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高速ディープラーニング推論処理をエッジで実現し、クラウドと連携

OKI、5G環境を見据えたAIエッジコンピューター「AE2100」販売開始

2019年10月11日 08時00分更新

AIエッジコンピューター「AE2100」

 沖電気工業は10月3日、高速ディープラーニング推論処理をエッジで実現する、耐環境性に優れたAIエッジコンピューター「AE2100」を発売開始した。提供開始は11月30日。市場想定価格は19万8000円から。

 インテルが提供するオープンなディープラーニング推論実行環境である「OpenVINO ツールキット」を搭載。さまざまなAIフレームワークで、ユーザーが作成した学習モデルを活用して推論実行ができる。

 また、カメラや各種センサーからの多量なデータを高速で処理可能なAIアクセラレーター「インテル Movidius Myriad X VPU」を2チップ搭載可能で、高速なディープラーニング推論処理を実現するという。

 さらに、各種センサーを収容する豊富なインターフェースや多様な通信方式に対応しているほか、クラウドとの連携機能としてマイクロソフトのMicrosoft Azure IoT Edge認定を取得しており、クラウドで作成されたAIモデルのエッジへの展開・利用が可能。IoT活用現場でニーズが高まっている「Intelligent Edge, Intelligent Cloud」のシナリオが実現できるとしている。

AE2100の対応インターフェース

AE2100活用イメージ

 AE2100は、5G環境下における通信やデバイスの進化に合わせた、リアルタイムなデータ活用の需要に合わせたものとなる。AIにおける学習モデル処理はクラウドで実施し、エッジでは学習モデルを利用した推論処理を実行することで、その結果をクラウドにフィードバックするといった連携を見据えている。

 交通や建設インフラ、防災、海洋、製造、金融・流通といった同社注力領域でのユースケースや実装を狙いとしており、具体的には、車両認識、インフラのモニタリング、土砂崩れなどの防災検知・予測などを想定している。

 また同社は、課題解決とデジタル変革のニーズに応えるべく、パートナー企業とのエコシステムとして、「AIエッジパートナーシップ」を推進していくと発表。リープマインド、グリッド、アラヤ、ホロアイズなど、電力や医療、製造業などでサービスやソリューションを展開し、個別領域での強みをもつAIスタートアップも参画している。

 パートナーシップでは、パートナー企業と協力してAE2100を中核としたAIエッジコンピューティングの活用領域をさらに広げ、さまざまなソリューション創出に向けた活動を進めることにより、高度IoT化社会の実現を目指すという。

沖電気工業 代表取締役社長 執行役員 鎌上信也氏

 発表会には、代表取締役社長 執行役員 鎌上信也氏が登壇。「端末だけの売り上げではなく、インフラの課題を解決し、300億円の市場を獲得することを目指す」と語った。

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