高性能ながら軽くなったゲーミングノートPC導入で学生の負担を軽減、MSIは日本工学院のリクエストにどう応えたのか
質問1:「GS65」や「GF63」の導入前に感じていた課題や導入に至った背景を教えてください
ゲームクリエイター科では、入学する学生にノートPCを用意してもらっています。機種は指定していないので、自宅のノートPCをそのまま使ってもらっても構いませんが、授業で必要なスペックの問い合わせが多いので、推奨機種を用意して希望する学生が購入できるようにしています。2017年度までは、ゲーミングノートPCではなく一般向けのノートPCを導入していましたが、3Dゲームの制作を本格的に行なうようになり、高度なグラフィック性能が要求されるUnreal Engineなども使うようになったことから、スペック不足を痛感していました。
そこで、2018年度からはゲーミングノートPCを導入しましたが、筐体のサイズがひと回り大きくなり、重量も大幅に増えたため、教材などと一緒にカバンに入れて毎日持ち運ぶ学生にとっては大きな負担でした。発注数のコントロールが難しいのも課題です。できるだけ家計の負担を減らしたいので、当学科では推奨PCを毎年2機種用意しています。低価格でもひと通りのカリキュラムは問題なく行なえるエントリーモデルと、将来VRなど高いスペックが要求されるゲームを作りたい場合に快適に作業できるハイエンドモデル、どちらかを学生が選択できるようにしました。極端なことを言えば、学生が100人いたら、エントリー100台、ハイエンド0台になる可能性もあります。そのため、メーカーには2機種とも台数に余裕を持って用意してもらいますが、昨年はハイエンドモデルが足りなくなり、価格や性能が異なる別モデルを急遽用意するなど対応に追われました。
また、これは消費電力が高いゲーミングノートPC共通の問題ですが、授業を行なう一般教室で学生が一斉に充電すると、度々ブレーカーが落ちるようになったため、工事をして電源を強化しました。工事する前は、交代で充電するようにアナウンスして乗り切るなど、ゲーミングノートPCを導入してから初めて気づくこともありました。
質問2:MSIのノートPCを選んだ決め手を教えてください
一番の決め手は、課題として感じていたサイズや軽さです。MSIさんのゲーミングノートPCは2kgを切っており、他社と比べて頭ひとつ抜けていました。また、特に注目したのはACアダプターのサイズです。GeForceを使うゲーミングノートPCだと、ACアダプターに求められる出力は180W前後になり、一般向けPCに比べてかなり大きくなります。本体に比べて見落としがちですが、学生は周辺機器も一緒に持ち歩くため、導入時の重要なチェックポイントです。MSIさんのACアダプターは他社と比較すると半分程度の大きさでした。
テストマシンを利用した性能のチェックも特に問題はありませんでした。実際に授業を受け持ってもらう先生には、Unreal Engineや授業で使うひと通りのプログラムを動かして検証をしてもらっています。十分なスペックがあり、本体や周辺機器も小さく軽いことから、当学科が2017年度の一般向けPCや2018年度のゲーミングノートPCで感じていたスペック不足とサイズの課題を同時に解消してくれるマシンだと思います。
質問3:導入後の成果や手応えはいかがでしょう?
持ち運ぶマシンやACアダプターが軽くなって学生の負担は確実に減っていると思います。1年生は他のマシンを実際に使っていないので比較は難しいと思いますが、2年生以上の学生にとっては羨ましいと思います。性能面でも今のところ授業を行なっている先生や学生からの不満は出ていないので、教材導入担当としてはホッとしています。今はC++を中心に基礎的な授業を行なっていて、今後は本格的なゲーム開発も行なっていくので、学生には「GS65」や「GF63」をフル活用して質の高いゲームを作ってほしいです。
ハイエンドモデルの価格は昨年より上がっていますが、購入する学生が多かったのは意外でした。「せっかく買うのであれば、ハイスペックなマシンを」と考えている学生や親御さんが多いのだと思います。来年以降、導入するマシンの仕様を大幅に上げることはしばらくないと思うので、MSIさんには、軽さとスペックを両立した高品質なマシンを引き続き提供してほしいと思っています。
MSIさんのマシンを導入して、ゲーミングノートPCの進化を改めて実感しました。当学科で現在ゲーミングノートPCを導入しているのは、ゲームプログラマーコースとゲームプランナーコース、ゲームビジネスコースの3コースだけですが、いずれはデスクトップPCを使っているゲームCGデザイナーコースでも導入したいと思いました。CGは映画のようなクオリティで本格的に作ろうとすると高いスペックを要求されますが、最近はUnreal Engineが映像制作でも使われるなど「デスクトップがないと作れない」範囲は徐々に減っています。MayaやAdobeなど映像制作で使うソフトはライセンスなどクリアーしないといけない問題もありますが、ハード自体はゲーミングノートPCでも十分だと思います。
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