第268回
NVIDIAのLow Latency Modeをハイスピード撮影で分析
SFVと鉄拳7でGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証
2019年10月27日 20時15分更新
格ゲーの王「ストリートファイターV」での効果は?
ではSFVこと「ストリートファイターV アーケードエディション」(以下、SFV)におけるNULLの効果をチェックしよう。解像度は液晶に合わせフルHDとし、画質は“最高”に設定した。まずはこの状態でのフレームレートを計測する。トレーニングステージでの2分間のフレームレートを「CapFrameX」で記録。
これを見ると、どの条件でも平均60fpsに張り付いている。同タイトルがそのジャンルの性質上、家庭用ゲーム機とまったく同じ環境を目指して作り込んでいることがよくうかがえる結果になった。
それではインプットラグの検証だ。トレーニングステージでリュウを選択し、R1に割り当てた小パンチをひたすら繰り出した時のインプットラグを計測する。計測ポイントは、LEDが点灯した瞬間から、小パンチを放つ際にリュウが赤くなる瞬間(攻撃判定が発生する瞬間)とした。その瞬間がフレームとフレームの間にまたがってしまうような状況では、基準を決めて、ほぼ同じ基準で判定できるようにしている。
以下の散布図はSFVで観測されたインプットラグの散らばり方を散布図としたものだ。横軸が試行回数で、左端が1回目、右端が100回目の計測値だったことを示している。
各条件100回ずつのサンプリングでは、ボタンを押下してから反応するまでの時間は最短81.25ms(39/480フレーム)、最長104.17ms(50/480フレーム)であり、どの設定を選択しても最小と平均の振れ幅はまったく変わらなかった。平均値で最もラグが短かったのはデフォルト状態(91.19ms)だったが、最も遅延の長かったNULL“On”(93.38ms)との差は極めて小さい(0.002秒、1/480フレームの差)。
この結果からもわかる通り、どの条件でもほぼ均等に散らばっているように見える。デフォルトとV-Syncオンの時のみが最短ラグ81.25msを出せているが、100回中1~2回と、頻度としては極めて低い。
では、普通に各条件におけるインプットラグの最小・平均・最大値を求めてみよう。
ざっと見る限り、どの条件でも最低値と最大値に大きな差はない。平均値はデフォルト時が最も小さく(=ラグが短い)、NULL“On”時が最も大きい(=ラグが長い)と出ているが、その差もごくわずかである。
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