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便利なサービスを使って時間短縮で英語を身につけよう

英語版Wikipediaをシンプルな英語で分かりやすく読める「Simple English Wikipedia 」

2020年08月29日 11時00分更新

 PCやスマホを使って、英語学習を時短にする便利なサービスやツールなどを紹介する連載。今回は、オンライン百科事典を分かりやすい英語で読める「Simple English Wikipedia」をご紹介します。

見た目は通常のWikipediaだが、シンプルな英語で記述されたSimple English Wikipedia

 Wikipediaは、言わずとしれたオンライン百科事典。ボランティアによる集合知で多彩な項目の説明が記述されており、特に英語版は項目数が多く、614万項目以上が記載されている。

 あらゆるジャンルをカバーしているWikipediaだが、事典なので難解な言葉や言い回しで説明されているものもあり、英語学習者にとって敷居の高い項目もある。集合知のインターネットサービスのため、英語の文章として必ずしもこなれているものばかりでもない。

こちらは本家の英語版Wikipedia。一文が非常に長いことも多く、やや分かりにくい文章もある

 そうした中から、平易な英語で記述されたのが今回のSimple English Wikipediaだ。対象となるのは学生や子供、そして英語学習者もターゲットになっている。元のWikipediaの項目をそのまま選んでいるだけでなく、多くはより短く書き直されたもの。例えば技術的な用語はシンプルに説明しづらいが、それを平易な文章になおしているため、難しい単語も理解しやすくなっているとしている。

Simple English Wikipediaの説明。第二外国語として英語を学ぶ人もターゲットになっている

 Simple English Wikipediaでは、基本的にはチャールズ・ケイ・オグデンが選んだベーシック英語の基礎英単語が850語、国際的に使われる名詞179語、経済用語など1293語、215の複合語など2626単語を使って記述されているという。もちろん、簡単には説明できない概念などもあって、必ずしもその単語だけで表現しなければならない、というわけではないが、全体的に平易で短い文章で構成されているようだ。項目数は、現在17万以上。

 基礎的な単語で記述されているため、単語自体は全て暗記するぐらいの気持ちで読んでいくといい。文法もそれほど難しくなく、通常のWikipediaのページに比べると読みやすく、本家の英語版Wikipediaよりも内容自体も短い。

例えば「スマートフォン」の項目。こちらはSimple English Wikipedia

こちらは本家英語版Wikipedia。とにかくこちらは長くて文章が多い

 あくまで百科事典なので、英語学習用に何らかの機能があるわけではない。ただ、ブラウザの拡張機能などで分からない単語があれば調べて読み進めていけば、それが学習になる。特に、興味のない分野をわざわざ学習のために調べると言うより、興味のある内容を検索して、それを英語で読んで慣れることに使うとよさそうだ。普段の用途でWikipediaを検索する際に、ちょっと一手間を加えてSimple English Wikipediaを活用する、というのもいいかもしれない。

Simple English Wikipediaで使われる2626語の内訳

 Wikipediaなので、各項目に各国語版へのリンクもあり、項目によっては日本語版の内容も見られる。基本的にWikipediaの各項目は翻訳しているわけではないので、文章としては異なるし、日本語版はシンプル版ではないが、慣れないうちはだいたいの内容を日本語版で把握してから、英語版をチェックしてみてもいいだろう。

 Simple English Wikipediaは、これ単体で英語学習として完結するわけではないが、英語学習のルーチーンの一つとして加えるやり方もある。単語帳で覚えるよりも覚えやすく、内容に興味があればなおさら覚えやすい。難しい言い回しを平易に表現しているため、英語上級者であっても表現の参考になるだろう。慣れてきたら、本体のWikipediaを読んで、さらに内容を深めることができる。英語学習に加えて知識欲も満たせるので、楽しんで学べるコンテンツだ。

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