すでに確立されたサイバーパンクというジャンルに爪痕を残したい
「サイバーパンク2077」開発スタッフインタビュー、自分だけの物語を追いかけることができる
9月12日から4日間開催された東京ゲームショウ2019(以下、TGS2019)。その中でも、CD PROJEKT REDが手がける「サイバーパンク2077」のブースが話題になった。タイトル単独出展となった大型ブースでは、完全クローズドの特設シアターで実機デモプレーを上映したほか、作中に登場するバイク「YAIBA KUSANAGI」の実物大モデルを展示。さらに、本作に出演するハリウッドスターのキアヌ・リーブスさん直筆のサインを拝むこともできた。
今回、筆者はCD PROJEKT REDのレベルデザイナーであるマックス・ピアース氏と、同社ジャパン・カントリー・マネージャーの本間 覚氏にインタビューを敢行。サイバーパンク2077の魅力を聞くことができたので、その模様を紹介しよう。
テーブルトークRPGとの出会いが、サイバーパンク2077につながった
――CD PROJEKT REDは、これまで「ウィッチャー」シリーズのようなファンタジー作品を多く手がけてきましたが、今回、SFに挑戦してみようと思ったのはなぜでしょうか?
マックス・ピアース氏(以下、ピアース氏):我々はウィッチャーシリーズを開発し、ファンタジーに対する経験値を貯めてきましたが、全く違うジャンルに挑戦してみたいという思いが強くありました。スタジオ内には、テーブルトークRPGの「サイバーパンク2.0.2.0」が好きなスタッフが多くいたため、これを機にSFよりの作品にチャレンジしてみようという流れになったのです。それがサイバーパンク2077というプロジェクトの始まりでした。
――元々はテーブルトークRPGが原作だったんですね。
本間 覚氏(以下、本間氏):そうですね。弊社の方でサイバーパンク2.0.2.0の原作権を買い取り、それをベースに開発しているといった感じです。
――実機デモプレーを拝見しましたが、映像からサイバーパンクの雰囲気が伝わってきて思わず鳥肌が立ちました。サイバーパンクな世界観を創造する際、最もこだわった要素はありますか?
ピアース氏:本作を制作する際、すでに確立されたサイバーパンクというジャンルに爪痕を残したいと思っていました。その一例として、「昼のサイバーパンク」が挙げられます。サイバーパンク2077では時間が経過し、昼夜が自動的に切り替わる機能を採用しています。「ブレードランナー」に代表されるようなサイバーパンク作品は夜のイメージが強いですが、本作の舞台である「ナイトシティ」で昼の側面も描かれるわけです。昼の世界にフォーカスを当てたサイバーパンク作品は、あまり多くないといえるのではないでしょうか。
もうひとつの特徴は「インターネット」です。従来のサイバーパンク作品では、世界中どこでもインターネットにアクセスできるような世界が描かれていますが、サイバーパンク2077の世界では、インターネットは隔離されて人々が簡単にアクセスできない場所に追いやられ、代わりに「サブネット」と呼ばれる、小さなコミュニティーが運営する独立型のネットが多く存在します。その要素は、単一の巨大なネットがあるといったような、昨今のサイバーパンク作品と大きく異なる点ではないかと思われます。
――サイバーパンク2077では、どういったコミュニティーが登場するのでしょうか?
ピアース氏:本作には、「メイルストローム」という身体強化を得意とする粗暴なギャングや、「ヴードゥー・ボーイズ」という優れた技術を持つ知能が高いギャングなど、さまざまな特性を持つ勢力を多数用意しています。
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