PCやスマホを使って、英語学習を時短にする便利なサービスやツールなどを紹介する連載。今回は、類義語を検索できる「Thesaurus.com」を紹介します。
メールなどライティングにおいて同じ語の繰り返しを避けるために類語を探す際、違和感を生まない語や表現を選べる可能性が高くなる(念のため例文もいくつか読んで使われ方を確認しておくことも大切)。
単語学習も効率的になる
単語帳で勉強していると、なかなか定着しない単語や表現が出てくることがある。その時の対策のひとつとして使えるのが類義語や対義語(特に自分がすでに知っているもの)を一緒にメモしておくと覚えやすくなる。
言語を話す上で重要な要素のひとつが単語力だ。単語が分からなければ何も始まらない。英語でいえば、辞書に載っている単語は、例えばOxford American Dictionaryで18万語程度とされている。「日常的に使われているのは3,000語程度」とも言われており、それだけ単語を知っていれば、日常会話であまり困ることはなくなるだろう。
自分が話すときには、ある程度単語が限られていても意思疎通は可能だが、相手の言葉を理解したいときには、一般的な用語の言い換えをしている場合や敬語表現をしている場合などがあって、ある単語に似た意味を持つ単語の知識が必要になってくることも多い。
もちろん、自分が話すときにも、失礼な単語の使い方をしてしまう場合もあるわけで、シーンに応じて類似した言葉に言い換えなければならないこともある。仕事などの堅いメールとフランクなSNSで単語の使い分けをするのも普通のことだろう。
そうしたときに役に立つのが類義語を検索できるサービスだ。今回紹介する「Thesaurus.com」は、オンライン辞書サービスの「Dictionary.com」によるサービスで、ある単語の類義語を検索することができる。
使い方は簡単。Thesaurus.comのサイトにアクセスして検索窓に検索したい単語を入力して検索ボタンを押すだけ。検索結果は一覧で表示されて単語が並ぶ。それぞれの単語は関連度の高い順に濃いオレンジ色で表示されるので、その中から関連度の高いものを選ぶといいだろう。
英語は、同じ単語でも全く意味が異なる単語も多い。例えば「book」は、Dictionary.comで検索すると名詞と動詞で合わせて30個の意味がある。全ての意味に対してではないが、おのおのの異なる意味に対して類義語があるため、単に一覧表示だけでは混乱してしまう。
そのためThesaurus.comでは、それぞれの意味に対しての類義語をタブで切り替えて表示できるようにしている。先ほどの「book」であれば、出版物の「本」の類義語や「予約」の類義語が表示されるようになっている。
さらに、その単語を使った例文も表示されるので、類義語を当てはめて意味が通じるかどうかを確かめてもいいだろう。その下には、関連する単語がローマ字順に表示され、それぞれの類義語がさらに表示される。これを使うと「book」から「fare」に進み、さらに「charge」までたどり着くこともできる。
Dictionary.comが提供するため、英英辞典ながら単語の意味を詳細に調べられるのもメリット。検索語は「SEE DEFINITION OF〜」というリンクが生成されてDictionary.comで意味を調べられる。単語によっては対義語の一覧も生成されるので、そうした調べ方も可能だ。
英語の学習では語彙力は重要で、頻繁に使われる単語ではなく、それに関連する語句を覚えていくと幅が広がる。ひとつの単語から類義語や対義語と広げていくと関連性があるため覚えやすく、学習も捗るだろう。Thesaurus.comはオンライン辞書サービスなので単語数も多く、幅広い単語を学習できる手助けになるサービスだ。
協力:長束 啓樹(ENGLISH COMPANY)
大学在学中は、外国語学部で英語学・英文学・音声学などを学び、米ケンタッキー州でTESOL(英語教授法)について学ぶ。帰国後は、教育業界で英語指導に携わり実務経験を積んだ。各種SNSを駆使し英語学習に便利なWebサービス等について調べ、実際に使っては周りに紹介している。
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