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ギュッと凝縮されてよりパワフルに!

Ryzen 3000シリーズ搭載で小型化された新「HP ENVY x360 13」レビュー

2019年06月27日 13時00分更新

最新世代のRyzenプロセッサーを搭載

 新モデルには最新世代のモバイル向けRyzen 3000シリーズが搭載されているのも大きな特徴になっている。今回試したパフォーマンスモデルには、そのうち最上位となるAMD Ryzen 7 3700U(2.3GHz/最大4.00GHz)が搭載されていた。グラフィックスは統合型のAMD Radeon RX Vega 10で、メモリーは16GB、ストレージは512GBのPCIe NVMe M.2対応SSDだ。

 インテルCPUだとCore i7-8565Uがライバルになるが、どのくらいの性能差があるのだろうか。

 そこで、いくつかのベンチマークを実行して性能を測ってみることにした。まず、Windows 10のシステム評価ツールを実行したところ、プロセッサとメモリが9.1、プライマリハードディスク(SSD)が8.9という非常に高い結果になった。グラフィックスも8という数値で、基本性能がかなり高いことがわかる。

 CINEBENCH R15では、CPUのマルチコアが671cb、シングルコアが146cbという結果。ライバルのCore i7-8565Uと比べると、シングルコアは若干低めだが、マルチコアは1割程度高い。

 次にパソコンの総合的な性能をチェックするためPCMark 8を実行したところ、スコアが4117となった。また、PCMARK 10では3881になった。

 PCMARK 10のスコアの詳細をみると、基本性能を示すEssentialsが7597、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが5863、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3561と、いずれも快適さの目安となる3000を超えている。ライバルのCore i7-8565Uを搭載したノートPCと比べても同等以上の性能だ。

 グラフィックスはパフォーマンスに優れたVegaアーキテクチャーのGPUなので、Core i7-8565Uなどに内蔵されているインテル UHD グラフィックス 620より高めのスコアが期待できそうだ。そこで、3DMARKでチェックしてみたところ、ゲーミングノート向けのテスト「Sky Diver」で8281、ミドルレンジパソコン向けの「Cloud Gate」で12988と、インテル UHD グラフィックス 620よりも倍近い結果になった。

3DMarkスコア
Fire Strike 2248
Sky Diver 8281
Cloud Gate 12988

 これくらいグラフィックス性能が高いと、ゲームもある程度快適に楽しめるはず。そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」は次のようになった。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト スコア
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
低品質 1920×1080 9385 とても快適
標準品質 1920×1080 8438 とても快適
最高品質 1920×1080 7315 とても快適

 同様に「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマーク」も試してみた。

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマーク
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
標準品質 1920×1080 3925 快適
高品質 1920×1080 2936 やや快適
最高品質 1920×1080 2072 普通

 結果を見てわかるように、FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者くらい負荷の高いゲームでも、標準品質ならそこそこ快適に楽しめる。統合型グラフィックスとはいえ、エントリー向けの単体グラフィックスに迫る性能を持っていると言えそうだ。

CPUはAMD Ryzen 7 3700Uが搭載されていた

WinSATの結果

CINEBENCH R15の結果

PCMark 8の結果

PCMark 10の結果

グラフィックスは統合型のRadeon Vega 10 Graphicsが搭載されている

3DMarkはゲーミングノート向けのテスト「Sky Diver」で8281という結果だった

「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」の結果

「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマーク」の結果

バッテリー駆動時間も向上

 本製品のバッテリー駆動時間は、カタログ値で最大約14時間30分となっており、従来モデルの約11時間から大幅にのびている。そこでバッテリーベンチマークソフト「BBench」を使って前モデルから実際にどのくらい向上したのかを計測してみた。いずれも、電源プランは推奨設定、電源モードは「より良いバッテリー」、画面の明るさは「50%」にし、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。また、プリインストールされているユーティリティ「HP Command Center」は、サーマルプロファイルを「HP推奨モード」に設定しておいた。

 その結果、新モデルは前モデルから約1時間ほど駆動時間が伸びた。

バッテリー駆動時間の比較
前モデル 新モデル
5時間35分 6時間39分

 どちらもカタログスペックには届いていないが、サーマルプロファイルを変更することでかなりPCのパフォーマンスが変わるので、より省電力な「静音モード」などに変更すればもっと長時間の駆動が可能になると思われる。利用シーンに合わせてプロファイルを選んでみてほしい。

プリインストールされているユーティリティ「HP Command Center」の画面。ファンやCPUパフォーマンスの制御を行える

完成度が高まった高性能2in1 PC

 洗練されたデザインの筐体に最新世代のAMD Ryzenプロセッサーを搭載した「HP ENVY x360 13」。本体の小型軽量化や高性能化に加え、使い勝手もブラッシュアップされており、従来モデルに比べて2in1 PCとしての完成度は大きく高まっている。洗練されたデザインのノートを探している人や、高性能なモバイルノートPCを探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。

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