意外と脂身が多くて食べ飽きるおそれアリ
自分なりの攻略法を見つけたい
実食した感想はどうかと聞かれると少しばかり困ります。「量が多い」以外は特筆すべきことがあまりない。牛めしの上の部分が3倍になっているので「うおー、肉の量がすごい!」とは言えますが、それが我々の“求めている”ボリュームかといわれると若干の疑問が出てきます。
焼肉やステーキなどが大盛りだとかなり嬉しいですが、意外と牛めしに使われている牛肉は脂身部分が多いため、それだけをワシワシと口に運び続けると食べ飽きるおそれがある。「やはり白米と合わせるように最適化されているのだな」という理解もまた生まれます。
そうなると、ごはんにのせて食べるのはまったく正解といえますが、白米に対して牛肉が多すぎるので、ある程度のペース配分というか「節度」のようなものも必要になる。
味としては牛めしの上の部分としか言いようがないので「牛めしのアタマ部分がたくさん食べられる」と考えてもよいですが、「930円でアタマの超大盛り+生野菜か」と考えるとややテンションが下がる人もいるでしょう。もちろん「牛皿」を好む人もいるので食べ方が悪いと言いたいわけではなく、あくまで味のところでサプライズはないですよ、ということを伝えたいわけです。
もっとも、お肉どっさりグルメセットを注文すればライス大盛か特盛が無料サービスとなるので、特盛にすれば牛肉部分は2.4倍にしてライスは特盛、かなりどっさりな量になります。そういう意味では「ガッツリ食べたいです!」という要求には向くのではないでしょうか。
松屋の定食メニューの定番である「牛焼肉定食」「カルビ焼肉定食」などと比べると、味付けの問題で意外と肉のボリュームが喜びにつながらないのではないかとは感じました。くどいようですが、牛皿という食べ方を否定したいわけでは決してない。
しかし、松屋のメニューとしてはなかなかの価格、牛肉が3倍でありながらライスの量と釣り合いを取りつつ食べるバランスを考えたりすることの難易度を考えると、お肉どっさりでワーイ! みたいな気分にはなれない……そんな感情が自分の中に生まれてしまうのです。考えすぎかもしれませんが。
ガッツリ食べたいなら牛めしの特盛+生野菜などにしたほうがラクではないかと思いつつも、ライスをあえてミニにするなどして、他のサイドメニューとあわせて一人飲みをするには、かなりおもしろいかもしれません。
お肉どっさりセットをライスミニにして注文し、合間に七味などをかけつつビールのおつまみにして、最後にやや冷えたごはんにのせミニ牛めしとしてシメとする。ちょっと風情がありますよね? ないですか? そうですか。
「お肉どっさりグルメセット」は大げさに言えば「マインクラフト」みたいなものです。たくさんある牛肉部分をいかに積み上げて、どのような晩ごはんの世界を構築するかはプレイヤー(あなた)次第というわけです。価格がやや高めなのが惜しいですが、「自分なりの手順で牛肉をたくさん食べたい」と思ったら、券売機のボタンを力強く押して戦いましょう。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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