ASUS Republic of Gamers(ROG)の最新モデルをテストドライブしました
ROG Strix G 実機レビュー = BMWデザインに第9世代コアi-Hプロセッサーを投入だっ!!
ASUS Republic of Gamers(ROG)は台湾で4月23日、ゲーミングPCのリニューアルを発表.中でもメインストリームのStrixシリーズのStrix Gはフルモデルチェンジを行った.
日本でも発売となるので、日本モデルの「G531GW」を試用してみた.最大の特徴は同じ4月23日にインテルが発表した第9世代のコアi-Hプロセッサーを搭載していることと、最新デザインが投入されいてるところだ.
BMWとのパートナーシップで
コンセプトモデルを発表
同じ4月23日に、ASUSはBMWグループのデザイン会社Designworksとともに、ゲーミングノートPCの未来デザインを発表した.コンセプトモデル名は「ROG Face Off」というもので、スケッチやイラストが公開されており、2画面のディスプレイやプロジェクターが組み込まれた未来型モバイルPCとなっている.
Strix Gは、このコンセプトデザインのエッセンスを取り入れており、これまでとは違った先進的なデザインのマシンに仕上がっている.
まずは中身をみていこう.CPUは、4月23日にインテルから発表となった第9世代のコアi7-9750H(6コア12スレッド)を搭載し、最高動作クロックは4.5GHzである.メモリは標準で16GB、ストレージは512GB+ハイブリッドのHDD1TBまたは1TBのSSDをそろえている.GPUはGrForce RTX2070/2060とGTX1660の3種類である.
完全フラットのキーボード面と
余裕のキーレイアウト
起動してまず気がつくのがキーボード面のデザインである.手前のパームレストから奥までが平面でキーまわりにも窪みはない.右側には彫刻のような彫り込み模様がある.
電源キーは右上に、それも6角形で設置されており、メインキーは全幅が277ミリで、日本語キーも余裕の配置である.スペースキーは左下に凸があり、カーソルキーは右下にやずれて配置されている.
メインキーの右側には機能キーが並ぶが、7ミリほど離れているので、よくあるようにリターンキーを押そうとして、誤打することはない.
上部のファンクションキーは4つずつグループ分けされていて、機能が大きくプリントされているので操作しやすい.
さらにその上に機能キーが5つ配置されている.見てのとおり、ボリュームやマイク、ファンの回転数切り換え、そして統合設定ソフトの「ArmouryCrate」を起動するキーが並ぶ.
最新の統合ソフトで
ぐるっとまるっとマシン設定
ArmouryCrateでは、温度やメモリーの環境など全体のステイタスがグラフィカルに視覚化されている.おなじみ、イルミネーションをコントロールするAURAも内蔵していて、接続機器と同期させるAURA Syncもここで指定できる.
速度設定は、プリセットでWindows、サイレント、バランス、ターボ、手動の5種類がある.手動を開くと、CPUについてはファン速度を0-100%で指定可能.GPUについてはベースクロックとメモリークロック、ファン速度の3つを別々に指定できる.これはかなり細かいのである.
ちなみに冷却ファンのキーを押すと、サイレントとバランス、ターボが切り替わるのだが、ACアダプターが接続されていないとターボは選択できなくなる.
液晶は15.6インチのフルHD解像度でリフレッシュ周波数は120Hz.ノングレアでコントラストは1000対1、レスポンスタイムは25msである.額縁は左右が約5ミリで上部は約7ミリと、狭額縁でスッキリとしている.液晶面にはWEBカメラは搭載していない.
本体サイズは幅が360ミリで奥行きは275ミリと長めで、厚みは25.8ミリある.液晶のヒンジがボディの途中にあるデザインは面白い.重さはスペックでは約2.4キロで、今回の試用モデルの実測値は2482グラムあった.
本体の底面まわりにはイルミネーションラインがあって、もちろんキーボードと同様に発光のパターンや色が指定できる.
タッチパッドは107×60ミリと標準的だが、きちんとボタンが別になっているは非常に好感が持てる.右上の部分を押すと赤い文字が浮かび上がり、テンキーになるしくみで、おなじみのScreenPadの兄弟分である.
インターフェイスの配置もなかなかユニークで、まず背面に、電源入力端子とUSB3.1Gen2のタイプC×1、HDMI、有線LANが並んでいる.少し前の「据え置き型ノートPC」ではあった配置だ.
本体向かって左側にはUSB3.0のタイプA×3とオーディオジャックが並び、右側にはなにもない.
モバイルというか持ち歩くことを考えれば、背面のコネクターは右側にもってきてくれたほうが抜き差しはしやすい.逆に置きっぱなしにするなら、もちろんこの配置のほうがスッキリするが、右側にUSB端子が1つもないのはちょっと使いにくいだろう.
さすが第9世代コアi-Hの威力
RTXも大回転してくれた
さて、ゲーミングノートとしての「回りっぷり」をベンチマークテストで見てみよう.
まずはおなじみのシネベンチで、CPUは1276をマークした.オレ的ベンチマーク履歴としてノートPCとして初の1200超えである.i7-8750Hのオレ的最高値は1150だったので、約11%の速度向上だ.
そのおかげ(?)かもしれないが、3DMarkの結果はRTX2070搭載なのに2080(MAX-Q)に近い値が出た.
ファイヤーストライクで17029、タイムスパイで7298である.つまり第8世代のHプロセッサーi7-8750H(2.2GH/4.1GHz)にRTX2080(MAX-Q)と比べて、今回の第9世代i7-9750H(2.6GHz/4.5GHz)+RTX2070は、同等または若干ではあるが結果が良かった.
レイトレーシング能力をみる3DMarkのポートロイヤルの値は4017で、こちらは2080チームのほうが若干速かった.
ストレージはSSDがPCIe3.0×2なので、マルチシーケンシャルのリードが1661、ライトが986と、同インターフェイスでは平均的な値だった.試用機ではD:といして搭載しているハイブリッドHDDは同項目が140と131であまり振るわなかった.
バッテリーは66Whの容量を搭載しており、動作モードをWindows管理として、電源モードを「最も高いパフォーマンス」とし、液晶を最大輝度でBBenchを動作させたところ、約2時間30分稼働した.
「ArmouryCrate」でバランスモードを選び、同条件で動作させたところ、約3時間30分と1時間も長く動いた.このバッテリー容量としては省エネが効いている値である.
充電ではWindowsでもバランスでも大差なく、50%まで30分、70%まで50分、90%まで75分となかなか高速だった.ちなみにACアダプターは出力230Wでりっぱなサイズで、重さはケーブル込みで780グラムあるから当然の結果であはる.
動作音はとても静かなのに
CPUもGPUも回るヤツなのだ
ベンチマークテストを実施するにあたり、当然「ArmouryCrate」でターボモードや手動モードにしてファンを大回転させたのだが、このマシンはとても静かである.普通のゲーミングノートような「ボワー」という音がしない.もちろん冷却はきちんと行われて、いて、連続して3Dのベンチマークテストを実施しても速度は落ちない.最近のスリム型ゲーミングノートより奥行きがあるので、余裕のある放熱設計なのだろう.
最新3Dゲームを楽しみたいみなさんにはもちろんオススメだし、本体2.4キロはあまり「モバイル」には向かないが、バッテリーの持ちはいいので、家庭内や社内で持ち歩く使い方はありだ.
最新の第9世代のコアHとRTXの速度を、斬新なデザインのボディでぜひ味わっていただきたいPCである.
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