MWC19でHTCの最新 VR HMD
「Vive Focus Plus」を体験してみた
HTCはスペイン・バルセロナで開催されたMWC19 Barcelonaに出展。会期直前に発表されたスタンドアローンタイプのHMD「Vive Focus Plus」や、5G対応のルーターを展示していた。
「Vive Focus Plus」は、PCとの接続が不要なスタンドアローンタイプのHMDで、プロセッサーにはSnapdragon 835が採用されている。コントローラーのトラッキングは超音波を使う方式に変更されており、Wi-Fiの電波が飛び交うような場所でも安定して操作できるのがポイント。会場のHTCブースでは、実際にVive Focus Plusを試せるコーナーがあり、筆者もかぶってみたが、しっかりと腕の動きをトラッキングして操作できた。
ちなみに会場でのデモは、MWC19 BarcelonaでHTCが発表した5Gルーター「HTC 5G Hub」を介して行われていた。デモブースにコンテンツ配信用のサーバーがエミュレートされており、そこから5Gの電波を使ってHTC 5G Hubへと配信。さらにHTC 5G HubからVive Focus PlusへはWi-FiのIEEE802.11adで送信されている。超音波のコントローラー同様、5GとIEEE802.11adによる通信でも、テストプレイで遅延やドット荒れのような支障はなかった。
つまり、ヘビーなVRコンテンツの生成などの処理はサーバー側で行い、エッジ側のVIVE Focus Plusでは映像の再生と、ユーザーの動きをトラッキングして送信する役割を担当しているわけだ。VIVE Focus Plusには無料のエンタープライズ向けライセンスも付属することもあり、どちらかというと、コンシューマー向けというよりは、アミューズメントパークやイベントなどで多数のHMDを用意して同時に複数人へと配信するような使い方に最適と言える。
このほか、HTCはブースに2種類のHMDを展示。ひとつは年明けのCESで発表された「Vive Pro Eye」。アイトラッキング機能を搭載しており、視線やまばたきといった眼球の動きが認識可能。VTuberなどのバーチャルキャストを操作する際に、目を使った表情が出せるようになる。
もうひとつは、同じくCESで発表された「Vive Cosmos」。PCだけでなく、スマートフォンなどモバイル端末と接続して使用することも考えて設計されたHMDだ。モバイル端末との接続方法はまだ公表されていないが、より低コストでVR環境を導入できるようになる。
コントローラーのトラッキングにはカメラを使い、コントローラーのリングに施された模様を認識して検知するとのこと。そのためVive Cosmosには本体両サイドにもカメラが搭載されている。
「Vive Pro Eye」と「Vive Cosmos」はケースでの展示のみでデモでの体験はできなかった。また「Vive Focus Plus」「VIVE Pro Eye」「VIVE Cosmos」ともに正式な発売時期や価格は未定だが、今年中には市場に登場する予定。4月にはVRコンテンツをサブスクリプションサービスとして利用できる「Viveport infinity」もスタート予定で、VR関連は今後も広がりを見せていきそうだ。
また、HTCブースにはスマートフォンの最新モデルとしてブロックチェーンに対応した「Exodus 1」を展示。「Zion」ウォレットと呼ばれる、デジタル仮想通貨ウォレットにアクセスするための秘密鍵を格納したハードウェアストレージを内蔵しており、対応するウェブブラウザーの「Opera」も標準搭載している。北米などですでに受注がスタートしており、販売価格は699ドルとなっている。
(提供:HTC NIPPON)
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