週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

NVIDIAのLow Latency Modeをハイスピード撮影で分析

SFVと鉄拳7でGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証

2019年10月27日 20時15分更新

 ゲームにおける“ラグ”は、様々な要素が複合したもので、簡単に分離できるものではない。オンライン対戦におけるネットワークのラグから、ゲームのプログラムやコントローラーの出来によるラグ、あるいは人間の加齢や体調によるラグもこれに含まれるだろう。

 だが今回取り上げるのは、ハードウェアやドライバーの出来によるラグの話だ。AMDはRadeon RX 5700シリーズを発表する際、Radeonのドライバーにはゲームの入力から、それが実際に画面表示に反映されるまでの時間、即ち「インプットラグ」(End to Endラグとも呼ぶ)を低減する「Radeon Anti-Lag」を実装すると発表した。

AMDが発表した「Radeon Anti-Lag」は、ドライバーの工夫でラグを低減するという新しい試みだった

 これに対してNVIDIAは、即座に「GeForceの場合“レンダリング前最大フレーム数1”設定で同様のことができる」と反論。だが、Radeon Anti-LagのアプローチはCPUのプリレンダを抑制するのではなく、GPUがレンダリングするタイミングに合わせ、CPUのレンダリングタイミングを調整する、というものだった。NVIDIAはこの段階では返り討ちにあった格好だ。

 しかし、8月のドライバー(GeForce 436.02)で、Radeon Anti-Lagとまったく同じアプローチの機能「NVIDIA Ultra Low Latency」、略して“NULL”を実装してきた。DirectX 11または9で利用でき、GeForce 436.02以降のドライバーが対応するすべてのGeForceで有効になる。

 Radeon Anti-LagではDirectX 9はRX 5700シリーズのみであるため、NULLのほうが若干対応範囲が広いが、DirectX 12ではドライバー側でCPUの処理タイミングを調整できないため、効かないという点においては共通している。

NVIDIAはGeForce 436.02でRadeon Anti-Lag相当の機能であるUltra Low Latencyモードを実装した

 このNULLの効果はどの程度なのかを検証するのが今回の目的だが、まずはラグに特に厳しい目が向けられる格ゲー(格闘ゲーム)でテストする(FPS系は次回)。NVIDIAのNULLは格ゲーマーにとって恩恵となるのか否かを検証したい。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事