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Netflixはなぜファンに支持されるドラマを打ち切ったのか

2019年11月02日 16時00分更新

Netflixはここ1年で3割のドラマを打ち切った

 では、Netflixは具体的に何%のオリジナルドラマを継続し、何%の作品を打ち切っているのか。おおまかな数字を教えてくれた。

 2018年からの1年間で、7割の作品シーズンを継続しました。事実として、Netflixが配信する作品数が全体的に増えていることもあり、打ち切りに関する情報も目立つようになってきたのかもしれません。

 日本のSNSでは、Netflixにおけるオリジナルドラマの打ち切りについて「悲しい」「許せない」といったネガティブな書き込みも見受けられる。「3割しか打ち切っていない」なのか、「3割も打ち切っている」なのか。ユーザーによって、それぞれ見方が変わりそうだ。

視聴者数を参照する期間は一律ではない

 最後に、シーズンの継続や打ち切りの判断にあたって、Netflixはどれぐらいの期間での視聴者数を重視しているのか聞いてみた。

 参考にする視聴者数は、1週間、1ヵ月間など期間はさまざまです。

 Netflixのコンテンツ最高責任者テッド・サランドス氏は以前、同社はユーザーが配信開始から数日以内に全エピソードを視聴したかどうかは気にしておらず、「配信開始日から4週間以内に全エピソードを観た人数」や「新しく加入したユーザーが最初に視聴した番組」などを重視していると説明していた(『Vulture「The Netflix Binge Factory」』)。

 一方で、Netflixのオリジナル作品のバイスプレジデントを務めるシンディ・ホランド氏は、人種やセクシャリティーなどに言及しながら、キューバ系の家族を描いたシットコム『ワンデイ -家族のうた-』は大成功とは言えないものの、ラテン系、LGBT、女性など5つまたは6つの視聴者層が視聴しているため、作品に価値を見出したと語っている(同)。

 「多様性」を強みとするNetflixだけあって、おそらく視聴期間においても必ずしも評価軸は一律とは言えず、「配信開始日から4週間以内に全エピソードを観た人数」を重視しつつも、さまざまな期間にも目を向けていると推測される。

 なお、以下に質問と回答全文を記載する。


以下、質問と回答全文

 シーズンの打ち切りや継続をどのように決めていますか?

 シーズンの継続や打ち切りに関しては、作品の視聴オーディエンスの大きさと制作コストをもとに評価しています。基準を一概には言えませんが、現状、ひとつひとつの作品の状況をみてシーズン継続の是非を検討しています。

 比較的小さなオーディエンスに届いた作品でも、制作コストが抑えられているケースにはシーズンを継続する価値があると判断するかもしれませんし、一方で、世界的に大人気の作品であったとしても、制作コストが非常に高い場合には、継続を慎重に検討します。

 このように、ひとつひとつの作品の継続を検討することは、次なる人気作を制作・配信する機会を生み出すにあたって大切なプロセスだと考えています。これは従来、業界で一般的とされた考え方ではないかもしれません。Netflixでは、今後もコンテンツを生み出すひとつのプロダクションとして、新しい考え方に挑戦してまいります。

 なお、2018年からの1年間で、7割の作品シーズンを継続しました。事実として、Netflixが配信する作品数が全体的に増えていることもあり、打ち切りに関する情報も目立つようになってきたのかもしれません。

 ──シーズンの打ち切りや継続の判断にあたって、どれぐらいの期間における視聴者数を重視しているのでしょうか?

 参考にする視聴者数は、1週間、1ヵ月間など期間はさまざまです。


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