ほかのQLC採用SSDや既存のTLCモデルと比較
今回の検証環境を紹介しよう。パフォーマンスをチェックするにあたり、以下のような比較SSDを用意した。QLC NANDフラッシュメモリーを搭載し、圧倒的な容量単価を誇るがSATA接続のSamsung「860 QVO」。同じくQLC NANDを採用するが、NVMe接続で容量単価の安いIntel「SSD 660p」。そして、世代がやや古めとなる32層3D TLC NANDを搭載したIntel「SSD 600p」及びCrucial「MX300」。SSD 660pを除き、容量は1TB近辺に揃えた。
検証環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz) |
CPUクーラー | NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | MSI「Z390-A PRO」(Intel Z390) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」×2(DDR4-3200 8GB×4、DDR4-2666で運用) |
グラフィックス | NVIDIA「TITAN RTX」 |
ストレージ | Kingston「KC2000 SKC2000M8/1000G」(NVMe M.2、1TB SSD)、Samsung「860 QVO」(2.5インチ SATA、1TB SSD)、Intel「SSD 660p SSDPEKNW020T8X1」(NVMe M.2、2TB SSD)、Intel「SSD 600p SSDPEKKW010T7X1」(NVMe M.2、1TB SSD)、Crucial「MX300 CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA、1.05TB SSD) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80 PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2019 Update適用) |
システムは検証するドライブそれぞれにセットアップし、Cドライブとして運用した時のパフォーマンスを計測している。
BiCS4のパフォーマンスがいかんなく発揮される
まずは定番の「CrystalDiskMark」でリード・ライト性能を比較してみたい。データは1GiB/4GiB/16GiBで5回計測とする。また、見分けやすいようにウィンドウの枠色を、KC2000が赤色、860 QVOが灰色、SSD 660pが緑色、SSD 600pが青、MX300が紫色にしている。
KC2000は1TBレンジのSSDとして頭ひとつ抜けた結果を出している。もちろん、860 QVOやMX300に対してはSATA接続、SSD 600pはNANDフラッシュの世代が古め、SSD 660pはQLCであることが大きなハンデになっているので勝って当然の話ではあるが、96層3D TLC NANDのポテンシャルを見せつけた形になる。また、リード・ライトともに非常に良好な結果を出せているのはDDR3メモリーを搭載していることも手伝っている。
NVMe M.2 SSD市場全体を見渡せば最速とは言えないが、1TBモデルで2万1200円前後のSSDとして出てくるなら、コストパフォーマンスは良好だ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう