週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

全コア5.2GHz設定のOCテストも敢行

【詳報】Core i9-9900KSの性能をRyzen 7 3800Xや3900Xと比較

2019年10月31日 14時45分更新

OCテストは全コア5.2GHz設定で時間切れ

 最後に簡単ながらオーバークロック(以下、OC)にも挑戦してみた。Core i9-9900Kだとお手軽OCは全コア5.1~5.2GHz設定あたりで限界が来るが、今回の時間的・物理的な制約下では、9900KSでも52倍設定の全コア5.2GHzが限界だった。全コア5.3GHz設定でも起動はするが、少し負荷をかけるとBSOD。コア電圧を1.45V以上盛っても高負荷で落ちるなどの限界が見られた。細かく設定していけば、もう少し上を狙えそうな気もするが、そこは時間の都合上試せなかったことをお詫びする。

全コア5.2GHz設定はすんなり起動し、CINEBENCH R20もまわった

 というわけで、定格のCore i9-9900KSと全コア5.2GHz動作のCore i9-9900KSの性能差をCINEBENCH R20で比較したのが下のグラフである。

OC前後のCINEBENCH R20スコアー。全コア5.2GHz設定は定格に対して、マルチスレッドで約3%増、シングルスレッドで約5.5%増という結果になった

 全コア5.2GHzまでOCすればシングルスレッド性能が536ptsと、Ryzen 9 3900X(524pts)やRyzen 7 3800X(518pts)を上回ることができた。しかし、マルチスレッド性能は3%程度しか伸びず、全コア5GHz動作が可能な優良個体ではあるが、そこからさらに伸ばすのは、さらなるOCのノウハウが必要になるだろう。

まとめ:なりふり構わず力を絞り出してきたが、輝ける時間はあまりにも短い

 以上で簡単ではあるがCore i9-9900KSのテストは終わりだ。まずIntel製のCPUが好きで、最速のものが欲しいと考えているなら「買い」だろう。特にゲームにおける性能は現役では間違いなく最強である。また、Core i9-9900KSは色々な意味で歴史に残る製品となるだろう。

 だが、現在の市場価格を鑑みてコストパフォーマンスを求めるなら、Core i9-9900K(実売価格 5万8500円前後)やRyzen 7 3800X(実売価格 5万1700円前後)のほうが確かな選択肢と言える。全コア5GHz動作は魅力的ではあるが、超高負荷を長時間継続するシーンにおいて、Core i9-9900KSのパフォーマンスをフルに引き出すためには、冷却システムも含めて相当な準備が必要になるからだ。

 我こそはCore i9-9900KSの真の使い手であると自負するなら、挑戦してみてはどうだろうか。筆者は素直にバランスと使い勝手の良いCore i9-9900Kをオススメするが……。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事