に関連する技術を支える「Qualcomm Snapdragon Ride Platform」が発表された。レベル1からレベル4+まで幅広いシステムに組み込めるのが特徴だ

 プラットフォームは中核を担うSoCのSnapdragon Ride Safety SoCのほか、Snapdragon Ride Safety Accelerator、Snapdragon Ride Autonomous Stackによるシステム構成としている。

 この最新プラットフォームの大きな特長は、現状実現に向けて一般的な段階分けが設けられている自動運転技術の「レベル1/2(運転支援)」から、最終形に近い“完全自動運転”に到達する「レベル4+」までに至るスケーラビリティを持っていることだ。アモン氏はさらに「クアルコムの技術は競合が手がけるコネクテッドカー向けSoCと比べてほぼ倍の駆動効率を実現した」と壇上で力強くコメントした。

 2000年代以降、クアルコムは15年以上に渡ってコネクテッドカー向けのソリューションを開発し、自動車メーカーを中心に提供してきた。アモン氏は「クアルコムのコンポーネントを実装するコネクテッドカーが既に世界で1億台以上も走っている」と実績をアピールした。

新たなプラットフォームはセルラーV2Xやデジタルコクピットシステムの開発も支えるものになるとした

 新しいSnapdragon Ride Platformは自動運転に限らず、セルラーV2Xの無線技術からデジタルコックピット、クラウドを介した様々なサービスの提供を可能にする柔軟性にも富む技術としてステージで紹介された。

 今後は自動車メーカーとティアワンパートナーとの事業開発に向けて2020年後半から提供が始まる。クアルコムの“Snapdragonを乗せたクルマ”が世界の街を走り始めるタイミングは2023年頃が想定されている。

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