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アップルと和解したクアルコムの独禁法訴訟は完全敗北

2019年05月29日 12時00分更新

しかし5Gモデムでも独占的地位を占める

 判事はクアルコムに対し、顧客とライセンス契約を再度交渉するようにと命じている。クアルコムはこれを不服とし、控訴する構えだ。

 4月、アップルとの和解により見通しが明るくなったかに見えた同社だが、一審の内容はクアルコムにとって厳しいものとなった。ひょっとするとアップルはこれを見越して和解を進めたのかとも感じてしまうが、アップルがクアルコムと結んだ和解条項はFTCとの訴訟動向には関係ないとの見方も出ている。

 一方で5Gの足音は迫っている。インテルが5Gモデム事業から撤退した今、クアルコムは独占的な存在をさらに強めており、Samsungの「Galaxy S10 5G」を始め多くの5Gスマートフォンがクアルコムのモデムを採用することになっている。PCでもレノボと5GノートPCでの協業が発表されたばかりだ。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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