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RAWデータ500枚の書き出し時間とCPU負荷をチェック

MX250にNVMe SSD、出先でも写真編集が快適な14型モバイルノートPC

2019年08月23日 09時00分更新

「DAIV-NG4300U1-M2S10」

 マウスコンピューターが販売する「DAIV-NG4300」シリーズは、クリエイター向けのDAIVシリーズの中でも軽く薄くコンパクトでモバイル用途にも適した14型ノートパソコンだ。外観周りのチェックを行ない、ベンチマークソフトを使って性能も確認したがやはり気になるのは実用面ということで、今回は「DAIV-NG4300U1-M2S10」で実作業での性能をチェックしてみた。

 今の所DAIV-NG4300シリーズを購入したら、ロケなど外に持ち出して現場での画像チェックをする用途を想定している。そのため、自宅のデスクトップパソコンとディスプレーを使うような本格的な作業に使おうとは思ってはないので、性能よりは携帯性とディスプレーの質を重要に考えてはいる。とはいえ、やはりある程度の軽快さはほしい。

 というのは現場での画像確認をする場合、デザイナーやクライアントに見てもらって確認を取るのだが、数十枚や数百枚の画像を一覧表示させてその中から複数枚を選んで拡大しながら見比べたり、簡単にレタッチ作業をして確認してもらうこともある。そんな単純な作業でもサクサク動いてくれないとテンポよく進めることができなくなる。自分だけで作業するなら多少遅くても待てばいいだけだが、ほかの人に見せる場合にはそういうわけにはいかない。

RAWデータ500枚をPSD16bit形式で書き出す際にかかる時間をチェック
CPUにもまだ余裕あり

 まずはRAWデータの現像処理時間をPhotoshop Lightroomで測定。2400万画素のデジカメで撮影したRAWデータ500枚を補正をせずにPSD16bit形式で書き出してみた。

 処理にかかった時間はPSD16bit形式での書き出しが約14分。なお、JPEG(最高画質)での書き出しは約15分かかった。

処理中のデバイスマネージャーを見ると、CPUのパフォーマンスはほぼ100%まで上がっている。ただ、試用機に採用されているCorei7-8565Uはベースクロックが1.80GHzで、ターボブースト時には最大で4.60GHzまで上がるが、3GHzまでしか上がってない。まだ余裕はあるようだ

JPEG書き出しでもCPUのパフォーマンスは100%まで上がっているが、クロックが3.0GHzを超えることは確認できなかった。かなり余裕があると思える。むしろ高付加がかかっても簡単にターボブーストの上限までは上がらず適度な範囲に収まっているのは消費電力的に優しいと思える

 書き出し速度に関しては、けっして早いといわけではないが、モバイル向けのCore i7だと考えれば十分に健闘していると思える速さだ。CPUはクラスにあった性能になっていると思うが重要なのはディスクアクセスだ。PSD書き出しとJPEG書き出しの両方ともディスクアクセスがかなり低いのが確認できるが、これはDAIV-NG4300U1-M2S10が採用しているストレージがNVMe対応であることが大きいと思える。

NVMe対応で高速で処理時間をグッと短縮

採用されているSSDはサムソン製で1TB、インターフェイスの欄が「NVM Express」になっているのが確認できる

 過去に同じ500枚のRAW現像で処理時間を計測したことは何度もあるが、SSDといってもSATA接続とNVMe接続では雲泥の差があって、PSD形式での書き出しではSATA接続の場合は書き込みの処理待ち時間が発生してしまうため、結果としてCPUの待ち時間がおきて全体の処理時間が長くなってしまうことが多い。

 その点今回の試用機ではストレージに高速なNVMe対応のSSDが採用されているので、CPUを待たせることなく処理ができていると思う。

採用されているSSDはサムソン製で1TB、インターフェイスの欄が「NVM Express」になっているのが確認できる

 「CrystalDiskMark」で測定するとNVMe接続の速さが確認できる。左上のシーケンシャルリードが3535MB/秒、右上のシーケンシャルライトが3023MB/秒となっている。一般的なSSDに多いSATA接続の場合はどちらも500MB/秒くらいが目安になるので、6~7倍も速いということになる。パソコンの起動やエクスプローラーでの操作、ファイルを開いたり閉じたりする場合には下3つのランダムアクセスのほうが重要になるが、こちらもSATA接続のSSDよりも2~4倍くらい速くなっている。

 とはいってもパソコンの操作が早くなるのかといえばそんなことはなく、SATA接続のSSDで十分に速くWindowsの操作をしているぶんには区別はつかないが、ライトルームでの書き出しでは大きなアドバンテージなる。

PSD16bit形式ファイル500枚をアドビブリッジで表示。サムネイル作成には多少時間がかかる。CPUのパフォーマンスは70%くらいまで消費している。ファイルを選んでスペースキーを押すことで拡大表示になるが、サムネイル作成中は拡大表示がもたつくこともあるがサムネイルができてしまえばサクサク拡大表示しながら画像を切替えることができ、十分に実用範囲内の動作だ

一部のフィルターではGPUが機能してプレビューが早くなる。GeForce MX250はそれほど高い性能があるわけではないが、あるのとないのとでは大きな違いがあり、Photoshopではかなり効果的に機能している。そのため、プレビュー更新時の待ち時間は短い

PhotoshopやLightroomでは環境設定でGPUを使用するかのチェックが行なえる。オフにする理由はとくにないのでしっかりチェックが入っているか確認しておこう。

ここにチェックが入っていないとGPUが機能しないので確認忘れしないようにしよう

Lightroomにも同様にGPUを使用するための設定があるのでこちらも要確認だ

 モバイル向けのCore i7-8565UにGeForce MX250、16GBメモリーにNVMe接続の1TB SSDと、スペックはかなりよい。バランスを考えるとCPUが若干低めのスペックではあるが、実作業をした感じではかなりの実力があり低消費電力タイプのCPUであることを忘れるくらいには快適に動作するため、実用上の問題はないだろう。

 ストレージにはNVMe接続のSSDが搭載されていてまったくの不満は感じない、実はM.2スロットにはもう1つ空きがあるのでカスタマイズで増設可能になっているので余裕があるなら追加しておきたいと思える。

 1つだけ気になったのはメモリーがシングルチャネルな点だ。試用機には16GBが乗っているが1枚刺しになっていて空きスロットはない。動作速度的な不満は感じないがデュアルチャネル対応になればもう少しCPUの性能を引き出せるのではないかとおもう。

 薄くて軽い筐体に高色域ディスプレーを採用し、モバイル可能な仕事マシンとしては十分な性能を持っていると判断できる。基本性能が高いので外部ディスプレーを接続してメインマシンとしても運用は可能だろうし、写真をあつかうには十分な性能で仕事や趣味の区別なく存分に使えるだろう。

 プロカメラマンのサブパソコンとしてロケのお供にもいいし、趣味で写真を扱う人には価格的にもかなり魅力を感じるのではないだろうか。

試用機の主なスペック
機種名 DAIV-NG4300U1-M2S10
CPU Core i7-8565U(1.8GHz)
グラフィックス GeForce MX250
メモリー 16GB
ストレージ 1TB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 14型(1920×1080ドット)、ノングレア、NTSC比72%
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0
インターフェース USB 3.0端子×2、USB 3.0(Type-C)端子、USB 2.0端子、HDMI端子、ヘッドセット端子、有線LAN端子
内蔵カメラ 100万画素ウェブカメラ(Windows Hello対応)
サイズ/重量 およそ幅320.2×奥行214.5×高さ17.5mm/約1.13kg
OS Windows 10 Home(64bit)
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