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4K表示も可能に、Thunderbolt 3やUHD Blu-rayにも対応

新「VAIO S15」「VAIO Pro PH」発表、第8世代6コアで従来比1.5倍の性能に

2019年04月10日 09時00分更新

 VAIOは4月10日、4K液晶パネルも選べる15.6型ノートパソコンの新製品「VAIO S15」「VAIO Pro PH」を発表した。価格はオープンプライス。VAIO 15をオンラインストアでカスタマイズした場合の最小構成価格は12万9384円。店頭向けの標準仕様モデルは、実売24万円台後半からとなる。出荷は最短で4月19日。

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15.6型ノートでは、あくまでもCPU性能の高さにこだわる

 VAIO S15が個人向け、VAIO Pro PHが法人向けの型番となるが、基本的な仕様は同一だ。仕様を決めるうえで検討事項になったのがGPUを搭載するかどうかだ。

 GfK Japanの調査によると、国内市場の15.6型モデルはCeleronやCore i3を搭載したバリューモデルが過半数を占める。Core i7を搭載したパフォーマンスモデルも4割弱と高い比率。一方でCore i5を搭載したコストバランス重視のスペックはあまり選択されていない。

 つまり、市場では、二極化が進んでいる。ここがバランスの取れたスペックを重視する、モバイルノートとの大きな違いだ。

 そこでVAIOとしては、15.6型モデルでは、ハイパフォーマンスで付加価値のあるモデルの投入に注力する方針だという。具体的には「CPU性能の高さ」「VAIOらしいデザイン」「拡張性を含めた使い勝手の良さ」を前面に押し出す。スペック面では、拡張性に優れるThunderbolt 3の搭載に加え、第8世代で6コアのCore i7 8750Hプロセッサー、4K解像度の液晶パネル、UHD Blu-rayの選択ができる高性能なパソコンとして企画した。

 ハイパフォーマンスノートというと、海外ではゲーミング機が主流になっている。その場合、GPUの搭載が必須となる。ここで問題になるのが消費電力や熱設計だ。GPUはCPU並みに電力を消費する部品であり、ある程度の“薄さ”や“軽さ”を実現しようとすると、どこを生かし、どこを削るかという、システムとしてのバランス調整が必要になる。

 例えば、市場で増加傾向にある、薄型ゲーミングノートでは、GPU性能に消費電力を振る一方で、CPU性能を落とすといった形でバランスをとっているケースもある。

 しかし、クリエイティブワークやデスクワークの快適性を中心に考えると、重視すべきはGPUよりはCPUだ。一方で、VAIOは「VAIO S13/S11」といったモバイル機で、VAIO TruePerformanceを取り入れている。結果、省電力性を重視したUプロセッサー(Core i7 8565U)でも、第7世代のHプロセッサー(Core i7 7700HQ)とほぼ同等の性能が得られるようチューニングできた。

 15.6型のVAIO S15/Pro PHでは、このサイズならではの高性能が求められる。そこでVAIO S15/S11の性能を上回れるよう、Uプロセッサーではなく、第8世代で6コアのHプロセッサー搭載にこだわった。


左が従来のVAIO S15(第7世代のCore i7-7700HQ)、右が新しいVAIO S15(第8世代のCore i7-8750H)

 新VAIO S15では、Core i7 8750Hを採用したことで、CPU性能は旧世代のVAIO S15に対して約1.5倍になっている。同じCore i7でもUプロセッサー(Core i7 8565U)搭載の一般的なノートに対して、2倍以上の性能差があるため、実作業時間の比較でもRAW現像処理で30%以上、4K動画のエンコード処理で46%以上の時間短縮が見込めるとする。

 加えて、Thunderbolt 3端子を持つので、外付けのGPUボックスを組み合わせられる拡張性を確保している。持ち運ばず机の上で使うマシンとして割りきれば、最新ゲーム、クリエイティブ作業、AI関連のプログラミングなど、GPU支援が有効な領域に対しても対応できる。逆に、必要に応じてビデオカードの交換ができる点も、投資効率という面ではメリットになる。GPUとCPUのライフサイクルは異なるが、その都度、本体を買い替えずに、キャッチアップしていけるわけだ。

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